約10年ぶりに再会した女優・谷村美月さん(右)と写真家・関めぐみさん(左)
2008年1月に発売された、女優・谷村美月のファースト写真集『花美月』(集英社刊)。

当時から数々の映画やドラマに出演し、同世代のなかでも"演技派女優"として群を抜く存在だった谷村。そんな彼女の17歳の姿を詰め込んだ1冊がデジタル復刊され、10月15日(月)より配信スタートする。

この写真集のデジタル化を記念して、撮影を担当した写真家・関めぐみさんとの対談が実現。撮影秘話や写真集にぶつけた想いなど、約10年ぶりに再会した2人が思い出話に花を咲かせた。

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 あんまり変わらないですね。もちろん大人の女性になりましたけど、そのまま大人になってるなぁと。

谷村 お久しぶりです! 写真集を見るとそんな何年も経ってる感じがしないんですけど、10年も前のことなんですね......。

 スンとしちゃってたらどうしようと思って、今日会うのもちょっとドキドキしてました(笑)。

谷村 私も緊張してました(笑)。10年ぶりくらいなので、こういう機会は嬉しいですよね。

――10年の時を経て、少女から大人の女性へと成長した谷村さん。今日はデジタル配信される写真集『花美月』を見ながら、思い出を存分に語り合ってください。撮影は、沖縄ロケだったんですよね?

 そうですね、沖縄の石垣島と黒島。この部屋みたいなところで撮ってるのは、黒島です。食堂を借りたんですけど、この部屋好きだなぁって今でも思う。

谷村 いいですよね。この辺りの写真は評判も良かったです。当時、映画やドラマの出演が多かったので、いろいろな監督からコメントをいただいたんですよね。特に覚えているのは、この部屋で黒いタンクトップを着ている写真。山下敦弘監督から「この写真がすごい好き」と褒めていただけて。

 この部屋を見つけたとき、「やったー!」ってテンションが上がった気がします。さすがに置いてある小物までは用意できないので、"ハイシー"とか日常の物があったのがうれしくて。

谷村 映画のワンシーンみたいですよね。全体的に、写真の並べ方が映画的でステキです。

 このグリーンのロングスカートは私の私物なんです。女っぽ過ぎて自分では着れなかったので、かわいいコに着てもらいたいと思っていて。

谷村 そういえば、関さんの私物を使うこと多かったですよね?

 あとはビーチタオルとか、短パンに合わせて履かせた靴くらいですね。でも、何冊か撮ってる写真集のなかでも、私物を持っていくなんて谷村さんにしかやってない。「かわいいコが着たらかわいいから、これ着て!」とお願いする、おっさん的な発想です(笑)。

谷村 そうだったんですね(笑)。

 そうそう、このスカートのときに谷村さんが蚊に刺されちゃって。刺された場所を爪で「バッテンにして!」って何度も言いながら私が近寄って、それがまた変態っぽくて。

谷村 バッテン......。あまり覚えてないですけど、蚊に刺されると掻きむしる癖はあります。

 その行為を変態的に思われてたんじゃないか心配だったんですけど、覚えてなくて良かったです(笑)。それと、このピンク色の空も今思えばラッキーだったなと思っていて。私は海の近くに住んでるんですけど、この色って意外と出ないんですよ。3~4日間滞在するなかで、こんなにキレイなピンク色が出るなんて持ってるなぁと。

谷村 雨は無縁でしたね。南のほうだから降らないのかなと思ってました。

 いやいや、沖縄はじゃんじゃん降るから! 時期的にも蝉がギャンギャン鳴いてた頃だから、台風シーズンだったかもしれない。そう考えると、やっぱりラッキーでしたね。

――10年経っても色褪せないですね。写真集を改めて見て、どんな印象ですか?

谷村 やっぱり......好きです。最近、過去に出演した映画やドラマが地上波で流れることが増えてきて。でも、ちゃんと見れてない作品もあるんです。出演した作品がたくさんあるなかでも、『花美月』はわりと見返している作品なんです。

 うれしいですね。写真集のテーマというか、10年経っても"黒歴史"になるようなものは撮りたくないというのがすごいあって。恥ずかしいから見たくないってなるよりかは、谷村さんにとってもいい思い出になるといいなと思っていたので。若手の女のコを撮るとなると、やはり水着のカットも欲しいじゃないですか。でも、水着が不自然になるのはイヤだったので、ドキュメンタリーみたいな感じで撮れたらと思ってました。

谷村 当時、グラビアといえば男性が撮るものだと思っていたので、女性と聞いたときは安心できました。今は系統が変わってますけど、私が所属する事務所は当時はグラビアをやっている方が多い事務所だったんです。先輩方のように自分もグラビアをやると思い込んでたところがあって、やっときたという覚悟の気持ちと大丈夫かなという不安が同時にきたのを覚えてます。だから、女性カメラマンが撮ると聞いて「ああ、よかった......」とホッとして(笑)。

 17歳ですもんね。自分に例えて考えると、水着になって肌を見せるとかはちょっと......。

谷村 ですよね。最近は躊躇なく水着になれる方も多いらしいので、すごいなぁと思います。

 10年前はまだスマホが浸透してなかったからね。今はスマホとかあるから、写真を撮られる感覚が一時代違うと思います。撮られてるとき、どんなことを考えてたか覚えてます?

谷村 何も考えてなかったです(笑)。最近、女優さんでも写真を撮ることが好きな人が多くて、みんなカメラに詳しいんですよ。

 私、全然詳しくないですよ(笑)。今はデジタルもあるから、いっぱい種類がありすぎて。でも、この写真集はネガフィルムで撮影して、今もたまに使ってます。同業者からは「よくフィルムで撮れるよね。もう怖くてできない」って言われるから、どこか厚かましいのかな。

谷村 撮ったものをその場で確認できないって、怖いですよね。最近、『写ルンです』を持ち歩いてたので、現像するまでわからない。

 何が写ってるかわからないって最高じゃないですか?

谷村 それがわからなかったので、こんな感覚もあるんだなと。突然何かに惹かれて、自分のなかでジャストフィットの瞬間があるんです。そのときに自分が見たものを撮るようにしてます。でも、現像して写真プリントはしないんですよ。物が増えるのがイヤなので(笑)。

――データ化するだけなんですね。では、今回のように写真集をデジタル化することはどう思います?

谷村 10年前の作品を復刊してもらえるなんて有難いですね。最近は小説もスマホに落として読めるので、そういう時代なんだなと思います。紙の写真集も好きですけど、私みたいに物を増やしたくない方はデジタル写真集をおすすめします。

 自分の撮った作品をデジタルで見ると、なんか新鮮ですね。やっぱりデジタルは、キリッとしてる。紙とは質感が違うから、見比べてみても面白いかも。

谷村 17歳の頃のいろいろな瞬間が詰まった写真集。自分なんですけど、ここにもうひとり居る感じがして、いつ見ても不思議な気持ちになります。

●後編⇒女優・谷村美月、10年前の写真集『花美月』をデジタル配信! 学校と仕事で超多忙だった「あの頃には戻りたくない」

●谷村美月 
1990年6月18日生まれ 大阪府出身
◯NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』や映画『プリンシパル』など多数出演。10月17日放送の刑事ドラマ『相棒season17』(テレビ朝日系)初回拡大スペシャルに出演! 2019年2月公演の舞台『天下一の軽口男 笑いの神さん米沢彦八』(大阪松竹座)にも出演予定。
公式ホームページ【http://www.horiagency.co.jp/talent/tanimura/


●関めぐみ

写真家。ワシントンD.C生まれ。広告や雑誌の撮影など幅広く活躍中。
書籍「8月の写真館」「jaipur」など。タレント写真集は谷村美月の他には大島優子(AKB48)、加護亜依、入江甚儀などを撮影。

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■谷村美月写真集「花美月」デジタル版