『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回はガンダムマニアの彼女が、『機動戦士ガンダム』テレビシリーズ放送40周年への期待を語る。
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少し前にこのコラムでサンリオについてお話ししたんですが、「サンリオが好きだったなんて意外!」と仕事の人たちに驚かれました。ガンダムやアニメについてはよく語っていたんですが、サンリオキャラのことはあまり言ってこなかったですね。
そんな私の愛するガンダムとサンリオキャラが、このたびコラボを発表しました! 「ガンダムvsハローキティプロジェクト」として、1年かけてさまざまな対決をするそうです。PV第1弾では、1年戦争を戦っているアムロの元に、キティちゃんが「話せばわかるはずよ!」と割って入ります。
もしララァが死ぬ前にキティちゃんが現れていたら、"逆シャア"も回避できたんじゃないか......と悔やまれますね。ただ、私としては「コラボするなら"キティターンズ"じゃない?」と強く言いたいです。
このコラボは、『機動戦士ガンダム』のテレビシリーズ放送40周年を記念した企画の中のひとつです。ほかにもいくつもコラボが行なわれているんですが、驚いたのはJRAとコラボした「有馬戦士ガンダム」。メインビジュアルでは、なんとガンダムやザクらが馬に乗っているんです。
「18mのガンダムを乗せる馬ってどういうサイズ感?」と思いつつ、「ガンダムは木でできた木馬に乗せるべきでしょ」とツッコんでしまいました。もうちょっとダジャレ力が欲しかったですね。
また、ガンダムといえばガンプラです。こちらもさまざまなコラボが企画されていますが、そのひとつが「エンツォフェラーリ」や「スーパーこまち」をデザインした日本を代表する工業デザイナー・奥山清行氏によるガンダムのリデザイン。まだその全貌はわからないんですが、告知映像を見る限り、これまでのガンダムにない流線形のフォルムで新鮮味を感じました。
そして、今回の40周年企画で何より楽しみなのが『閃光(せんこう)のハサウェイ』のアニメ化。
これは富野由悠季さんが30年前に書いた小説で、重いテーマが多いガンダムシリーズの中でも悲劇的な物語です。富野さんが学生運動に関わっていた当時の思いなども感じられる重い作品な気がして、個人的に一番好きなガンダム小説です。
主人公はブライトさんとミライさんの息子のハサウェイなんですが、とにかくブライトさんのつらさが際立っています。年を重ねるごとにブライトさんのことが好きになっている私としては、見るのは怖いけど楽しみです。モビルスーツでは、クスィーガンダムとペーネロペーの音速の戦いがどう表現されるかに期待しています。
富野さんが深く関わる作品では、『ガンダム Gのレコンギスタ』の劇場版も今年公開予定です。『Gレコ』のテレビシリーズは、正直私もほっぺをつねりながら一生懸命見たんですが(笑)、富野さんとしては悔いが残る出来だったそうです。劇場版はテレビシリーズに新規カットを加えて再構成するそうなので、富野さんには思いっきりやりたいことをやってほしいですね。
ほかにも、"動くガンダム像"などビッグプロジェクトが動いているんですが......。私としては、そろそろ富野さんもスタン・リーみたいに作品内に登場してもいいんじゃないか、と思っています(笑)。
●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J‐WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21:00~)などにレギュラー出演中。ガンダムシリーズ初の試みとして『00』が舞台化されたが、"腐"成分は持っていないので見送ってしまった