『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』が公開中の山崎貴監督(右)の映画体験を、角田陽一郎氏がひもとく!

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。

先週に引き続き、『ALWAYS 三丁目の夕日』などで知られる映画監督の山崎貴さんが影響を受けた作品を語ります!

* * *

──映画監督を目指すきっかけは?

山崎 『STAR WARS』のメイキング映像を見たのは大きいですね。日本語の吹き替えで、陽気なアメリカ人が「君たちは日本から来たのかい?」とか言ってカメラマンを奥の倉庫に連れていくので、「なんだろう?」と思っていたら、タミヤのマークがずらっと並んでいて。

「実はこのプラモデルで宇宙戦艦を作ってるんだ」って。それを見て、「これって俺でもできるんじゃ?」って思ったんです。

──へー! 確かにタミヤのプラモデルは身近にありましたもんね。

山崎 居ても立ってもいられず、中3のときに友人を巻き込んで初めて映画を作ったんです。技術は全然追いついてなかったけど、VFX(CGやデジタル合成などによる特殊視覚効果)バリバリのSF映画。でも、田舎の中学だから、文化祭で上映したらものすごくお客さんがたくさん来てくれて。

──「すげー!」みたいな?

山崎 いや、知り合いがまじめな演技をしているのを見て笑う感じでした。でも、教室の外にいる人にはすごくウケているように見えたみたいで、噂が噂を呼んで大盛況になって。

──では、大人になってから影響を受けたのは?

山崎 『ブレードランナー』(82年)ですね。高校3年生のときに見たんですけど、殴られたようなショックを受けました。今までに見た映画の世界観とは違って、変なとこに連れていかれたと思うと同時に、「本当にこの都市はあるんじゃねーか」って思うほどリアルだった。

──歴史映像みたいですもんね!

山崎 最初に出てくる都市がデカイのもいい。エッチングで切り抜いた板を通過していくだけなんですけど、バカみたいに巨大なビルがふたつあって。ひとつだけあるよりも、同じようなものがふたつ並んでいるのがすごくリアルに感じられて。

──さて、最新作は『ドラクエ』シリーズ初の3DCGアニメ映画だそうですが、どういうきっかけで? 

山崎 プロデューサーから話が来て、最初は「無理です」と答えたんです。というのも、ゲームと映画って近いように見えて実はすごく遠いから。帰ってもらったんですけど......断っても断っても来るんですよ(笑)。そうしたら、ふとした瞬間に「ドラクエを映画にするんだったらどうすればいいのかな」と考えるようになって。

──洗脳されちゃってますね(笑)。

山崎 そうこうしているうちに、とあるアイデアが浮かんできたんです。それは『ドラクエ』でしかやれないアイデアで、そうなると「生涯でこのチャンスしかない」って思えてきて......。

でも、もしこの作品を引き受けたとすると、実作業するスタッフたちを3年くらいは専念させなければならない。でも、いざプロットを見せたら、どひゃ~どひゃ~と歓声が湧き起こったのを見て、僕は覚悟を決めましたね。

──今回の映画ですが、仕上がりは監督の思惑どおりになりましたか?

山崎 ものすごく思惑どおりにできました。あまり詳しくは言えないですが、「山崎がなんか考えついたらしい」とだけ書いといてください(笑)。ぜひ映画館で見てほしいです。

●山崎貴(やまざき・たかし)
1964年生まれ、長野県出身。2005年に『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞の監督賞を受賞。多くのヒット作を手がける。最新作『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』全国東宝系公開中

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