"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、ネットフリックスのオリジナルアニメ制作について語る。
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ホリ オリジナル作品を出し始めたネットフリックスが、アニメ作品の拡充にも力を入れ始めるみたい。『金田一少年の事件簿』の原作者である樹林伸(きばやし・しん)さんを含めて6名のクリエイターと直接契約して、オリジナルアニメ作品を作っていくらしいよ。
ひろ 堀江さん的にはどう思います?
ホリ 日本のアニメってマンガやラノベ原作が多いよね。んで、今は曖昧な契約関係で作家と出版社がつながっている。そこにダイレクトでネットフリックスが入ってこようという話だから面白いと思うよ。予算もネットフリックスのほうが潤沢だし、制作期間も決めないから話題になるような面白い作品ができる可能性はあるよね。
ひろ んー。僕的にはネットフリックスが制作までやると、普通の会社になっちゃう気がしているんですよね。
ホリ 普通の会社って?
ひろ ネットフリックスの上手なところって、「作品が完成しないリスクを負わないこと」だと思っていたんですよ。いい作品って作者が完結させたがらないことが多いんです。例えば『HUNTER×HUNTER』とか、アメリカのドラマとか。
んで、既存のビジネスだと、いろんな事情で予定していたよりも早く最終回を迎えたり、うやむやなまま急に打ち切りになったりするわけですけど、ネットフリックスはそういった作品の責任を負わないところが良かったんです。
ホリ 人気シリーズも何年も続いていると急に打ち切りになったり、物語の鍵を握る謎の存在が曖昧なまま終わったりとかはよくあることだし、途中で打ち切りというやり方でもビジネス的にはうまくいくわけじゃん。
例えば、ネットフリックスオリジナル作品の『ナルコス』って作品も、シーズン1、2は面白いけど、シーズン3からは一気につまらなくなるらしい。だとしても、最初で成功しているんだから打ち切りでいいんじゃないの?
ひろ 『ナルコス』はドキュメンタリータッチなのと、シーズンごとに別の話になっているんですよ。だけど、例えば自分が夢中になって見ていた作品が、一向に終わらないままダラダラと続いていて、急に最終回になったらいやじゃないすか。
ホリ 好きな作品が完結しないで終わるのは悲しいけど、それでもビジネス的に回らなかったらしょうがなくない?
ひろ ネットフリックスの良さって、まだ世の中に知られていない面白い作品を見ることができて、しかもネットフリックスきっかけで注目されて世界でも評価されるようになることだと思うんですよね。日本の超低予算の番組がじわじわヨーロッパではやったりとか。
ネットフリックスにはそんな良さがあったのに、これからやろうとしていることは、すでにヒット作をいくつも出している有名なクリエイターにお金を払うってことですよね。んで、このやり方だと、面白いかどうかは二の次になってしまうじゃないですか。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが考える、ネットフリックスが制作するオリジナルアニメは成功するのか?
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『120歳まで生きたいので、最先端医療を取材してみた』(祥伝社新書)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『1%の努力』(ダイヤモンド社)