"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回は、事務所を離れた芸能人のユーチューブでの活躍について。前編では、ひろゆき氏が「最近は新型コロナの影響で地方のイベントやライブが減っているため、事務所からの仕事が少なくなって稼げないので、オリラジのふたりにならって事務所を辞める芸能人が増えそう」と語ると、堀江氏は芸能事務所の必要性について、「わかりやすいところでは、テレビに出やすいってことだろうけど......」と答えた。

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ホリ でも、そのテレビ出演のメリットがなくなると、芸能事務所はキツイよね。今回のオリラジだって「別にテレビに出なくてもやっていける」って思ったから独立したわけでしょ。

だから、今後は事務所とのギャラの配分が変わると思う。少し前にアップルが提供しているアプリのプラットフォーム「App Store」の販売手数料が、条件付きで30%から15%に下がったけど、それくらいの割合になるんじゃないかな。

ひろ テレビ局や制作サイドからすれば、出演者が事務所に所属してようがしていまいが関係なく、番組の人気が出ればいいわけですからね。やっぱり事務所はどんどん弱くなりそうな......。

ホリ それにタレント側だって、テレビだけが稼げるメディアというわけじゃないからね。ユーチューブもあれば、DaiGo方式もできるし、「17(イチナナ)LIVE」とか稼げる配信サービスはたくさんある。

ひろ 音楽系もインディーズが当たり前に売れちゃってますしね。事務所が強かったのは平成までってことなんすかね。

ホリ ただ、最初に言ったように、お茶の間で人気の芸能人がユーチューブに参入したからといって、めちゃめちゃ稼げるほど甘くはないと思う。

ひろ ですよね。僕は1割ぐらいが成功、残りの9割が失敗しているという感覚です。全然伸びなかった芸能人のチャンネルとかけっこうありますから。「動画を5つくらいアップしたきりでそのまま」とかざらです。

結局、事務所の力でなんとなく有名になった人が、自分の力だけで他人を楽しませようとしても限界があるんですよね。

ホリ 視聴者だって暇じゃないからね。

ひろ 視聴者が動画を見る時間は限られていますし、芸能人のユーチューブ参入は今後も増えていくでしょうからね。

ホリ ただ、粘り強く続けていれば正解は見つかるものだよ。でも、実際はそこまで粘れない人が多い。それにユーチューブだけじゃなくても、まだまだエンタメ業界には稼ぐ方法はたくさんあるから。

ひろ ほうほう。例えばどんな?

ホリ 日本ってファンクラブもライブチケットも「みんな平等」が原則でしょ。だから、収益が高くなるVIPビジネスはあまりやっていない。まずは、そこがチャンスだよね。

あとはゴールデンボンバーみたいな形もおもしろい。彼らって楽器を弾いていないけど、ライブをすれば大人気なわけじゃん。「なんだ、バンドもエアーでいいんだ!」って気づいた人が一定数いるはずなのに、なんでまねしないんだろうと思うもん。だから、やりようはいくらでもあるんだよ。

ひろ 新しいことを粘り強くやっていないだけってことっすね。

ホリ そう。DaiGoだって、ここまでくるのに数年かかっているわけだし。粘り強く続けることが成功への第一歩だね。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』(三笠書房)

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