昨日の片桐仁さんに引き続き、漫画家の清野とおるさんが選ぶ、今年絶対に読みたい漫画5選を紹介!
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■『49歳、秘湯ひとり旅』松本英子(朝日新聞出版)
年末年始は、原稿の締め切りがあったりして、なんのかんので毎年旅行に行けない。一度で良いから温泉に行って、ゆったりたっぷりのんびりと正月を過ごしてみたい。
でもやっぱり当分は無理そう。
そこでこの漫画を家の風呂でのんびりたっぷりゆったり読むことで、擬似温泉気分に浸ろうと思います。
市販の「湯の花」なんぞ投入したりしてね。
松本英子先生の漫画が醸す旅情は別格なので、確実に「旅気分」に浸れると思います。
■『ガンニバル』二宮正明(日本文芸社)
久しぶりにハマった長編漫画です。
人喰い文化(カニバリズム)が噂される、ある限界集落のどろどろした戦慄サスペンス。これがなかなかグロく、エグく......。
晴れやかな気分になりたい正月から読むものじゃないかもしれないけど、これもある種の「正月旅行」ということで、怖いもの見たさで読めばいいと思います。
きっとあなたが今暮らしている自分の環境が愛おしく思えてきますよ。
■『男おいどん』松本零士(講談社)
1970年代に発表された四畳半を舞台にした青春群像劇。
僕が生まれる前に世に出た作品ですが、ヒット作や歴史的名作を数多く生み出した松本零士先生の中でも、一番好きな作品です。古き良き昭和のペーソス溢れる本作は、うら寂しい正月の雰囲気に絶妙にマッチします。年始と言わず何度でも読み返したくなる名作だと思います。
■『二匹目の金魚』panpanya(白泉社)
2018年に発表された19篇からなる短編集。
この作者(panpanya)さん唯一無二の独特の世界観が大好き。本をひらけば何も考えずに不思議な世界に迷い込めて、次第に「脳がとろける」ように気持ち良くなってくる。
新年はこれを読んで、「おとそ気分」に拍車をかけようと思います。読め読むほど、心身ともに酩酊すること請け合いです。
■『殺し屋1』山本英夫(小学館)
いじめられっ子だった過去を持つ殺し屋を主人公にした不朽の名作。同じ漫画を読み返すことはあまりないけど、これは毎年読んでしまう作品のひとつ。
そして、何度読んでも色褪せない、「圧倒的」で「変態的」な面白さ。
「2022年が良いイチ年になりますように」と願掛けしつつ、「漫画初め」をします。