昨年、史上最高視聴者数を更新した『イカゲーム』をはじめ、Netflixでは毎日のように最新作のオリジナル作品が配信中だ! もちろんみんなが見ているコンテンツもいいけど、"マイナーネトフリ作品"にも見ておくべきものがある!
そこで全4回にわたり、「私のイチオシ"マイナーネトフリ作品"」を紹介。第1回目の映画コメンテーター・LiLiCoさん、第2回目の漫才師・オール巨人師匠、第3回目のタレント・大島麻衣(おおしま・まい)さんに続き、第4回目は芸人・ジャガモンドの斉藤正伸(さいとう・まさのぶ)さん!
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■マイナー作品は"裏路地の名店"
一般的な映画とネトフリオリジナルの大きな違いは観客動員への意識でしょう。多くの劇場公開映画が、観客に満足してもらうために作られるなか、Netflixにはそもそも動員数なんてないので、監督や脚本家が本当に作りたいものを作ってる気がして、製作陣のアート性を強く感じます。
もちろん『イカゲーム』のように老若男女が楽しめる作品もある。そういう意味ではNetflixって大きな商店街みたいなんですよ。子供からお年寄りまで誰もがおいしく食べられるレストランのような作品もあれば、ちょっと入った裏路地で一部の人に愛される名店のような作品もある。
『ELI/イーライ』との出会いもそんな感じでした。誰に薦められたでもなく、ポスターを見てなんとなく再生しました。ホラー映画なんですけど、先に言っておくと、絶対にオチが読めないです。これまで何人もの友人に見せてきましたけど、後半の展開を言い当てられた人はひとりもいません。
イーライは主人公の少年の名前。生まれつき体が弱く、無菌環境にいないと肌がただれてしまうため、普段は防護服を着てて。家族はとある施設に連れていくんですが、そこには"何か"がいて......、っていう。100分ほどで見終わるので、味見してみてほしい。この味つけが苦手な人もいれば、クセになる人もいるんじゃないでしょうか。
もう一作品挙げるとすれば、これもホラー映画なんですけど、『フィアー・ストリート』シリーズ。全3部作で、『Part1:1994』、『Part2:1978』、『Part3:1666』と、シリーズが進むにつれて時代がさかのぼっていくんです。作品を見ればその謎は解けるので、ネタバレは控えますが、面白いのはそれぞれの年代でホラーの表現も変わること。
1作目は90年代の『スクリーム』的なオーソドックスなホラー、2作目は『13日の金曜日』のスプラッター的な要素も増える。3作目は一気に17世紀になって、魔女狩りや魔術が恐怖の対象として出てきます。
ホラーは"時代を映す鏡"ともいわれていて、コワいものって時代時代で変化してるんですよ。とはいえ、恐怖の根本的な心理は同じ。最終的には主人公たちもその真相に行きつく。まさにホラーの映画だなあと思います。
今って口コミや評判で映画を見るか決める人が多いと思うんです。でも、いろんな作品を見て、本当に自分が面白いと感じるものを探す楽しさもある。
かつての映画館ってそうだったっていうじゃないですか。ポスターに怪獣が描かれているから怪獣映画だと思って見たら全然怪獣が出てこない、とか。でも、その映画にハマる可能性もある。そんな未知との遭遇がNetflixの裏路地にはあると思っています。