オール巨人 1951年生まれ、大阪府出身。75年4月にオール阪神・巨人を結成。コンビで令和元年春の紫綬褒章を受章。しゃべくり漫才で上方のお笑い界を牽引してきた オール巨人 1951年生まれ、大阪府出身。75年4月にオール阪神・巨人を結成。コンビで令和元年春の紫綬褒章を受章。しゃべくり漫才で上方のお笑い界を牽引してきた

昨年、史上最高視聴者数を更新した『イカゲーム』をはじめ、Netflixでは毎日のように最新作のオリジナル作品が配信中だ! もちろんみんなが見ているコンテンツもいいけど、"マイナーネトフリ作品"にも見ておくべきものがある!

そこで全4回にわたり、「私のイチオシ"マイナーネトフリ作品"」を紹介。第1回目の映画コメンテーター・LiLiCoさんに続き、第2回目は漫才師・オール巨人師匠!

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■見続けちゃうサスペンスホラー

最近、韓国ドラマにハマってましてね。見だしたら一日、3本とか4本ぐらいは平気で見てしまいます。基本的には、柄にもなく泣ける恋愛ものが好きですね。『梨泰院』とか。ただ、ウエットな物語に飽きると、たまにミステリー系とかホラー系にも手を出すことがあります。

そんななかで最近面白かったのは『地獄が呼んでいる』かな。タイトルからして"ザ・ホラー"ですよね。誰かが「面白い」と言っていたので、試しに第1話を見てみたんですけど......止まらなくなってしまいました。ちなみにこちらは全6話です。

『地獄が呼んでいる』 神の意思に基づいて怪物が人を地獄送りにする。次々と起こる超自然現象は大混乱を巻き起こし、その影響で宗教団体・新真理会が勢いを増す。気になって見続けてしまう韓国発ホラーサスペンスドラマ 『地獄が呼んでいる』 神の意思に基づいて怪物が人を地獄送りにする。次々と起こる超自然現象は大混乱を巻き起こし、その影響で宗教団体・新真理会が勢いを増す。気になって見続けてしまう韓国発ホラーサスペンスドラマ

地獄行きを宣告された人物は、指定された時刻に現れる、この世のものではない存在によって残酷に焼き殺される 地獄行きを宣告された人物は、指定された時刻に現れる、この世のものではない存在によって残酷に焼き殺される

ある日、悪いことをしたヤツが、地獄の使者から「おまえは○月○日に死ぬ」という予告を受けるんです。すると、その日、3匹の怪物がその人の元に現れて惨殺される。そんな事件が各地で頻発するんです。

こうやって文字で説明するだけだと荒唐無稽な物語だと思うでしょう? でもね、3匹の怪物はゴリラみたいなすんごい造形をしてるんですけど、そのCGがようできてるんですよ。あんな生き物いるわけないのはわかってるのに、なんかハマっていくんです。それもこれも映像のクオリティが高いからなんだと思います。

作中では、この不可解な惨殺事件を利用しようとする者が現れます。それが新興宗教の団体「新真理会」です。彼らは、この事件を「神の裁き」だと主張します。つまり、殺人事件ではない、と。

結果、捜査を進める警察組織と対立していくことになる。新真理会は国民に「神から予告を受けないためには、正義感を持っていきなさい」と説きます。そうやって信者を増やしていくわけです。

基本的に、殺害予告を受けるのは罪を犯した人なんですが、あるとき、ふたりの子を持つ母親が予告を受けるんです。でも、彼女は犯罪者ではないんです。なぜ、地獄からの使者を招いてしまったかがわからない。すると、新真理会が「大金を支払う代わりに、その様子を生放送させてほしい」と申し出る。

母親は、子供にお金を残したいがために、その申し出を受けるんです。その番組がとんでもない視聴率を記録します。それによって恐怖にかられた人民は、ますます新真理会に傾倒していく。人間が豹変(ひょうへん)していく恐怖を描いた作品でもあるんです。しかし、こんなストーリーよう考えるわ。

ただ、このドラマ、殺し方がけっこうむごたらしいんです。日本の作品だと、武士の情けじゃないけど、せめてひと思いに殺してやろうみたいな考え方があるじゃないですか。でも韓国作品だからか、この作品はこれでもかってくらい痛めつけるんよな。正直、子供にはちょっと見せたくないです(笑)。

でもそこも韓国作品の妙味なんかな。怖いもの見たさで見たくなる。そんな人間の潜在的な欲求を満たしているのかもしれません。まあ、僕もそう言いながらも見ているわけですから。