『週刊プレイボーイ』に登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ、『初グラビア物語~My First Gravure Story~』。
今回は登録者数46万人(2023年2月現在)を誇る人気YouTuber・いけちゃんの前編。いけちゃんは2019年9月、YouTubeチャンネル『ぼっち女子大生 いけちゃん』(現『いけちゃん/ikechan』)をスタート。日常を収めた動画は評判を呼び、約1年でチャンネル登録者数20万人を突破するなど話題に。
『週刊プレイボーイ』2022年6号に初の水着グラビアを披露。その愛らしい表情と抜群のスタイルが注目を集め、同時リリースされたデジタル写真集も大ヒット。2022年12月には「グラジャパ!アワード2022」で話題賞を受賞した。
今回は、そんないけちゃんにインタビュー。YouTubeをはじめたきっかけから『週刊プレイボーイ』の初グラビアに至るまでのエピソードを聞きました。
――いけちゃんは以前、YouTubeで「ぼっち女子大生」を名乗っていましたけど、それ以前、それこそ幼い頃はどんな子供だったんですか?
いけちゃん めっちゃ陰キャでした。小学校の頃は目立たないよう、教室の隅で絵を描いていて、中学・高校時代は保健室登校しながらひっそり生きる、みたいな。まったく周りに馴染めなかったです。
――友達は?
いけちゃん 全然少なかったです。一日、誰とも口を聞かないなんてざらで。ただ意外かもしれないけど、いじめられたことはないんです。一人でいたかっただけなんですよね。
――学校から帰宅後は何を?
いけちゃん 絵を描いたり、アニメを見たり。でも大体は自分の世界に引きこもってボーッとするか、ひたすら寝てました。
――う~ん。そういう生活だと周りが心配しません?
いけちゃん 親からも学校の先生からも心配されましたね。で、病院の精神科に連れていかれて。そうしたら鬱病とアスペルガー症候群だと診断されました。
――アスペルガーって、コミュニケーションがうまくとれないという......。
いけちゃん そう。でも自分は驚くより、「本当のコミュ障だったんだな、これからも人と関わっていくのは無理だな」と思いました。
――当時はどんな将来像を思い描いたんですか?
いけちゃん 研究室にこもり一生、社会との関わりを断って生きていこうと。特に昔から建物を見るのが好きだったので、建築関係の研究者になろうと思いました。でも一浪の末、希望していない大学に進学したので研究者は無理かなって、すごく落ち込みましたけど。
――秋田のご出身ですよね。大学から東京で生活を?
いけちゃん そうです。家を出て一人きりの生活をしたくて。そこから"ぼっち大学生"です。で、バイトしなきゃってことで、大学1年の夏にカフェで働くんですけどびっくりするほど向いてなくて。
――向いてない? どの辺が?
いけちゃん 私、マルチタスクが苦手で。コーヒーを運んだ後、別テーブルでオーダーを取って、さらに別テーブルの空いたグラスを持ってキッチンへ......みたいなことができない。ひとつひとつの仕事じゃないとダメなんです。ケーキを切ろうとしてる時、電話がかかってきたりしたらもう大変。ケーキを放置して乾燥させちゃう(笑)。
1年間頑張りましたが、自分はこんなにも仕事ができないんだって落ち込んじゃって。その後、塾講師とか他の仕事をやったけどやはりダメ。それでたどり着いたのがライブ配信です。もうそれしか思いつかない。とにかくやってみるかって。
――やってみてどうでした?
いけちゃん いつでもできるし、定期的に来てくれる人もいる。配信する度に投げ銭をいただくんですけど、それまでもらってたバイト代の数倍をいただけて。これなら私でもやっていけそうだと思いました。「いけちゃん」を名乗るようになったのもその頃。
――フォロワーはすぐに増えたんですか。
いけちゃん SNSを含め、最初はそれほどでもなかったです。でもTikTokで炎上してから増えましたね。
――炎上?
いけちゃん ライブ配信のリスナー(視聴者)の方がTikTokやってほしいって言うから始めたんですけど、その時大学の関係でインターンに行ってて。休憩時間に投稿したら「仕事中に投稿するな」って炎上しちゃって(笑)。アンチも増えましたがフォロワーも一気に増えました(笑)。1~2万くらいはいったかな。
――2019年9月にYouTubeをスタート。タイトルは『ぼっち女子大生 いけちゃんの日常』。
いけちゃん それもリスナーさんがYouTubeを見たいというから始めました。歌やダンスは無理だし、メイクなどのおしゃれな話もできない。でも、上京して建物を眺めたり、飲食店に行くのが好きだったので、その日常を配信するVlogにしようって。携帯で編集して、テロップや効果音をつけて、コツコツやっていました。
――ずっと人とコミュニケーションをとるのが苦手だったわけじゃないですか。リスナーさんとのやりとりは問題なかった?
いけちゃん 大丈夫でした。ライブ配信って顔を合わせず、コメントと喋ってるだけですからね。それが自分には向いていたんです。
――とはいえ時には心無いコメントだってあるでしょう?
いけちゃん 言うてもコメントだし、カフェのバイトの時のほうが辛かったですからね。店長、バイトの同僚、お客さんから毎日怒られ、キツいことも言われて、相当心を病んだし。それに比べたら何もって感じです。
――ここまで活動をして転機は?
いけちゃん 2020年3月くらいに、ライブ配信の事務所の方に動画編集を教えてもらったんです。そこから作るのが面白くなり、どんどん配信しようと思ったところ、ちょうどコロナで緊急事態宣言が出て(2020年4月)。世の中が一斉に「在宅」に。ここぞとばかりに動画を投稿し続けたら、あっという間にYouTubeの登録者が20万人を突破したんです。
――おーっ。タイミングがよかったと!
いけちゃん その頃ですね。今まで学校生活はダメ、受験もダメ、バイトもダメと向いてないことだらけだったんですけど、ライブ配信は順調だし、TikTokもいいし、YouTubeもうまくいく。やっと向いているものを見つけたなって。この先、自分はSNSの世界で生きていこうと決めました。
――否定ではなく、自分を肯定できる場を見つけることができたんですね。さて、いけちゃんは『週刊プレイボーイ』2022年6号に登場し、初グラビアを披露しました。これはどういう経緯で?
いけちゃん 2021年3月に大学を卒業したんですけど、それまでのように「女子大生の日常」ってコンセプトでは動画を作れなくなった。
それで危機感を覚えて、YouTube以外にも何か別のことをやれないか考えているときに週プレの編集さんから連絡がきたんです。で、集英社に行ったら、なりすましの詐欺じゃなく本物で(笑)。グラビアは考えたことなかったけど、やってみるかと。
――割とあっさり、決めたんですね(笑)。
いけちゃん 私、大学時代、サロンモデルをやってた時期があるんです。散歩してたら美容室に誘われて。一眼でキレイに撮ってもらったのはその時が初めてでした。それをインスタに投稿したら、別の美容室からも声がかかって。撮られることには抵抗がなかったんです。
それに、陰キャだけどじつはモデルにも憧れていて。田舎にいた頃から『セブンティーン』や『ニコラ』などを読むのが好きだったんですよね。だから週プレさんに声をかけられて、「え? 私が雑誌に載れるの?」って思ったんです。
――でも水着ですよ!? 不安はなかったんですか?
いけちゃん 特には。一度、自費で写真集(2021年9月『いけちゃん1st写真集』)を作っていて、その中に水着も1カットあったし、まぁなんとかなるだろうと。
――そうだったんですね。この初グラビア『ありふれない』(アザーカットを収録した同タイトルのデジタル写真集が配信中)は郊外へ出かけ旅館で温泉に浸かったり、旅館でひとりゲームをしたりというVlog風の内容でした。
いけちゃん いきなり"ザ・グラビア"って感じだとリスナーのみんながビックリしちゃうじゃないですか。だから私のYouTubeに寄せたものにできればと思って。
――撮影はスムーズに進みました?
いけちゃん ん~、ちょっと意外というか。
――意外? 何が?
いけちゃん じつはグラビアって、密室で男たちに囲まれ、いきなり脱がされて撮影するものだと思っていたんです。ちょっと怪しいイメージ。でも青空の下だし、スタイリスト、ヘアメイクは女性だし、テーブルにはお菓子や果物、飲み物がどっさりあって、みんな笑顔で雰囲気が明るい。
「え? 思ったのと違うぞ」って(笑)。あと撮影の合間も「寒くない?」って声をかけて温かいガウンを着せてくれたり、皆さん優しく気遣ってくれるんです。撮影が進むにつれ、どんどん嬉しく、楽しい気分になっていきました。
☆後編⇒いけちゃん、初水着グラビアを語る。「もしかして私、グラビアに適正あるかも!?」
■いけちゃん(Ikechan)
1997年9月20日生まれ 秋田県出身
○2019年9月からYouTubeを始め、あざとい動画でみるみる話題に。今年1月に週プレでグラビアデビューを果たし、同日に発売したデジタル写真集は1万DLに迫る大ヒット。4月21日に待望のファースト写真集が発売予定。
公式Twitter【@ikechan0920】
公式Instagram【@ikechan0920】
公式YouTube『いけちゃん / ikechan』
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