山戸穂乃葉
沢口靖子から長澤まさみ、上白石萌歌など、歴代にわたり名女優を輩出してきた『東宝シンデレラ』オーディション。昨年11月に6年ぶりに開催された第9回では、グランプリや審査員特別賞、そしてミュージカル賞と、歴代最多の3名が受賞した。

週プレNEWSでは、これまで登場してきたグランプリ・白山乃愛(10歳)、審査員特別賞・西川愛莉(13歳)に続き、ミュージカル賞に輝いた山戸穂乃葉(ほのは・15歳)にインタビュー。『東宝シンデレラ』オーディションに初めて誕生したこの賞を獲得したのはどんな少女なのか? 彼女自身のこれまでと今の目標を聞いた。

――ミュージカル賞おめでとうございます。まずは受賞したときの気持ちから聞かせてください。

山戸 当日は頭が真っ白で、まったく何も考えられない状態でした。名前を呼んでいただいても「あれ......私、名前呼ばれた? 何の賞で?」って、何も理解できなかったくらい実感がなかったです。

――受賞自体にも驚いたし、しかも「ミュージカル賞とは?」と。

山戸 そうですね。受賞からしばらく経ってやっと「ミュージカル賞......?」って。ミュージカル自体、それまで見たこともなかったですし、何も知らなかったので。「本当に私でいいのかな」って、少し不安になりました(笑)。でも賞をいただいてから、初めてミュージカルを観ました。それまではミュージカルって歌うだけだと思ってたんですけど、「ちゃんと物語があるんだ。面白いな」って、そこでひとつ安心しました(笑)。

山戸穂乃葉

――もともとダンスや歌の経験はあるんですよね。

山戸 はい。小学5年生の途中から4年半くらい、ダンススクールでダンスと歌を習ってました。E-GIRLSさんに憧れてお母さんに「ダンスをやりたい」って言ったら、「身体を柔らかくしたらいいよ」って言われて。毎日お風呂上がりにストレッチを頑張って、許可をもらって始めました。

――「身体を柔らかく」って、具体的な条件ですね(笑)。

山戸 お母さんもダンスをやってたので、「それもできないならできない」ってことだったんだと思います(笑)。で、お母さんが行ってたスタジオでレッスンを受け始めて......ヒップホップダンスとかジャズダンスとか、いろいろやってました。一番好きなのは、ロックダンスをより女性っぽくしたソウルダンスで。自分の体格的にも一番キレイに見せられるし、自信を持ってできるのがソウルダンスです。

――ダンスに取り組んでいた山戸さんが、どうして『東宝シンデレラ』という女優オーディションに挑んだんですか?

山戸 小さい頃からよく、周りの人からこういうオーディションを「受けたほうがいいよ」って勧められてたんです。ドラマを見るのは昔から好きでしたし、芸能界にも憧れてたので、そう言われるのは嬉しかったんですけど。「私がこの世界に入るなんて、リアルじゃない」、「ありえないよ」って思ってました。

でも、今回のオーディションが始まるタイミングで、学校の友達、ダンススタジオの先生、お母さん、親戚のそれぞれ4人から「『東宝シンデレラ』オーディションがあるよ」って、別々に続けて言われて。

山戸穂乃葉

――4方向から勧められた、と。

山戸 最初に言われたのは友達からだったんですけど、「そんなん受かるわけないやん」って軽く返したのを覚えてます(笑)。でも、だんだんと言われていくうちに、ドラマを観ながら「自分がここにいたら......どんな感じなんだろう」って想像するようになって。「一回挑戦してみないと何も始まらないな」って、決心して受けました。

背中を押してもらえたのは嬉しかったですし、ダンスの先生は、オーディション中も一緒に「こうしたほうが自然じゃない?」「ここはきっともうちょっと声を張りたくなるよね」って、演技の練習をしてくれて。本当にありがたかったです。

――周りの人から突き動かされて、また、周りの人も一緒に努力してくれて。素敵なエピソードです。ちなみに、山戸さんは自分をどんな人間だと思いますか?

山戸 大人の方には人見知りするところもあるんですけど、学校では自分からたくさん話しかけるので、一緒のクラスになったら絶対にみんなと仲良くなれる人間だと思います(笑)。

山戸穂乃葉

――受賞理由のひとつに「審査の際のチームをまとめる心配り」というのもあったそうですね。

山戸 オーディションでは合宿があって、そこで何組かに分かれて審査を受けたんです。そのグループで自分が一番年上だったので、「私がまとめなきゃ!」と思って頑張りました。

――「歌とダンス」という日々やってきたこと、そして人柄が認められたのはうれしいですよね。

山戸 はい。クラスでも、たとえば体育祭とかで何かを決めないといけないとき、自分がどんどん意見を出して、その場を盛り上げたりするのが得意なので。そういうところも感じ取っていただけて嬉しかったですし、ありがたかったです。

山戸穂乃葉

――ちなみに、自分の性格を一言であらわすなら?

山戸 無邪気......?

――あまり自分で言う表現ではない気もしますが(笑)、無邪気エピソードを聞かせてください。

山戸 なんだろう。学校の登下校で、帰り道だけ雨の日ってあるじゃないですか。そういう日に、傘を持ってても差さずに「わ~!」って、友達と濡れながら帰るのが好きです(笑)。

――小学生男子みたいな「好き」が!

山戸 服は家に着いたら着替えればいいし、どうにかなるので(笑)。雨に濡れながら友達と駆け足で帰るって、なんだか青春っぽいじゃないですか。それが楽しいんです。

――そう聞くと確かにキラキラした光景です(笑)。では最後に、これからの目標を聞かせてください。

山戸 ミュージカル賞をいただいたので、まずはミュージカルで演技や歌をしっかり頑張りたいです。いつかは上白石萌音さんみたいな、歌やモデル、映像での演技にミュージカルの演技......って、「いろんなことができる山戸穂乃葉」と知ってもらえたらいいなと思います。

山戸穂乃葉

●山戸穂乃葉(やまと・ほのは)
2008年1月21日生まれ 大阪府出身 身長157cm
◯2022年『東宝シンデレラ』オーディションで初のミュージカル賞に輝く。特技はダンス。
東宝シンデレラ公式Twitter【@TCNA2022】
東宝シンデレラ公式Instagram【@tcnf.2022】