杉本有美さんに週プレで掲載された数々のグラビアにまつわるエピソードを聞いた杉本有美さんに週プレで掲載された数々のグラビアにまつわるエピソードを聞いた

『週刊プレイボーイ』に登場するタレント、女優、アイドルなど、各分野で活躍する女性たち。彼女たちの記念すべき「初グラビア」にフォーカスし、撮影にまつわるエピソードや当時の想いを綴る連載シリーズ、『初グラビア物語~My First Gravure Story~』

今回はファッション、グラビア両方の分野で活躍した、レジェンド・杉本有美さんの後編。

杉本さんは、『週刊ヤングサンデー』2006年29号(6月11日発売)では単独ソログラビアを撮り下ろし、グラビアデビュー。現役モデルによる本格的な水着グラビアは読者に衝撃を与え、大反響を呼びました。

『週刊プレイボーイ』には2007年26号(6月18日発売)に初登場。以降、2010年代半ばまで数々の雑誌で表紙を飾り、グラビア界で大活躍。また女優としても、『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008~2009年)ほか数多くのドラマ、映画に出演。現在も舞台などを中心に活動しています。

今回はファースト写真集『うち』や週プレで掲載された数々のグラビアにまつわるエピソードから2016年のグラビア引退について、また現在のグラビアへの想いまでを聞きました。
(前編⇒杉本有美が語る初グラビアの記憶「体育座りしたり床に手をついたり......ポーズがすごく恥ずかしくて(笑)」

 杉本有美『週刊プレイボーイ』2007年46号(撮影/中山雅文)より 杉本有美『週刊プレイボーイ』2007年46号(撮影/中山雅文)より

――『週刊プレイボーイ』2007年26号に掲載された、初登場グラビアは大きな反響を呼びました。その後、週プレには継続的に登場し、わずか3ヶ月後の2007年46号(10月29日発売)では表紙に抜擢。また半年間でなんと7回も登場を果たします。

さらに初出演となるドラマ『BOYSエステ』ではいきなりヒロイン役を演じるなど、女優業もスタート。2007年6月には週プレからファースト写真集『うち』(撮影/中山雅文)を発売するなど大活躍です。当時、印象に残った撮影は?

杉本 初めて週プレさんの表紙になった「神様のレシピ。」です(アザーカットが「姫の笑顔は天下無敵」のタイトルで+Specialで公開中)。初めて石垣島へ行って撮影したんですけど、ロケーションから食事まですべてが素晴らしくて。ずっと「嬉しい! 楽しい! 美味しい!」を連発していました(笑)。

――青い空や美しいビーチをバックに肢体が躍動しているというか。写真全体からキラキラしたオーラを感じますね。

杉本 ありがとうございます。ちなみにこの撮影から3年後、同じスタッフで再度石垣島へ出かけて、成長した姿を撮ってもらったんです。

――「大人になったよね、私。」(『週刊プレイボーイ』2010年30号/7月12日発売 アザーカットが+Specialで閲覧可)ですね。

杉本有美『週刊プレイボーイ』2010年30号(撮影/中山雅文)より杉本有美『週刊プレイボーイ』2010年30号(撮影/中山雅文)より

杉本 そう、それ! その時は露出度も上がり、タイトル通り、しっとり大人っぽいグラビアになりました。それも印象的で気に入っています。是非、対で見てもらえると嬉しいですね。

――ファースト写真集『うち』で印象に残っていることは?

杉本 ニュージーランドロケだったんですけど、直前に特撮ドラマ『炎神戦隊ゴーオンジャー』の出演が決まったんです。収録に入ってからでは時間が取れないってことで、慌ただしい中で撮った記憶がありますね。その時は2週間滞在して前半を『うち』、後半を別の撮影にあてて。『うち』の撮影では2度ほど泣いたのが印象的ですね。

――泣いた? 2度も?

杉本 はい。温泉成分のある泥を塗る「泥温泉」で撮影したんですけど、肌が弱いせいか撮影後に全身がヒリヒリしちゃって。で、シャワーを浴びたら、全身が真っ赤! びっくりして泣きしました。今思うと子供みたいですよね(笑)。

2度目はカメラマンさんから「感傷的なシーンを撮りたいんだけど泣ける?」と聞かれて。負けず嫌いが出て、ここはしっかり見せないとなって思って頑張りました。

杉本有美ファースト写真集『うち』(撮影/中山雅文)より杉本有美ファースト写真集『うち』(撮影/中山雅文)より

――そのファースト写真集『うち』は大ヒット。以降は『ゴーオンジャー』もあり、人気が過熱していきました。

杉本 はい。グラビアとドラマのオファーが増え、他にも映画や舞台といろいろやらせていただきました。でも自分の中では、環境の変化に気持ちが追いついてなかったです。

それこそ『うち』の時もそうで、発売イベントでは書店に1000人くらいの方が来ていただいたんですけど、どれだけすごいのか全然理解できなくて。終わった後にどっと疲れがきて。感謝の気持ちはあったんですけど、自分のことでもないような不思議な気持ちでした。

――グラビアに出るタレントさんの大半はちょっとずつ人気を得て、ようやく写真集を出すわけですからね。売れ方が急すぎて実感が湧かないのかもしれませんね。

杉本 あと忙しくなっていくにつれ、何のために頑張っているのかもわからなくなってきました。昔はいじめにあった経験から、見返してやるぞという思いでモデルを頑張った時期がありましたが、そういうのももうなかったし。

自分にとってのゴールがどこなのかわからない。周りに流されてやってる感じがしたんです。高校卒業後に上京して、ひとり暮らしをしてたんですけど、家族がそばにいなくて、相談できる相手がいなかったのもあったのかもしれないです。

杉本有美

――2010年頃になると、グラビアのイメージが定着して、女優業にも影響を及ぼしてきたそうですね。

杉本 はい。いろいろドラマに出演させていただいたんですけど、露出のある役を求められることが多々あって戸惑いました。かといって下積みがないから、それをできないと言えるほどの自信もないし、ずっと葛藤がありました。

グラビアのイメージが定着したといえば、それで『JJ』などモデルのお仕事も減っていきましたね。直接は言われていないけど、グラビアをやっているのがよく思われなかったみたい。

――2015年頃にはモデルとグラビア両方をやる「モグラブーム」がありましたけど、杉本さんはちょっと早かったですよね。

杉本 そう思います。今でこそモデルさんがグラビアをやるのは当たり前になっていますけど、当時はダメでしたから。モグラブームは本当に羨ましかったです。あと数年、早くきてくれていたらなって(笑)。

ドラマもモデルもそうですけど、グラビアを頑張ってきたから、たくさんのお仕事をいただけたと思うんです。でもそれが逆に足枷になるのは悔しかったですね。

――2016年に写真集『It's me』を発売し、女優に専念します。いつからグラビア引退を考えるようになったんですか?

杉本 2010年代に入ってから少しづつです。AKB48さんがすごく人気で、週プレさんほかグラビア誌の表紙や誌面を席巻するようになったじゃないですか。と同時に自分が表紙を飾る機会は激減していって。時代の変化を感じたんですよね。「あ、これから先、自分はもう表紙をやれないんだな」って。

また写真集のお渡し会などをやっても来てくださるファンの方の数が減ってきているのもわかりました。周りや世間から限界じゃない?と言われる前に一回グラビアからは身を引こうと。

――2016年にした結婚(2019年離婚)がグラビア引退の理由と言われましたよね。

杉本 もちろん理由のひとつだったけど、今思うと結局、逃げたのかもしれません。グラビアの仕事が減り、一方で女優に専念すると言ってもお芝居に対して自信もなかったんです。だから何かを変えたいなって。

――この頃の週プレのグラビアで印象に残っているのは?

杉本 「杉本有美、第二章。」(2011年31号/7月18日発売)ですね。髪を切る様子を撮ってもらい、小学生以来のショートカットにしました。これは自分からマネージャーに直訴して、実現したグラビアなんです。とにかく新しい自分になりたかったんです。何か思い切ったことをしないではいられなかったんですよ。

杉本有美『週刊プレイボーイ』2011年31号(撮影/中山雅文)より杉本有美『週刊プレイボーイ』2011年31号(撮影/中山雅文)より
――それくらい思い詰めていたというか......。今年3月には6年ぶりの写真集『蝶光』(ワニブックス)を発売しました。水着やランジェリー姿がふんだんに収められた作品ですが、なぜ再びグラビアを撮ってみようと?

杉本 私のお芝居を見たカメラマンさんに「今なら、昔とは違うものが撮れる」と声をかけてもらったのと、私自身もこつこつお芝居をやり続けて、ちょっとだけ自分に自信がついてきたのが大きいですね。

あとグラビアを辞めて、改めて自分は写真が好きなんだなってわかったのもあります。瞬間瞬間の自分を切り取って「この表情は何を考えてるんだろう」「このポーズは何をしているところなんだろう」って読者に想像してもらう。

カメラマンさんとも撮影しながら「こう見せよう」「こう見てもらおう」ってやりとりがある。どちらにも対話があるんです。それがすごく楽しいんですよね。

――前に「グラビアは自分を出せるから楽しい」と言っていましたけど、自分を出すだけでなく、それをどう受け止めてもらえるかまで楽しめるようになったと。

杉本 そうですね。考えてみればもともとグラビアは自分からやりたいと言ったわけではなく、周囲に勧められて始めて、そのままやり続けてきたんです。もちろん途中から自分で表現する楽しさがわかってきましたけど、どこか前のめりではなかった気がします。でもいまは自分が心から楽しんでできる気がするんですよね。

――最後にこれは皆さんに聞いていますが、杉本さんは初グラビアを見返したりしますか?

杉本 初グラビアに限らず、私の過去のグラビアってネットにあがってるじゃないですか。それは時々、見ます。30歳になるまでは全然見られなかったんです。

自分のことが好きじゃなかったんでしょうね。もちろんたくさん失敗してきたし、そのすべてを乗り越えたわけじゃないないけど、それが自分かな思えるようになりました。

そして改めて過去のグラビアを見て、こんなにたくさんの撮影をしたんだ、それだけ多くの方と出会い、一緒にものを作り上げてきたんだなって。そしてそれが自分の宝物だと思えるようになりました。いつもターニングポイントにはグラビアがありました。グラビアは私の人生ですね。

杉本有美

■杉本有美(SUGIMOTO YUMI)
1989年4月1日生まれ 大阪府出身 
身長168cm B84 W58 H85
オフィシャルTwitter【@Sgmt_Yumi】
オフィシャルInstagram【@sugimotoyumi_official】

<出演情報>
●大森カンパニープロデュースvol,43.44 大森博生誕60年&芝居道35年記念公演 第1弾・更地祭~更地連続上演~「更地18」

2023年6月16日(金)~25日(日) 下北沢ザ・スズナリ
出演:田中真弓、山口良一、竹内都子、天宮良、大森ヒロシ、佐久間哲、三宅祐輔、杉本有美、依里、黒田篤臣
【https://www.omoricompany.com/】
専用チケット予約
【https://ticket.corich.jp/apply/252546/008/】

●Photo Exhibition Kazuhiro Sekine
2023.6/14(水)~6/18(日) 渋谷・ギャラリー・ルデコ
過去に撮影した杉本さんの写真が数点展示されます。
【www.anthology-st.com】

杉本有美『姫の笑顔は天下無敵!』撮影/中山雅文 +Specialで閲覧可杉本有美『姫の笑顔は天下無敵!』撮影/中山雅文 +Specialで閲覧可

杉本有美ファースト写真集『うち』撮影/中山雅文 価格/1,990円(税込)杉本有美ファースト写真集『うち』撮影/中山雅文 価格/1,990円(税込)

杉本有美 『大人になったよね、私。』撮影/中山雅文 +Specialで閲覧可杉本有美 『大人になったよね、私。』撮影/中山雅文 +Specialで閲覧可

☆杉本有美のグラジャパ!プロフィール

『初グラビア物語~My First Gravure Story~』
【週プレ プラス!】+コラムと『週プレNEWS』にて毎週水曜配信
https://www.grajapa.shueisha.co.jp/plus
*『週プレ プラス!』(30日間、税込1500円/初回&クレジットカード決済限定 30日間無料)は『グラジャパ!』で加入できるグラビアに特化したサブスクリプションメニューです。