『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ 『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『HUNTER×HUNTER』について語った。

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★今週のひと言「改めて読み始めて驚愕した『HUNTER×HUNTER』」

いまさら、本当にいまさらなんだけど、冨樫義博先生の『HUNTER×HUNTER』を読み始めた。

まだ途中だけど、めっちゃ泣きましたね。ええ。

めっぽう面白いと、絶対読むべきだと、散々周りの信頼できる漫画読みからも長年言われ続けて、そんなもんこっちも百も承知で、読みますよと。

なんなら連載開始当初のハンター試験後のオークションの途中ぐらいまではリアルタイムで読んでいたんだけど、まぁ冨樫先生のお約束というか、連載が中断してしまうこともあったりで、いずれ完結してから一気に読もうぐらいに思っていた。

しかし、待てど暮らせど完結にはならず......。俺は今年40歳になったんだけど、このままでは俺自身の少年漫画を楽しんで読める期限が終わってしまうかもしれないと思い、ついにまた第1話から読み始めた。

小学校卒業と同時に早々と『週刊少年ジャンプ』を卒業してしまった俺にとって、ド真ん中の王道少年誌っていうジャンプのイメージは近年『チェンソーマン』によって撤回、更新されたのだが、それ以前にやっぱり『HUNTER×HUNTER』があったじゃん、と改めて反省した。

小難しくて理屈っぽくてグロテスクでひと筋縄でいかないんだけど、それでもゴンをはじめとするメインキャラクターたちの性格だったり、ストーリー展開には、純然たる少年漫画としての強度があるのだ。

これだけ緻密なキャラや世界観の設定、複雑な伏線回収を見せつけられると、しばしばの長期休載でストーリーをしっかり練ってっていう、あの連載ペースも納得できるというか、仕方ないよなと。

それでもなお、ありがとうございますと言いたくなる。

でも、それもある程度の長さのストーリーをストレスなくまとめて読んでいるからそう感じるだけで、連載をリアルタイムで毎週楽しみに読んでいたとしたら、こんな悠長なことは言ってられないのかもしれない。

今この原稿を書くためにとりあえず読むのを中断しているのだが、早く最新刊まで追いついて冨樫先生の休載や連載再開に皆と一喜一憂したり、挙句、恩を忘れていいかげんにしろよとか言えるようになりたい。

だって、どう考えてもこの数日間で一気にまとめて読んだ俺と、たびたび繰り返される休載にじっくりと耐えつつ、連載が再開されるたびに何度も何度も読み返して、複雑な設定をおさらいしながら何十年かけてこのストーリーを愛し、楽しんでいる人と比べたら、その間受ける感動には大きな差があって、俺はどうしてもそこにはかなわないだろう。

もう何十年も前になるが、オークションの途中で読むのを中断してしまったことをいまさらながら後悔している。

作画は抜きと描き込みのバランスが絶妙で、普段はしっかり描き込んだ漫画を好んで読む俺だけど、それはそれでいいんだと思わせる。

後発の、現在活躍する多くの漫画家はイヤでも『HUNTER×HUNTER』に大きな影響を受けていて、理詰め能力系の漫画とかはどうしても冨樫先生の影を踏んでしまっているんだろうな。

あ、でも、それ以前には『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズもあるか。改めて『少年ジャンプ』って奥が深いっすね......。

やはり、かなり初期で読むのをやめてしまっている『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズや『ONE PIECE』なんかも、いつか同じような後悔をするのかもしれない。

★『呂布カルマのフリースタイル人生論』は毎週木曜日更新!★