『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ 『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では「新年の抱負」について語った。

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★今週のひと言「『新年の抱負』がお題だけど、それになんの意味があるんだ」

2024年、新年一発目ということで、皆さまあけましておめでとうございます。こんなことを言うのもやぼですが、これを執筆しているのは昨年12月前半で、明日どうなるかもわからない日本語ラッパーとしては、「無事明けてくれたら、おめでたいよな~」が本音。

このコラム以外にも誌面にあふれるだろう、あまたの「あけましておめでとうございます」のほとんどは、皆さん年末のドタバタに追われて生きるか死ぬかの状態で絞り出した「無事明けてくれたら、おめでたいよな~」だと思うのです。

あけましておめでとうございます自体も、1月に入って人に会うたびに口にしていると、だんだん"ゲシュタルト崩壊"してきてほぼ意味のない「アケマシテオメデトウゴザイマス」っていう呪文みたいになってくるものですが、まだ僕のあけましておめでとうございますは、2024年分のあけましておめでとうございますとして一発目なので体重乗ってます。まだ明けていませんけどね。

と、いきなり訳のわからないことで文字数を埋めていますが、ここからが本題。新年定番の、毎年恒例の、2024年の抱負大発表です。

しかしこの抱負ってのも、去年の年頭に自分でどんな一年の抱負を、目標を立て、それをどれだけ実行できたかって、ぶっちゃけひとつも覚えていません。

その前の年も、さらにその前の年もそうです。だけど、それでいいんです。政治家の政治公約や所信表明みたいなものです。......それならそれでよくないか。

実際、本当に他人の一年の抱負が気になってる人なんかいないし、答える側も定番の質問に対して無理やりひねり出しているだけなのです。毎日一発目にする天気の話題の新年版みたいなものですよね。

本当は抱負でもなんでもやろうと思ったら、そのときすぐに始めればいいんです。なので、誰に聞かれるわけでもなく個人的に新年の抱負などを声高に宣言している人がいるとしたら、それは変態です。ごめんなさい言いすぎました。

さて、いざ今年の目標はというと、今まで個人事業主でやっていた仕事を法人化する。つまり会社化して、僕が社長になるということがひとつ。

しかし、そうなったからといって、僕のパフォーマンスになんらかの影響があったり、視聴者や読者に何か還元があるのかというとまったくなく、ただの税金対策です。それが実行されようがされまいが、皆さんにはなんの影響もないことなんですね。

もうひとつは本業であるヒップホップで、単曲ではなくなんらかのまとまった作品を発表すること。だけど、こんなことは抱負として挙げるまでもなく、ミュージシャンとして最低限当たり前のことなんですよね。とか言い出したら、新年の抱負って結局なんなんだ??

いわゆる野心的なものもなくはないが、それは野心だから胸に秘めておくべきものだし、今年中に自然とかなうであろうことを目標として掲げるのは逃げっぽいし、こう見えて(どう見えてるか知らんけど)実は欲のない性格で、アレしたいコレしたい何が欲しいも、特にない。

何かとアクシデントの多いヒップホップ業界の端くれとしては、自分や家族に何事もなく一年無事に過ごせたら、それ以外言うことはありません。いや待て、これは初詣のときに賽銭(さいせん)を投げてお願いするやつじゃないか。

年が明けたからといって浮(うわ)つかず、何があろうと平常運転でなんでもないような話を続けていきますので、今年もこの連載をよろしくお願いします。

★『呂布カルマのフリースタイル人生論』は毎週木曜日更新!★