『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ 『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『ラッパーとしての面』について語った。

*  *  *

★今週のひと言「俺のLIVE前ルーティン、一般的には信じられない!?」

今回は俺のラッパーとしての面、LIVEやバトル前のルーティンについて話していきたい。

まぁルーティンというほど確立された何かがあるわけではないが、たぶん一般的に想像される、バンドやアイドルのLIVE前とラッパーのそれとはちょっと違うのかもしれない。

まず一般的なLIVEイベントと、ラッパーの主戦場であるLIVEとの違いがかなり大きい。前者はリハーサルをやって、そこから順に何組かのLIVEが立て続けに行なわれて終わりだ。お客さんたちもLIVEを見に来ている。そして、全部終わった後に打ち上げ会場、居酒屋などにアーティストは移動して飲む。

ところが、俺らラッパーのLIVEはクラブイベントの一部として行なわれることが多い。クラブイベントの大部分はDJタイムが占めていて、お客さんたちは自由に踊ったり、酒を飲んだりナンパしたりして遊ぶ。その合間にちょろっとラッパーが出てきてLIVEする、みたいなのが基本的な形だ。

もちろん有名になると、ゲスト枠としてラッパーのLIVEがそのイベントの肝になる場合もあるが、そーいった場合でも出番は深夜で、24時を超えることがザラだ。

そうすると、リハーサルが終わって本番までの間に先に打ち上げをしているような感覚で酒を飲んでしまう。パーティだからね。

中には出番までストイックにホテルや楽屋にこもって終わるまで飲まないってタイプのラッパーもいるが、そんなの面白くないよな。だいたいのラッパーは一緒にパーティを楽しんでしまう。ちなみに俺はめちゃくちゃ飲む。

本来あってはならないのは承知だが、年に何度かは飲みすぎて本番でうまくパフォーマンスができないときもある。でも、俺がそんなに飲まされているってことは、お客さんたちはもっと飲んでる。

いまさら俺が上手に歌えようが歌えまいが、もうパーティは成功しているのだ。

酔ってまともにLIVEができないときの言い訳や、酔っぱらいから飛んでくるヤジへの逆ギレのバリエーションも豊富に準備してある。

それも含めてのLIVEだし、エンターテインメントだと思っている。もちろん酒も飲まずにLIVEだけを楽しみにしているファンもいるかもしれないが、申し訳ないがそれは来る場所を間違えている。それならクラブではなくLIVEイベントに行ったほうがいい。

まぁ俺は本番前に飲むのがすっかり習慣づいてしまっているので、LIVEイベントでも普通に飲んでいるし、ステージにも酒を持ち込む。多少酒が入ってるぐらいのほうが舌も滑らかになるのだ。

しかし最近では、酔っぱらいが一切いないようなテレビや表のイベントの現場も増えてきた。さすがにそーゆー場では俺も飲まないし、行儀よくしているつもりだ。

実際飲まなくていい現場はサクッと終わってサクッと帰れるし、二日酔いもないしとてもラクだ。

そう考えると、なぜLIVEで高すぎる酒を飲み、カラダをいじめているのか、これを書きながら疑問に思えてきたが、それでも俺はやっぱり酒を飲んでしまうんだろう。

俺は家では酒は飲まないから依存症とかでは断じてないのだが、こればかりは習慣としか言いようがないな。

ちなみにバトル前も酒を飲むのだが、これについては酒も飲まずにケンカしてるヤツのほうがヤバいだろう。

酒の酔いに任せて言葉の暴力を振るう俺は、いたってまともなのである。

★『呂布カルマのフリースタイル人生論』は毎週木曜日更新!★