今回の相棒である「第三アジロ丸」。全長8m、40馬力のパワーで大海原を冒険だ!

ジメジメと暑い空気が漂う、この季節。しかし気温の上昇はともかく、海の水温が上がって嬉々とするのが週プレ釣り部! 今回は新たな釣りに挑戦だ!

***5月の半ば、釣り友K氏から1本の電話があった。

「今、内房のボート釣りが面白そうですよ! 良型マゴチにアオリイカが釣れているそうで、少し沖に出るとマダイやイナダもいけるみたいです!」

そんな言葉に乗せられ、いつもの乗合遊魚船に乗り込むスタイルから、今回は小型レンタルボートを自ら操船することにした。

自ら船を操船して、思い通りに自ら選んだポイントを探り、あらゆる釣り方で釣るーー。幼い頃、船長になって大きな海を航海する夢を持った人は多いはず。自分もそのひとりで、大人になっても諦めきれず、小型船舶の免許を取得して船を操船するようになった。

ボート釣りは自由な釣りが満喫でき、素人漁師になった気分になれるのが大きな魅力だ。

制限内の海域であればどこで何を、どう釣ろうが自分で決められる。行き先や釣りモノが決まっている遊漁船とは勝手が違い、自分の判断で潮や風を読み、魚探で反応を探り、ここぞというポイントで仕掛けを下ろす。釣れた時の喜びは、大物が釣れた時とはまた違った感激がこみ上げるのだ。

さらに、もうひとつの利点は遊漁船では攻めきれないポイントを攻略できること。

ボートといってもマリンレジャーなどに使うプレジャーボートではなく、釣りに適したキャビンのない和船タイプの平船だ。漁業関連では伝馬船などともいわれ、この和船タイプは機能性に富み、小回りが利くのでピンポイントの場所に入ることができる。浅場から深場までどちらも臨機応変に対応できるため、その場の気分で獲物も変えられる。

ただし、素人船長が調子に乗って無理をすると思わぬ大事故にもなる。決められた規則を守り、自然環境を察知し、安全第一でボートフィッシングを楽しむ。これが鉄則だ。

狙いは再びあの高級魚!!

ボート釣りに出るため、早速調べてみると、房総半島では和船の船外機付きレンタルボート屋は岩井の高崎漁港と南房総浜田漁港にしかない。他にYAMAHAマリーナが運営する会員制のレンタルボートが竹岡港近くにあるだけだ。数が少ないだけに天気の良い土・日は直ぐに満船になるそうだが、浜田港「アジロボート」で無事、予約ができた。

そしてスタッフに聞くと、K氏が言っていたようにマゴチやアオリイカ以外にも「マダイ」がよく上がっているという。

特に、春に釣れるマダイは“乗っ込みマダイ”とも呼ばれ、スポーニング(産卵)直前の大きなサイズが期待できる。しかも浅場に上がりエサを荒食いするのでパワフル。また食味も脂が乗り、すこぶる旨い。

それが、ちゃんと上がっているということは期待できる! というわけで、今回のターゲットは「マダイ」に。そして釣り方も以前に挑戦した「一つテンヤ」に決定した。(参照:週末出動! 週プレ釣り部 Fishing.10「ブームの“一つテンヤ”でマダイに挑戦! 準備編」)

魚との1対1の駆け引きを楽しめる“一つテンヤ”に、自ら潮や風を読む“ボート釣り”。何もかもが自分次第で魚と闘える、この状況に出港日が待ち遠しい!

【タックルデータ】 ロッド:SHIMANO炎月 一つテンヤマダイSS255MH(全長2.55m、6:4調子、テンヤ5~15g、スピニングリール仕様) リール:SHIMANO TWINPOWER C3000SDH(ダブルハンドル、ラインキャパPE0.8号150m) ライン:PEライン0.8号200m リーダー:フロロまたはナイロン(2.5号3m・FGノット) テンヤ 炎月テンヤ(8~12号、素材はタングステン)、オーバルテンヤ(8~12号、素材は鉛)

【エサデータ】 付エサ:赤エビ(冷凍生エサ)、サルエビ その他:丸久エコギア

■今回お世話になった千葉県南房総 浜田港「アジロボート」http://www.ajiaji.net/fishing/

(6月14日配信予定の第2回に続く)