「主食+主菜+副菜+汁物」のバランス良い食事がまずは基本中の基本!

夏までに男らしい「細マッチョ」な体になりたい! その前にせめてこの1年間で増量した6kgを減らしたい! 

というわけで、メタボ予備軍まっしぐらの20代が立ち上がった。前編に引き続き、パーソナルトレーナーの坂詰真二氏が無理なく痩せられる「食事制限法を伝授する。 

(前編記事⇒ 「死に至るリスクさえある糖質制限はNG? ダイエット成功のカギはビジネスと同じ」

-前回、太った原因は消費エネルギーより摂取エネルギーが多いから、早い話が「食べすぎ」と指摘されました。でも実際、そんなにドカ食いしたワケでもないんですが。

坂詰 では、ちょっと計算してみましょう。1年で6kgとすると、単純計算で1ヵ月0.5kgの増量。エネルギーに換算すると、体脂肪1kgが7千Kcalだから3500Kcal。1日にすると?

―えーと、115Kcalとかですかね。

坂詰 そう。つまり1食あたり、たったの40Kcalです。これはゆでたまご半分、またはバナナ半分位のエネルギー。例えば、以前は牛丼だけだったのに卵をつけちゃう、うどんにおにぎりをつけちゃう…とかの積み重ねですね。

―たったそれだけでも毎食積もれば…。油断してました。とりあえず、その分を減らせば?

坂詰 ただ単純に摂取エネルギー量を減らせばいいわけではありません。心身の健康を保ちながら体脂肪だけを減らし、リバウンドしないためには次の3つが大切です。

(1)栄養バランスのとれた健康的な食事体脂肪が増えるのは、不健康な食生活を続けた結果。バランスのとれた食事に戻すだけで自然と体脂肪が減ります。

(2)空腹を感じにくくし、満腹感を高めること空腹が続くとストレスを感じ、過食によるリバウンドを起こしやくなります。野菜などに多く含まれる食物繊維や水分をしっかり摂り、タンパク質と脂質も適切に摂ることで腹持ちが良くなります。

(3)血糖値の上下動をなるべく抑える急激に血糖値が上がると、ブドウ糖を体内に取り込むインスリンが大量に分泌され、エネルギーとして使いきれないブドウ糖が体脂肪として蓄積することになります。

坂詰氏の逆三角形の体に見とれながら、食事制限のポイントを学ぶ挑戦者・三浦君(身長173cm、体重78.6kg、体脂肪率24.7%)

太らないラーメンの食べ方は?

-理論はわかりましたが、実際どんなメニューを?

坂詰 日本食の基本である「主食+主菜+副菜+汁物」は、必要な栄養素を撮りながら摂取エネルギーを抑え、かつ満腹感も得られます。それぞれの選び方をチェックしましょう。

●主食は粒食をメインになるべくパン、麺などの「粉食」より米などの「粒食」を選びましょう。粒食は消化吸収が遅いため、体脂肪に変わりにくく腹持ちがいい。玄米、雑穀米ならさらに消化吸収がゆっくりなのでおすすめ。パンや麺類は1日1食以内に。1食あたりの量はいつもの8割が目安です。「ラーメン+チャーハン」「定食+うどん」など「主食の二重摂り」は厳禁です!

●主菜は「肉料理」か「魚料理」を必ず1品主菜となる肉、魚、大豆食品には私たちの筋肉や血液などの材料となるタンパク質が多く含まれます。主菜をしっかり摂ることで主食の摂り過ぎも防げます。もし主菜が大豆食品の場合、やや不十分なので卵や乳製品などを1品ずつ加えましょう。

肉は脂の少なめなもも肉、ヒレ肉、鶏のささ身、砂肝、プレスハムがおすすめ。魚介類なら大トロや金目鯛など油がのった魚、内臓、魚卵(イクラなど)は控え、白身魚、イカ、タコ、貝類などを。調理法は揚げ物を避け、焼くか蒸したものがいいでしょう。

●副菜、汁物も必ず1品野菜はその大半が水なので、低エネルギーで満腹感を高めます。味噌汁やスープなどに入れるのもおすすめ。忙しい時は、料理の手間がかからないトマトやキャベツ、冷凍ほうれん草、ブロッコリーなどを活用しましょう。ただし、かぼちゃ、にんじんは糖分が多く比較的高カロリーなので少量に。副菜を先に食べることで、満腹感が出て全体の食事量を抑え血糖値の上昇もゆるやかになります。

-実はラーメンが大好物で週3、4回はお店に行きますが、しばらくおあずけでしょうか?

坂詰 実は僕も週3回くらいは食べてます(笑)。ポイントはラーメンを「完全食」にすること。麺は通常サイズで少量残しつつ主菜、副菜をつけましょう。主菜にチャーシュー、副菜として、ほうれん草、もやしなど最低2種類の野菜をトッピングし栄養バランスを整えます。でも、バターやコーンはダメですよ。また、スープの油は高カロリーなので油を少なめにお願いするといいですね。

ラーメンも主菜+副菜のバランスで!

-それなら無理なくトライできそうです!坂詰 そして、このような食事制限型ダイエットの場合、筋肉の減少を防ぐために必ず「筋トレ」も合わせて行なうことが大切です。次回は、筋トレの基本を学びましょう。

●坂詰真二(さかづめ・しんじ)NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト、パーソナルトレーナー。「スポーツ&サイエンス」代表。アスリートへの指導、スポーツ・医療系専門学校の講師を務めながら、雑誌『Tarzan』(マガジンハウス)を始め、多くのメディアで監修、出演。『やってはいけないダイエット』(光文社)が好評発売中!

 

(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/下城英悟[坂詰氏])