内閣府が今年6月に発表した『少子化社会対策白書』ーー。
若者の恋愛離れやセックス離れが指摘されている中、ここに盛り込まれた「意識調査」の結果は、その流れを裏づける衝撃の最新データの数々だった!
それを踏まえ、草食男子を超えた“絶食男子”たちの恋愛事情を前回記事「彼女も欲しくない絶食男子の本音。興味はあるがコスパが悪い?」では紹介。
さらに今回、そんな彼らに“押しつけ”ではなく恋愛やセックスの素晴らしさを説いていだだける人を…というわけで、かつて伊集院光さんとの共著で『DT』(角川文庫)という童貞応援本を上梓(じょうし)した、みうらじゅんさんのお力を借りることに!
■みうらじゅん、非「絶食」のススメ
ということで、絶食系代表として童貞の“絶食くん”(22歳・大学4年生)を引き連れ、みうらさんの元を訪ねました!
―絶食くんは女子にもセックスにも興味あるんですが、そこまで強いモチベーションはないらしいんです。初エッチのシチュエーションにもかなりこだわりがあるそうで。
絶食くん 黒髪ロングが似合う社会人の年上彼女と、月明かりが射し込む部屋で電気を消して「月がきれいだね」なんて言って、いい雰囲気の中でエッチしたいですね。
みうら …なるほどねえ。もうキミたちのような絶食男子は“ロマンポルノ”じゃなくて、“ロマンかポルノか”ってことですな。かつてはロマンとポルノが一緒くたになってこそセックスだったんだけどね(笑)。ロマンを追求するあまりオ○ンが手に入らなくて悩んだもんだよ。俺もどっちかっていったらロマン派だからわかるな、その気持ちは。
絶食くん そもそもマ○コそのものに魅力を感じないですから。グロいじゃないですか、アレ。僕、エロ動画でも絶対モザイクかかっててほしいタイプなので。だから初エッチでもマ○コはできるだけ見たくないんですよね…。なんかそういうことを考えてると、セックスって面倒くさいなってなって、そこまでの情熱が湧き上がらないんです。
みうら 俺も実は割と最近までオ○ンが苦手だったよ。そんな人は見えないようにしてやるしかないね。ランジェリー脱がさないで、ズラして挿(い)れちゃうスタイルとかさ。そうすればオ○ン見ずに最後までできるからオススメ。ランジェリーは本来オ○ン隠し用品なんだから、存分に隠してもらえばいいって。
セックスの作法は自由
絶食くん けど、彼女がもしク○ニされたそうな素振りを見せてきたらとかも考えちゃって。マ○コを舐(な)めるのはちょっと勘弁してほしいってのが本音なので。
みうら どうしてもしなきゃなんなかったら、じっくり見てからじゃなくて、いきなりガーッと口つけるしかないよ。近づきすぎると見えなくなるから。でもそうやって先回り先回りでリスクを考えててもしょうがないか。本当はね、別にク○ンニしなくたっていいんだよね。彼女がやる気満々でシックスナインの体勢に持ち込んできたって、口つぐんでりゃいいんだから。
クンニ拒否して警察連れてかれたなんて話聞いたことないでしょ? そこは自由なんだよ、自由。童貞の頃は何かいろいろセックスの作法があると思い込みがちだし、失敗しちゃまずいって思っちゃうかもしれないけど、別にそんなに深く考えずに無視できる勇気を持つことじゃないの。
絶食くん そういうものですか。セックスそのものもそうですけど、ベッドインするまでの手順もいろいろと複雑じゃないですか。ネットとかで調べると、どういうふうにゴハンに誘って、どういうお店を予約して、どういう会話をして…って情報がいろいろ出てますよね。それを見ると、また途中で面倒くせ~って思っちゃうんですよ。
みうら いんだよ、いんだよ、無視だよ、そんなのも。俺なんて今まで一度もセックスのためにレストランもホテルも予約したことないし、プレゼントだってロクなものあげたことないし(笑)。別に彼女と無言でラーメンだけ食って、そのまま彼女の家行ってボソッとセックスだけして、すぐ帰ってきてもいいんだよ。もう一度言うけど、それで捕まったヤツなんていないから大丈夫!
絶食くん それぐらい達観できるようになりたいです。
童貞ネタに面白みはない!
みうら でも逆に、セックスを修行だと思って、自分を調教するって感覚でハードル上げる方法もアリっちゃアリだよ。だって「童貞がネタになる」って言う絶食男子もいるみたいだけど、それって苦手なものをただそのまま「苦手だ」って言ってるだけで、別に面白みはないじゃない? 苦手なものを好物にしていく過程が面白いわけだから、そこを楽しむっていう感覚で、セックスを目指すのもいいかもよ。
俺も今ね、すごい苦手なんだけど修行だと思ってスカトロの写真をどうにか好きにならないかと見てるところ。だからさ、“セックスにガツガツしてる”のはカッコ悪いと思うかもしれないけど、“苦手なものを克服するための修行”ならどう? 相手のことよりまずは自分ということで。
絶食くん 確かにそうですね。ガッつくのはみっともなくてカッコ悪いと思ってましたけど、自分を高める修行だと思えば、ちょっとは積極的になれるかもしれません。
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高ければ高いハードルのほうが、越えた時、“キモチいい”もんだぜ♪
(取材・文/昌谷大介[A4studio])