ボンジョルノ! イタリアは、「アドリア海の女王」水の都ヴェネツィアにやってきました。
先日はバレンタインでしたが、みんなチョコレートは何個もらった? 1個分けて欲しいです!
バレンタインはイタリアが発祥地と言われてますが、その日が近づこうともここではチョコレーティーな景色はひとつも見かけませんでした。
そりゃあそうとも。イタリアでは「恋人同士が愛を確かめ合う日」であって、チョコレートをあげて告白するしきたりなんて無いのだから。
そんなわけで、もちろんチョコレートが大々的に売られているわけはなく、ショーウィンドウに飾られていたのはこれでもかというくらいの仮面、仮面、仮面。
ガラスの仮面でもなく変態仮面でもなく、ヴェネツィアの仮面=マスケラです。
そう、この時期のヴェネツィアにやってきた目的はもちろん、カーニバル(謝肉祭)! 「世界三大カーニバル」のひとつであるヴェネツィアのカーニバルには世界中から多くの人々が集まります。
この時期は元々、お高いヴェネツィアの宿代がさらに3~5倍に高騰。中心地のサンマルコ広場がある本島なんて泊まれるわけがなく、私はヴァポレット(水上バス)で運河を渡って5分のジュデッカ島に泊まった。
16人ベッドの部屋でも週末は60ユーロ(8千円)と強気のお値段。
翌日はあいにくの雨。
ヴァポレットに乗って本島を目指すと、街は観光客と水たまりでいっぱい。
サンマルコ広場には、大きなステージはあるものの音楽もなく静か。美しい建築に囲まれ、しっとりと大人な街の雰囲気が漂う。ブラジル「リオのカーニバル」のようにスピーカーからサンバが鳴り響き、お酒片手に裸で踊りまくるような祭りとは正反対。
するとそこに、ドレスやマントの裾が泥だらけになりながらも仮装している人たちを発見しました!
「ブラボー! おお…ブラボー!!」
上品に中世の衣装を着こなし、無言で妖艶な香りを放つマスケラさんたちの圧倒的存在感。己の美しさに陶酔し、滑らかな動きと結構なドヤ顔で(と言っても仮面で表情わからないんだけど)アピールしてくれるマスケラさん。シビれる!
カーニバルはハロウィン状態!?
独特なこの妖しさに私はいつのまにか夢中になっていた。
仮面にまつわる話はいろいろありますが、「正体を隠して、貴族だろうが娼婦だろうが性別も身分も関係なく恋を楽しむ」ためだったとも言われています。顔隠せばいいってわけじゃないと思うんだけど(笑)。
でも、素顔の見えない仮面の下にはどんなイケメンや美女が隠れているのかしらと想像が掻き立てられる。
私はマスケラさんたちをマジマジと見つめた。
すると、小林幸子並みのガチ仮装をしているのは意外にも男女ともにご年配が多め。若者は目元だけのマスクや、中世とは関係のないキャラクターなどの仮装をしているハロウィン感覚の人が多い。
…というのも、衣装が高いから? 私だって中世の衣装を着てみたかったけど、本格的なものをレンタルするのにはざっと10万円はかかるというのだ。
むーん。ひとまず仮面だけでも調達をするか。
仮面のクオリティーは1ユーロのツルリとしたシンプルなものから、お土産屋で定番の2~20ユーロ、羽根やラインストーンが豪華になると30~100ユーロ。そして、職人が作る凝ったものになると100ユーロを越えてどこまでも…。
とりあえず、旅中ずっと持ち歩くのも大変なので折りたためるレースタイプの仮面をバングラディッシュ人のお店で買いました。
「アッサラームアライクム。私、バングラ行ったことあるよ」
と久々にイスラム圏の挨拶をかますと、5ユーロの仮面を1ユーロ、オマケしてくれた。
ヴェネツィアでの大誤算
仮面も手に入れたことだし、寒いのでコーヒーでも飲もうかな。
実は私は、旅をしながらこっそり世界のスタバで「ご当地マグ」を撮影して楽しんでいる。なので、イタリアのデザインはきっとオシャレでどこの都市のも可愛いだろうなと楽しみにしていた。
しかし、なんとイタリアにはスタバがない!
理由は「イタリアには美味しいコーヒーや独自のカフェ文化があるから」とか「チェーン店が作りにくいから」なんだそう。先進国にはスタバがあるのが常識だと思っていたから、マンマミーア(オーマイガ)!です。
スタバにありつけなかったので、バーカリと呼ばれるイタリアの居酒屋的なところに寄ると、なんとグラスワインが60セントからと激安! 物価が高いと思っていたからこれは嬉しい誤算! グラッツェ(ありがとう)。
安くて美味しいワインに上機嫌でリアルト橋の近くを歩く。すると、ロブスターのリングイネが8ユーロと書いてある看板を発見し、思わず入店。
ヴェネツィアのレストランは観光客向けの店が多く、あまり期待はしてなかったけど、出てきた料理はやっぱりイマイチ。てゆうか、普通のパスタ。
とりあえず完食してお会計すると…パスタだけで、よ、よ、48ユーロ…? はて?
問い正すと、「100グラム計算だよ」だって。よくある、メニューの端っこに小~さく書いてあるパターン。看板なんて、もっとわかりにくい。嘘でしょ…?
だってロブスターは殻ばっかりで身はほんのちょっとだったよ? ヴェネツィアやローマでは観光客をカモにしたボったくりレストランが存在するって聞いたことあるけど、これがそう…!?
いまさら後悔しても「無駄無駄無駄ァーッ」
私のお金「ボラーレ・ヴィーア(飛んで行きな)」
せっかく気分上々だったのに、まことに奇妙な会計となりました。
はァァァ。
心とは裏腹に晴れあがった空の下、「ため息橋」の前でため息をつく私であった。
なにわともあれ、今回はこんなところで「アリーデヴェルチ(さようなら)」。
【This week’s BLUE】 赤ちゃん仮面!
●旅人マリーシャ 平 川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、Sサイズモデルとしてテレビやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】