様々な物を自作する阿諏訪泰義 様々な物を自作する阿諏訪泰義

豊富な品ぞろえや売り場の広さで競いながら、今やなんでもそろうスーパーショップになったホームセンター。

『週刊プレイボーイ』36号では話題のデジタル工房から活用術、裏技まで最新事情を徹底解剖! ホームセンターによく行く人もそうでない人も、新たな魅力を発見してほしい!

●前回記事「なぜ人気? ホームセンターの丸わかりランキング」「ホームセンターの最先端をアイドル・℃-uteと見学してわかった女子の楽しみ方」「ホームセンターがさらに進化! カインズ鶴ヶ島店の最新デジタル工房を見学!!」参照

かつて『アメトーーク』の企画プレゼン大会で「ホームセンター大好き芸人」を提案! お笑い界イチ、ホームセンターを愛する男、うしろシティ・阿諏訪泰義(あすわ・たいぎ)が、その魅力と偏愛っぷりを余すところなく語り尽くす!

■もっと良くなるかも!? 妄想をかき立てる場所

アウトドア好きの父親に連れられ、幼い頃から釣りやバーベキューに行っていたという阿諏訪さん。当時は「なぜ外で飯なんか食うんだろう」と理解できなかったが、大人になると自身もアウトドアに目覚め、それと同時にホームセンターに通うようになったという。そして今ではさまざまなものを自作するDIY男子に! そんな彼が語る、ホームセンターの魅力とは?

★魅力1 楽しさは無限大

やっぱり、ホームセンターって行き慣れない人からするとあんまりおもしろくない場所だと思うんですよ。品ぞろえが豊富すぎて、何げなく見てるだけだと素通りしちゃいますから。ただ、何かに興味を持つとそこから無限に楽しさが広がっていくんです。

例えば何かの部品を「へぇ、こんなものもあるんだ」ってなんの気なしに見てるとするじゃないですか。で、半年後に何かを作ろうと「どうしようかなぁ」と考えていると、半年前に見たその部品が急に頭に浮かんで「あっ、そういえばアレがあったな。じゃあ、アレとソレを組み合わせて、こうすればできるじゃん!」ってつながる瞬間があるんですよ! これが最高ですよね。行かない人には何を言っているのかわかんないかもしれないですけど(笑)。

あと、僕はカラーコーンなんか見てるだけでもおもしろいんです。単純に「いくらなんだろう」って思いません? コーンとコーンをつなぐ黄色と黒の棒(コーンバー)とか。で、値段を見ると「582円なんだ」みたいな(笑)。別にそれを知ったからって大きな喜びはないですけどね。でも妙な満足感があるんです。

★魅力2 変なものを売っている

カラーコーンもそうですけど、「そんなもの、誰が買うの?」っていうものを売ってるのも見ていて楽しいですね。

例えば「竹割り器」ってあるんですよ。居酒屋のレモンサワーについてくる「レモンをしぼる道具」みたいな形をしてるんですけど。そこに竹の先をグッと当てると竹が均等の幅で割れるんです。その竹は生け垣をつくったりするときに使うんですけど、そんなもの1年でいくつ売れるんだろうって(笑)。

ほかにも「もぐら捕り器」とか「家」とかホントになんでもありますよね。個人的には「ヤギ」にも驚きました。ペット用なのか食材なのか、わかんないんですよ(笑)。

ホームセンターの店員さんほど詳しい人は他にいない

★魅力3 自作すれば節約に

最初にホームセンターで材料を買って作ったのはCDラック。20歳になって東京に引っ越した頃で、お金もないから「自作すれば安いんじゃないか」って思ったのがきっかけです。凝ったものじゃなかったけど、木の端材とかを買って作りましたから相当安く上がったんじゃないかなぁ。

最近流行っている「アイコス(電子たばこ)」のケースもレザークラフトで自作したんです。それは安く上がるからというより、カッコいいケースがなかったからですけど。いろいろ試作して完成したのが、今使っている4代目。3色展開してるんです。

周りからも好評で芸人仲間とかスタッフさんから「俺にも作って」って注文が殺到してますね。芸人はお金がないからタダで作ってあげてるんですけど、スタッフさんからは材料費だけいただいて。「おまえ、口約束だけだと作らないだろ」って先にお金だけ渡されてます(苦笑)。

 芸人仲間やスタッフから注文殺到の自作のアイコスケース。もちろん、ケースに入れたまますべてのボタンを押すことができる。売り物になるクオリティ 芸人仲間やスタッフから注文殺到の自作のアイコスケース。もちろん、ケースに入れたまますべてのボタンを押すことができる。売り物になるクオリティ

家にあるレザークラフトの作業台も自分で作ったものです。東北の材木屋さんがヤフオクに出品していた「杉の一枚板」を落札して、自分で脚をつけました。で、工具を差す場所やレザークラフトの薬品を置く棚も下に作りました。

 『ヤフオク!』で落札した「杉の一枚板」から自作したレザークラフトの作業台。工具を差す場所など随所に工夫が。下がもとになった一枚板 『ヤフオク!』で落札した「杉の一枚板」から自作したレザークラフトの作業台。工具を差す場所など随所に工夫が。下がもとになった一枚板

仕上げにニスを塗ろうか迷ったんですが、結局クルミ油を塗って仕上げました。ニスを塗ってしまうとせっかく生きている木が呼吸できなくなって、経年化の味が出なくなってしまうので。

★魅力4 さらに工夫と妄想で

「さらに工夫すればもっと良くなるんじゃないか」って妄想するのが好きなんですね。キャンプが大好きで一年中行くんですけど、キャンプ道具って凝ったものが多いんですよ。で、それはそれで便利なんですけど、もっと改良できるんじゃないか、とか。

だから、例えば普通の木のテーブルがあったとしたら、天板の横に電動ドライバーで浅く穴をふたつ開けるじゃないですか。そこに同じ径の針金をつければ、「手拭き用のタオル」がかけられるんです。そんなことを考えているとホームセンターに行きたくなるんですよね(笑)。

★魅力5 頼りになるプロがいる

すぐ行きたくなるのは「頼りになるプロがいるから」というのもあります。デパートとかスーパーとかなんでも売っているところっていろいろありますけど、ホームセンターの店員さんほど詳しい人ってほかにいないと思うんです。

特にニッカーボッカーや足袋をはいたプロの職人さんたちが集まるようなホームセンターは信用できる。プロの厳しい質問にいつもさらされているから店員さんが相当鍛えられてるんです。もちろん、ファミリー層が多いお店にはその良さがありますから、自分に合う店を客層から判断してもいいと思いますね。

『週刊プレイボーイ』36号「進化したホームセンター最新超活用術!」では、15Pの総力特集をしているので是非お読みください!

●うしろシティ 阿諏訪泰義(ASUWA TAIGI) 1983年1月8日生まれ、神奈川県出身。「キングオブコント」で3度ファイナルに進出している実力派お笑いコンビ「うしろシティ」のツッコミ。キャンプ、料理など趣味も多数

(取材・文/井出尚志、渡辺雅史、高山惠[リーゼント] 撮影/佐賀章広)