飲んだ後に、どうしても締めのラーメンが食べたくなったときは…?

飲み会が続き、さらにはお正月とお腹周りの肉が気になる年末年始。それでも誘いがあれば断れないし、じゃあ運動しろと言われても、忙しくてそんな時間はないのが現実だ。

しかし、着々と肥える肉体を傍観し、春先からダイエットを…と思っている人に朗報だ。「いくら飲み会に参加していても太らずに済む方法がある」という。

そんな心強い言葉をいただいたのは、日本メンタルダイエット協会代表でダイエットインストラクターの小林一行(いっこう)氏。小林自身、実際に週3、4回は飲みに行きながらも体形をキープしている。

前編では、太らないための飲み会での食事法をお伝えした。食物繊維を含む野菜などを中心としたメニューを最初に注文することで、血糖値を上げにくくし、さらに満腹感を得るようにするのだ。

それだけでなく、お酒の飲み方も工夫することでさらに太りにくくすることができると小林氏は言う。よくビールは太りやすいと言われるが、飲むものを変えろということなのか?

「確かに醸造酒と言われるビールや日本酒、ワインは糖質がお酒に残っているので太りやすいとも言えます。しかし、蒸留酒である焼酎・ウイスキーと比較してもわずかな差。最初は好きなものを飲んで、後半はハイボールにするなど、それくらいでいいですよ。そこまで無理する必要はありません」

好きなお酒を我慢してストイックになる必要はないというのだ。

「カロリーもビールのほうが高いです。ただ、『どちらかといえば』という程度の差。それにアルコールによって体温が上がることで、カロリー消費されるので、そこまで気にするほどのことではないんです」

文部科学省の食品成分データベースによると、ビール(淡色)100gで40kcal、ウイスキーは100gで237kcal。1杯に置き換えると、ビール(中ジョッキ・300ml)は120kcal、ウイスキー(シングル・30ml)約80kcalと、約40kcalしか変わらない。

もちろん体質によるところもあるが実際、小林氏はビールを毎日3本飲んで25kgのダイエットに成功した。では、何に気を付ければいいのか。

「それ以上に大事なのは、飲酒による食欲の暴走を抑えることです。アルコールには食欲を増進させる効果があります。そして、利尿作用によって体内の水分もなくなるので、水分摂取のため食べ物にも手が伸びてしまいます。だからお酒を飲む際は一緒に水を飲んでください。そうすることで、締めにラーメンを食べずに済みますよ」

締めのラーメンを食べるなら…

酔っ払って食べ過ぎ、翌日に後悔…という経験は誰もがあるはず。二日酔い防止のためにもお酒と同量の水を飲むのがベストだ。また、それでも締めのラーメンが食べたい場合や、周りと一緒に行くことになってしまった場合は…。

「脂の多いトンコツは避けて、醤油や塩を選びたいところです。それから野菜や卵などをトッピングして、トータルバランスを調整しましょう。もしくは食べたあとに野菜ジュースを飲むとか。糖質ばかり摂って、糖質を代謝するビタミン・ミネラルを摂らないから脂肪になってしまうんです」

さらに飲み会の前にも肥満防止のため、簡単にできることがあると小林氏は加える。まずはランチだ。

ランチは汁物やサラダを追加してご飯の量を減らしましょう。これは食べ順ダイエット(前編で紹介)と同じですね。それから、働いていると会社から近場で済ますことが多いと思いますが、片道15分の店に行きましょう。そうすることで往復30分のウォーキングができます」

確かに30分の運動をするだけの時間を作るのは難しいが、こうした隙間時間を利用するのは大切だ。またオススメの店選びは和食系の定食屋や香辛料を多く使うエスニック系、そしてカレーなら小麦粉を使っていないインドカレーがベター。

「もうひとつは間食です。もちろん食べないにこしたことはないですが、お腹が空いた状態で飲み会にいくと、最初にドカ食いしてしまい、ゆっくり食べられません。だから、小腹を満たしてから行きましょう。ドライフルーツは食物繊維が豊富です。チーズは太るイメージありますが血糖値が上がりにくいので間食に適しています」

「人間そんなに辛抱強くない」からこそ、あえて間食していくのがいいのだ。

「ダイエットのために生活をいきなりガラッと変えてもツラいだけですからね。歩いたり、食事の順番だったり、ちょっとしたところを変えるだけなら我慢しないので続けられる。1回やっただけじゃ変わらない細かいことを癖にして、ストレスゼロで継続してやっていくことがダイエットでは大事なんです」

今年の年末年始の飲み会は、ほんのちょっとだけ意識を変えて、太らず過ごしていこう。

●小林一行(こばやし・いっこう)日本メンタルダイエット協会代表。1965年栃木県生まれ。エンジニアとして勤めるが、多忙でうつ病を患い過食症も併発。自ら心理学やメンタルを癒す手法 を学び、克服する。その経験から我慢しないダイエット法をあみだし、2年で25kgの減量に成功。さらにメンタル改善のメソッドや人体学、栄養学を徹底的 に応用し、飲み会の多い人や運動する時間がとれない人でも実践でき、かつリバウンドしない独自のダイエット法を新たに開発。近著に『ビールを飲んでも飲んでも腹が凹む法』 (三笠書房) 【http://kobayashiikko.jp/】

自身も25kgのダイエットに成功した小林一行氏。手に持っている写真はダイエット前の姿

(取材・文/鯨井隆正)