ちょい太めの週プレスタッフが、体型もカバーしつつ、ユニクロだけでこんなにカッコよく変身! ちょい太めの週プレスタッフが、体型もカバーしつつ、ユニクロだけでこんなにカッコよく変身!

「ファッション誌を読んで、服を買ってもまるでオシャレにならない」「ファッションに興味ないけど、そこそこオシャレはしたい」「お金がないけど、カッコよくなりたい」etc…。

そんなファッション初心者たちに救いの手を差しのべ、ネットを中心に圧倒的な人気を誇っているのがファッションブロガーのMBさんだ。

男のオシャレを明解な言葉と数字でロジカルに解説し、一点2千円前後の購入しやすいユニクロなどのファストファッションを中心に、丁寧なアイテム紹介や実用的なコーディネートを提案。これまで「センス」「気分」など、感覚的に語られることの多かったファッションの世界に新風を巻き起こしている。

ネット媒体での連載コラムやブログなどは軒並み好調で、自身が手がけるメルマガ『最も早くオシャレになる方法』はメルマガサイトの「まぐまぐ大賞」を3年連続受賞している。

そんなネット界では知らない人のいない超有名人だが、その素顔は意外と知られていない。

そこで、彼を直撃! 2月3日に発売された7冊目の新刊『スタメン25着で着まわす毎日コーディネート塾』(集英社刊)を片手に、週プレNEWSのスタッフをオシャレにしてもらうべくインタビュー。ファッション界で快進撃を続けるMB流“おしゃれの教科書”は、どうやって生まれたのか? MBさんとは一体、何者なのか?

* * *

―MBさんは、オシャレはロジックで説明できるといろんな媒体で述べてますけど、それって本当なんですか?

MB 本当です。説明できますよ。今までオシャレって「センス」とか「気分」とか、あやふやな言葉で説明されてたけど、それってちゃんと言語化されてなかっただけなんですよ。AとBを合わせると、こういうシルエットになるって公式がちゃんとあるんです。そして、それさえ知っていれば誰でもオシャレになるんですよね。

―その公式はどうやって作ったんですか?

MB 僕は元々、ショップスタッフをやってたんですけど、デザイナーさんやスタイリストさんにオシャレに関する話を聞いたり、逆にお客さんからのオシャレに関する疑問を自分なりに考えたり。

その集めた情報の中から公式を抜き出して言葉や数字に置き換えて体系化していきました。もちろん例外はあるんですが、基本的には誰が実践しても上手くいくようにということは考えてました。

―なるほど。先日、発売された『スタメン25着で着まわす毎日コーディネート塾』も、そんなロジックをもとに書かれたんですね。この本、パンツとかジャケットとかアイテムを軸に具体的なコーディネートの作り方が説明されています。これがあれば、買い物に行っても悩まないと思いましたね。

MB ありがとうございます! 今回は着るだけで、絶対オシャレになるアイテムを25着厳選して紹介しました。これで着回せば絶対に間違いありませんよ!

日本人はドレス:カジュアル=7:3の比率で

―うぉーっ、絶対ですか!?

MB 絶対です(笑)! あと洋服を選ぶ時って、痩せて見せたいとか、顔を小さく見せたいとか、誰でも体型のコンプレックスを隠したいものだと思うんです。なので、それらを解消するテクニックも書きました。これも効果絶大です。

 左がビフォア。右がコーディネート後。スラリと細身で脚長になり、グンとあか抜けて見える!(コーディネートの詳細は次ページ) 左がビフォア。右がコーディネート後。スラリと細身で脚長になり、グンとあか抜けて見える!(コーディネートの詳細は次ページ)

―う~ん、ものすごい自信! ただそれほど確実にオシャレができると言いながらも、タイトルに「ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく」とある通り、選ばれているアイテムは安価な、いわゆるファストファッションばかりですね。大丈夫なんですか?

MB もちろん。今ってファストファッションのレベルがすごく上がっていますから。企画して3週間で店頭に出すH&MやZARA。サンプルを何十回も作るほど開発に手間をかけるユニクロ。トレンドものからスタンダードまで全部、ファストファッションでまかなえるんです。

しかも規模が拡大した分、単価に跳ね返っていて、ブランドもので1万円するものがユニクロなら千円台で買えちゃう。もうブランドにこだわる必要はありません。もちろんブランドものがダメってわけではないですけどね。

―中には高い商品も紹介されていますね。

MB 僕が提案してるのはあくまで着こなしであって、ファストファッションそのものではないですから。靴やインディゴデニム等、アイテムによってはお金をかけたほうがいいものだってあるんです。

それに男のコは一張羅が好きで、ユニクロもいいけど、ひとつやふたつは高いものにこだわりたいと思うものでしょ。だからあえてファストファッションだけに限定せず、服の面白み、奥深さも知ってほしいという気持ちで書きました。

―今回、実際にコーディネートをしてもらいましたけど、最も意識したことはなんでしょう?

MB 「ドレス」と「カジュアル」のバランスですね。「ドレス」は気を張ったスタイル、「カジュアル」は気を抜いたスタイルという意味。100%ドレスだとスーツ、100%カジュアルだとパジャマや部屋着になります。

長身でガッチリ体型の欧米人ならドレスとカジュアルの中間でも成立しますが、童顔で胴長短足の日本人はカジュアルに寄ると思い切り子供っぽくなってしまう。なので、日本人はドレス:カジュアル=7:3の比率でコーディネートを組むと、大人っぽくて、オシャレに見えますね。

ちょい太めライターが大変身!

【実践!MB流・コーディネート塾(1) 体型カバー編】

…というワケで、早速“ちょい太め”がお悩みの週プレスタッフ・ナオイ(42歳、ライター)をMB流にコーディネートしてもらった!

「基本は1年中半そでTシャツで動きやすいものが好き。たまに雰囲気を変えてみたいです!」 「基本は1年中半そでTシャツで動きやすいものが好き。たまに雰囲気を変えてみたいです!」 私服のナオイ(166cm、70kg)。よく買うブランド:ユニクロ、軍モノ

まずはボトムスからスタート。

「デニム+ノーカラーのブルゾン+スニーカー…と100%カジュアルなスタイルをドレス寄りに。このユニクロのパンツは100%ドレスな、ジャケットとセットアップにもできるスラックス。裾幅が細くシルエットがキレイ。また裾にシワ(クッション)をつけずに着ることですっきり脚が細く見えます。カジュアルなスニーカーが決まりすぎず、いいバランスを保っています」(MB)

 カジュアルなシューズに“100%ドレス”なスラックスのバランスが絶妙! (ユニクロ ストレッチウールノータックパンツ) カジュアルなシューズに“100%ドレス”なスラックスのバランスが絶妙! (ユニクロ ストレッチウールノータックパンツ)

トップスも大人っぽくコーディネート。

「やや太めなので、体型のカバーを考えましょう。ニットは表面に凹凸があるので、陰影ができ体型がカバーできる素材。ロング丈を選び、さらに腰と太もも周りも隠します。インナーのニットは編み地がミラノリブ。ツヤとハリがあって上品。大人っぽい雰囲気が出ます。またVネックにすることで肌の面積が広がり小顔効果抜群。さらにパンツと同じ黒を選ぶことで腰の位置が隠せて、脚が長く見える効果も期待できます」(MB)

 インナーはVネックのニット(ユニクロ ミラノリブVネックセーター)で小顔効果をねらう。ロングカーディガン(ZARA ニットアウター)を羽織って体形カバーもバッチリ インナーはVネックのニット(ユニクロ ミラノリブVネックセーター)で小顔効果をねらう。ロングカーディガン(ZARA ニットアウター)を羽織って体形カバーもバッチリ

本人の好みのミリタリーテイストを活かし、もうひとつコーディネートを。

「顔の近くの首は手首・足首とともに『3首』と呼ばれ、ひと際目立つポイント。だから全体の印象を左右します。このジャケットはミリタリーモノですがMA-1などとは異なり、襟がある。その襟を立てて軽く羽織ることで大人っぽさを全体に演出します。また素材が硬いため、体にフィットせず体型をカバーできるのも秀逸。着る前に一度洗いをかけると、シワがついてビンテージ感が出て、高級な雰囲気が生まれます」(MB)

 ミリタリーデザインのアウター(ユニクロ ワークジャケット)の襟を立てて、大人っぽさを演出。硬い素材なのでさりげなく体形カバーも ミリタリーデザインのアウター(ユニクロ ワークジャケット)の襟を立てて、大人っぽさを演出。硬い素材なのでさりげなく体形カバーも

「実は俺、学生服と喪服以外、黒いパンツをはいたことがないんですが、いいですね。撮影中、みんなから大人っぽい、カッコいいって言われてすごく気持ちよかったです。ワークジャケットは、普段の好みとも合ってるから違和感もないし、気に入りました」(ナオイ)と、ファッションにこれまで特に興味を持っていなかったという彼もご満悦。

こんなふうに、MB流コーディネートの公式をマスターすれば、オシャレがどんどん楽しくなりそうだ。

★続編⇒「彼女ができた!」と喜びの声が続々…大人気のMB流“モテコーデの法則”とは?

●MB ファッションバイヤー、ブロガー。プロバイヤーとして活動する傍ら、2012年12月にWEBサイト「現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになれる方法 KnowerMag」を開設。男のオシャレをロジカルに語れる新しい存在として絶大な支持を受ける。最新刊『ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく  スタメン25着で着まわす毎日コーディネート塾』(集英社刊) (取材・文/大野智己 撮影/五十嵐和博)