ネット媒体を中心に男性ファッションのノウハウを指南し、圧倒的な人気を誇るファッションブロガーのMBさん。
男のオシャレを明解な言葉と数字でロジカルに解説し、ユニクロなどのファストファッションを中心に丁寧なアイテム紹介や実用的コーディネートを提案。これまで「センス」「気分」など、感覚的に語られることの多かったファッションの世界に新風を巻き起こしている。
そこで、前編記事「失敗しない“オシャレ公式”」に続き、2月3日に発売された7冊目の新刊『ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく スタメン25着で着まわす毎日コーディネート塾』(集英社刊)を参考に週プレNEWSのスタッフをオシャレにしてもらうべく直撃インタビュー! ファッション界で快進撃を続けるMB流“おしゃれの教科書”は、どうやって生まれたのか?
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―週プレ的には、本の中にもありましたが「モテコーデ」というのが興味深いんですが。
MB それ、よく聞かれます(笑)。僕が考える「モテコーデ」って「清潔感」と「大人っぽさ」がキーワードなんですよね。ちょっと、順を追って説明しますね。
まず「清潔感」ですが、そもそも女性は体質的に受け入れる側だから、身体的にも清潔じゃないモノを拒もうとする意識が本能的に強いんです。だから首元の伸びたTシャツとか色落ちしすぎたものとか清潔感のない服はNGです。
―はい…着ないようにします。
MB もうひとつ大事なのは「大人っぽさ」。女性は自分と子供を守ってくれるような男性を求めます。それは頼りがいがあって、余裕がある人を求めるということでもあります。つまり、大人っぽい男性がモテるんですね。で、そんな風に清潔感と大人っぽさを合わせた理想のアイテムとなると、なんといっても「白シャツ」につきると思います。
―白シャツ! なるほど!
MB あとは小物ですね。僕らが女性服の良し悪しがわからないように、女のコは基本的に男性服のことはわかりません。でもマフラーとか靴とかバッグとか価値を共有できるものなら、わかるわけです。そこで小物にこだわると女子ウケがいい。自分の経験で言えば柄のあるストールを巻くと、女のコは必ず褒(ほ)めてくれますね!
―ストール、すぐ買いにいきます! それにしても清潔なのは当然として、大人っぽさにこだわるのはMBさんのロジックの基本でもありますよね。ってことは、その本を読めばモテると…。
MB それは断言していいと思います(きっぱり)。よく読者の方々からお礼のメールを何十通といただくんですけど、一番多いのは彼女ができたってことなんですよ。
ファッションが変われば、自分自身と世界が変わる
―えーっ、す、すごい! この本を完全熟読します!
MB それは洋服が整ったからモテただけじゃなく、洋服が整ったおかげで自信がついて、雰囲気が変わったってこともでもあると思うんですけどね。
―聞くところによれば、MBさんが書いたら商品がなくなったとかよくあるみたいですし、街中でよく眺めてみるとMBさんの提案する格好をする人も増えているような…。昔、「マニュアル世代」なんて言葉があって「ポパイ」や「ホットドッグプレス」で紹介したスタイルを鵜呑みにする人がいましたけど、こんなにわかりやすく正解を示されると、みんな自分では何も考えなくなっちゃいません?
MB そんなことはないですよ。さっき、ドレス:カジュアルは7:3って言いましたけど、それってよく考えたら、ちょっと曖昧(あいまい)でしょう?
―10アイテム身につけて、そのうちの3つが…とかってわけじゃないし、確かにイマイチわからないですよね。
MB 数字やロジックでわかりやすさを出してますけど、曖昧さも残すことによって工夫が生まれると思うんです。7:3の表現は、コーディネートの無限の可能性を示唆(しさ)しているんですよね。
―なるほど。でもオシャレに限らずですが、失敗してなんぼとかいいますし。やっぱり自分で何度も失敗しないと、成長しない??
MB いや、10万円もお金かけたのにことごとく失敗して、オシャレなんてつまんないってなるより、5千円で安くオシャレして楽しくなるほうがいいですよ。さっきのモテじゃないけど、ファッションが変われば、自分自身と世界が変わる。まずはその面白さを感じてほしいんです。
―では、今回もファッションに悩める週プレスタッフを実際にコーディネートしてもらいましょう!
週プレスタッフがMB流モテコーデで大変身!
【実践!MB流・コーディネート塾(2) モテコーデ編】
というわけで、 「『学生みたい』とよく言われるので、大人っぽくなってモテたい!」と切に訴える、編集部バイトのマツザキ(25歳)が挑戦。
マツザキ(170cm、63kg)の私服姿。よく買うブランド:ユニクロ、無印良品。
モテコーデのポイントである大人っぽさを出すため、まずボトムスからコーディネート。
「デニムはカジュアルなんで、大人っぽさを出すならスラックスタイプのほうがいいですね。これはユニクロのレディースのXLなんですが、極細タイプで縦のラインが際立ち、スラリと見せます。
また足首の裾幅が余ると子供っぽくなるので裾が細くキレイなものを。色は黒系だと引き締まってきっちりした印象になります。靴もスニーカーから黒のフェイクシューズにしましょう。パンツと靴を同色にすれば脚が長く見えますよ」(MB)
続いて、アウターをコートに。
「このチェスターコートは、カシミアをブレンドしたカシミアウール素材。ツヤがあって風合いも滑らかな高級感があります。ロング丈なので腰の位置を隠せて、脚が長く見えますね。インナーのスウェットパーカがカジュアルなので、キメすぎずバランスが取れていると思います」
トレンドカラーのピンクを使って、春らしいコーディネートも。
「ピンクのトップスはカジュアルな印象ですが、カシミア混のコットンなのでツヤ感と高級感があって“ドレス”な印象になります。XLの大きめなサイズにすればリラックス感も出るし、体型に難があっても隠せるのでオススメです。
ただし、パンツもゆるくするとただのルーズになってしまうので細身で。上は太く、下は細くと、全身でYラインを意識するとバランスが取れて見えます」
私服では学生にしか見えなかったマツザキだが、見違えるようにあか抜け、大人の余裕すら感じさせる雰囲気に!
「なんだか自分じゃないみたい。ただただ感動です。これなら自信を持って、女のコに話しかけられそうです」(マツザキ)と、本人も自分の変身ぶりに驚きを隠せない様子。
MB流・モテコーデをマスターした彼から、「彼女ができた」という報告を聞く日もそう遠くはなさそうだ。
★続編⇒ファストファッションを年1千万円以上も購入! カリスマブロガー・MBって何者?
(取材・文/大野智己 撮影/五十嵐和博)
●MB ファッションバイヤー、ブロガー。プロバイヤーとして活動する傍ら、2012年12月にWEBサイト「現役メンズバ イヤーが伝えるオシャレになれる方法 KnowerMag」を開設。男のオシャレをロジカルに語れる新しい存在として絶大な支持を受ける。最新刊『ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく スタメン25着で着まわす毎日コーディネート塾』(小社刊)