筋肉のねじれ、筋膜の癒着、骨膜のよれ、骨のズレにより硬く歪んで不調を訴える身体を、本来あるべき姿に戻していくという「ボディ・リモデリング」。
東京・三軒茶屋にあるサロン『J―body』を主宰し、昨今、話題の筋膜リリースの先駆者でもある長坂一史院長がそれをさらに進化させたという骨格改造術だ。
長坂院長が自身の体調不良を治すために考え、長年の多岐にわたる施術経験や模索から構築したオリジナルの整体法だが、その成り立ちなどを聞いた前回に続き、今回は実際に週プレNEWS編集長・K山が体験取材を行なった!
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「ボディ・リモデリング」は、例えば腰が痛いからといって、腰そのものをもんだり指圧したりすることはない。長坂院長自身、不調を抱えていた当時に受けた様々な施術後「しばらくすると戻ってしまう」ことから、痛い部分にダイレクトに刺激を与えても根本的な解決にならないのを実感したからだ。
そこで長坂院長がたどり着いたのが、筋膜など身体を覆う筋繊維のねじれやズレなどをひとつひとつ見つけ出し、身体を解放していく施術である。
「身体を硬くしているポイントが赤く光っているわけではないので、細かすぎるほど身体を触っていき、問題がある箇所を探して筋膜のねじれをほぐし、骨のズレを戻すことによって体全体を緩ませ、骨膜の癒着や筋繊維のつまりを取り除いていきます」(長坂院長、以下同)
実際、長坂院長の手の動きを見ているとミリ単位で動いていく。
「1ミリずつ手を動かした時の気づきの積み重ねです。指の動きすべて意味があるんです」
何より他の整体と異なるのは、足指とひざ、手首と顔など左右の手を離れた場所に置き、バランスを確かめるように施術すること。
「これが、縮こまって身体を硬くしているポイントです。ゆるめることによって圧がとれて解放され、どんどん身体がラクになっていきます」
そこでK山編集長が「なんか、自分がピアノとか楽器になったような気分というか。調律師がひとつひとつハンマーで叩いて、元のあるべき形に戻されているみたいな感じ。正しくチューニングされてる実感があるよね」と心地よさそう。
傍から見ている限り、強く押して揉みほぐすのでもなく、まさに体全体がコントラバスのように楽器を奏でているような、調律しているような…。時折、痛みがあるのか編集長の顔が歪(ゆが)むのだが「触られてる箇所とはまた違う部分が反応している感覚」だそう。ズレが矯正される中で、刺激されるようだ。
脚の甲から手指の先、顔…とパーツごとにチューニングされ、その段階ごとに鏡で変化を確認。まず横になって上半身を起こし、両脚の長さを比べただけでも違いは明らか。右半身、左半身と順番に矯正されるため差が丸わかり。
顔も片側だけが、頬骨や目尻が上がり、左右であしゅら男爵(往年の『マジンガーZ』登場キャラ)か!?と笑ってしまうほど。K編集長も見慣れぬ変化に苦笑いしている。
身長も伸びた! ビフォーアフター
この日、施術時間自体はトータルで90分ほど。それだけかけて念入りに筋膜の癒着やねじれ、骨のズレを矯正するわけだが、終了後、老化ゆえか縮んでいた身長も176.4cmから177.3cmに約1cm高くなっていた。
重力で常に押さえられている身体が「ボディ・リモデリング」によって解放されて本来の身長に戻ったということだ。そして、左右ともにバランスよく骨格があるべき位置に収まり、頬がシャープになり小顔効果まで…! 首も細長くなって、ヒップラインまで上がっている。
「『ボディ・リモデリング』の場合、顔を直接押して小さくするものではありません。身体を解放していくと、自然とパーツの中に収まって顔が小さくなっていくんです」
まさに“リモデリング”=改造だが、筋膜剥がしを提唱、先駆者としてメデイアに紹介されてきた長坂院長が見据えるのは、さらにその先だ。
「ここ最近わかったのが、よくリンパを流すために下から上に流しますが、これがよくない。筋膜は1枚の布のように身体を覆っているんですから、身体の中央に寄せていくとよれてしまう。手先、足先に流して外に解放していかなければならないんだと。
そういう常に改善、試行錯誤してますから。僕は自分の与えられた使命として“世界一の施術師”になるというのがあるので、細胞の1コ1コを感じられるまで突き詰めていきたいと思ってます」
優しいタッチで身体をメンテナンスする、人体の“調律師”長坂院長の超絶技が「ボディ・リモデリング」なのだった。
(取材・文・写真/渡邉裕美)
●長坂一史(ながさか・かずひと) 東京・三軒茶屋にあるサロン『J―body』主宰。薬剤師として製薬会社で働いていた時に体調を大きく崩したことからサプリメントや東洋医学、西洋医学、気功、鍼灸、マッサージなどあらゆるもの体験。「筋膜剥がし骨格施術(R)」を進化させた「ボディ・リモデリング(R)」を提唱する