ビシュケクの勝利広場でキルギスのウェディングと遭遇! ビシュケクの勝利広場でキルギスのウェディングと遭遇!

あけましておめでとうございます!

皆さん、今年の抱負はなんですか? 私は昨年、筋トレをサボりまくったので、今年はボディーをチェンジ!

「Yes We Can!」

さて、懐かしい名言が出ましたが、私、キルギスの首都ビシュケクで気になっていた「オバマカフェ」に行ってきました(体絞るとか言って、早速、食の話!)。

星条旗を思わせる青地に白星の壁紙や、オバマ元大統領のポップアート、写真などが飾られた超アメリカンなカフェ。自由の国に憧れた人が作った店だろうか、中央アジアでなんだか不思議な気分になりながら優雅な朝食タイムを楽しんだ。

 ポップな雰囲気のオバマカフェ ポップな雰囲気のオバマカフェ

 クロックムッシュを注文。フランスの朝食だけど… クロックムッシュを注文。フランスの朝食だけど…

そして、お腹がパンパンになったら街をお散歩。勝利広場にあるモニュメントの前を通ると、目に飛び込んできたのは美しいウェディングドレスだった。

「おお! 結婚式だったのかな! 素敵~♪」。その日は結婚式日和だったのか、連続で3組の新郎新婦が現れた。

花嫁たちは皆、しっかりメイクで茶髪にティアラを付けたギャルっぽい感じの花嫁もいれば、モスリムのスタイルであろうか白いスカーフで頭全体をすっぽり覆った花嫁もいた。また新郎たちは青いスーツに赤い蝶ネクタイが定番のようだが、黒いスーツにキルギス伝統の帽子カルパックを被っている新郎も印象的だった。

そして親族や友人との写真撮影が終わると、新郎新婦が空に白い鳩を放ち、祝福の拍手に包まれた。

 キルギスらしいウェディング衣装の新郎新婦 キルギスらしいウェディング衣装の新郎新婦

 勝利広場のモニュメント 勝利広場のモニュメント

キルギスの誘拐結婚の真相とは…?

 ふたりの幸せな未来を願って鳩を空に飛ばす ふたりの幸せな未来を願って鳩を空に飛ばす

そんな幸せそうな結婚シーンに見惚れていたが、実はキルギスには結婚にまつわる怖い話がある。

それは「誘拐結婚」―――。

キルギス語で「アラカチュー(奪い去る)」と呼ばれる古い慣習だが、ひと言でいうと、男性が好意を持った女性を誘拐して結婚を強要するというもの。

パターンとしては、誘拐された女性は男性の実家に連れていかれ、待ち受けていた男性側一族の年配女性に結婚を説得される。根負けした女性が結婚を了解すれば結婚成立なんだそうだ。

「ありえない! 私なら断固拒否! そんな結婚、絶対成立しないでしょ!」。日本の女性ならきっとそう思うはず。

しかし、意外にも結婚してしまう女性は多いという。その理由として、一度男性の家に入ったら純潔が失われるとか、高齢女性は敬うべきなので断れないとか、家族に恥をかかせたくないし伝統だから、ということが挙げられるそうだ。法律では1994年に禁止され、女性の同意がなければ犯罪となるが、実際には黙認されることも多いとか…。

私はキルギスに長期滞在する旅友にも何か知らないか聞いてみた。すると…、

「ああ、最近流行ってるみたいだね。この間、ある日本人がビシュケクの街中で見かけたらしいよ。無理矢理に車に詰め込むのではなく『キミのお母さんが倒れたから急いで乗りなさい!』みたいなことを言って誘い込む感じらしい。顔見知りに言われたら疑わないんだろうね。でも、連れていかれても逃げ出すコもいるみたいだよ。うちらの宿の掃除のコいるじゃん? 2年前に誘拐されて逃げてきたらしいよ

マジで…? 結構、身近なところでも起きていることにビックリした。

「昔はお見合いを避けるためのものであって、女性の同意があっての誘拐…つまり、合意の元の『駆け落ち』だったという説もあるけどね」

駆け落ちなら話は別だけど…。そうだとしたら、なぜ古い伝統が現代になって自分本位の悪しき慣習になってしまったのだろうか。

「あと、暗い中で誘拐したら人違いで違う女性を連れてきちゃったなんてこともあるらしい。誘拐した手前、男は引き下がれなくなって結婚。その後、男は酒浸りになったとか…」

と、出るわ出るわ、誘拐結婚の話。

 私なら断固拒否! ところでビシュケクにあったこのオブジェはなんだろう 私なら断固拒否! ところでビシュケクにあったこのオブジェはなんだろう

マリーシャ、誘拐結婚の危機!?

なんにせよ、首都ビシュケクで私が見たウェディングは、ハッピームードいっぱいの愛し合ったふたりって感じでよかった! そして他人の幸せを微笑ましく見届けた私はといえば、一生、花より団子!? いつもの通り、腹時計に急かされ、旅友たちと3人でランチへ。

小さなハンバーガー屋の窓際の席に腰をかけたその時、店の外に裸の包丁を持った男が見えた。ギョっとして見ていると、すぐにその男が店内に入ってきたので、私たちは身構えた。ありえない光景にこっそりカメラを向けたいとも思ったが、そんな危険なことできるわけもなく緊張で固まる、私。

「強盗? それとも無差別殺人とかだったらどうしよう!」

すると、男が一瞬ジロリと私を睨(にら)んだので、さらに妙な妄想が頭を巡った。今、この店に女は私ひとりしかいないし、先ほどの誘拐結婚の話でいえば、以前に私がひと目惚れをされていたとしてもおかしくない(よねぇ?)。

外国人が誘拐を受けることだってありえない話ではないかもしれない。

「誘拐? 結婚? なんにせよコワイ!」

しかし、男は私たちの横をスルーして、店のカウンターに包丁を突き出した。やっぱり強盗だろうか、最高潮にビビりながら一部始終を見ていたら…どうやら、その男は“包丁研ぎ”の人だったようだ!

ズコーッ(笑)! 包丁はせめて布とか巻いて持ってきてほしいよね。3人は胸をなでおろした。

 今日も生きてご飯が食べられる幸せに感謝 今日も生きてご飯が食べられる幸せに感謝

 研ぎ澄まされた包丁のおかげでハンバーガーも断面映え 研ぎ澄まされた包丁のおかげでハンバーガーも断面映え

そんなこんなでキルギスの旅も無事に最終日となり、今夜、私は深夜バスでこの地を出発する。しかし、今日はこんなこともあったし、夜の移動というのはやはり何回やっても心細いわけで。

旅仲間のひとりが元自衛官だったので、私は彼をお供にと口説き落として次の地へと向かうことにした。

 元自衛官はキルギス滞在中に壊れた斧を直し薪割り習得 元自衛官はキルギス滞在中に壊れた斧を直し薪割り習得

 サモサ屋の家族。さよならキルギス サモサ屋の家族。さよならキルギス

【This week’s BLUE】 ビシュケクの台所「オシュバザール」で買物を楽しむカワイいおじいたち

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第170回「カザフスタンでモテモテ! セルフィーの嵐に見舞われ…」

●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】