世界遺産「コジャ・アフメド・ヤサウィ廟」…って名前覚えられない!

カザフスタンのシムケントで馬肉を食べて、百万馬力になった私は今日も元気に旅に出る。

ずっと旅中とはいえ、拠点を決めた宿から日帰りのエクスカーションに出るというのは、小旅行に出かける感覚で新鮮だ。

近郊のテュルキスタン市には、世界遺産「コジャ・アフメド・ヤサウィ廟」というイスラム教の巡礼地があるというので行ってみることにした。

バスターミナルへ向かい、相変わらず英語の通じない土地で「コジャ…(ダメだ、覚えてない)、テュルキスタン?」と尋ねると、3人のオヤジは3人とも違う方向を指さした。

「イタリア人か!」と心でツッコミを入れ(イタリア人はノリで適当に質問を答える癖があるので)、オヤジたちと大爆笑。こういったことがたびたびあるので「旅中に道を尋ねる時は必ず数人に声をかける必要があるなぁ」としみじみ実感する。

無事にミニバンに乗り込み、約3時間ほど猛スピードで走ると目的地に着いた。

テュルキスタン市の街の入口

コジャ・アフメド・ヤサウィ廟に到着。巡礼者の女性はほとんど頭にスカーフを巻いていた

さすが巡礼者がたくさん訪れる聖地は道がきれいに舗装されていて、インフォーメーションセンターや公共トイレなど設備がしっかり整っている。そしてトイレ内にはシャワールームのようなスペースがあり、手足や顔、頭の洗い方の図解が掲示されていた。

お清めのやり方であろうか、こういう時に自分が今、イスラム圏にいるということを改めて感じさせられる。

お清めスペース?

お清め図解?

そして美しいバラ園を抜け、いよいよ入口の料金所に向かうと、出た!、外国人料金…

「インドか!」と、タージマハルの外国人料金が約38倍だったことを思い出したが、ここは現地人の2.5倍とお手柔らか。その料金は500テンゲで、日本円にしてたったの約170円なので、そこに不満は残らなかった。

マリーシャを探せ!モスク前にいた子供たちに混ざる

鮮やかなブルーのヤサウィ廟

コジャ・アフメド・ヤサウィ廟はなかなかの迫力で、鮮やかなブルーの美しさに私はしばらく目を奪われていた。

そして、いざ中に入ろうとすると、入口の係員にマフラーを引っ張られ、頭を指さしてクルクルという仕草。「え、何、私の頭がクルクル…ってこと!?」。初めはなんのこっちゃわからなかったのだが、女性は頭を隠すのが決まりなようで、自分のマフラーを頭に巻かされたのだ。

生地の素材、なんでもいいんだね…。正式なヒジャブではなく、ウールのマフラーを頭に巻くなんて逆にふざけているようで申し訳ない気もしたが、指示されたので仕方がない。

静電気が頬っぺたにパチパチとほとばしりイタかったけれど、私はその姿で廟の内部を見学した。撮影禁止だったのでお見せすることができないが、大広間の中心には大鍋が置かれ、他にはいくつかに分かれた薄暗い小部屋で人々がお祈りをしていた。

コジャ・アフメド・ヤサウィ廟の正面。絵になるバラ園に浮かぶイスラム建築

背面。こちらが正面かと思うほど豪華! 逆光が悔しい!

横側。青い幾何学模様がお見事!

壁を触って願い事をすると叶うんだって!

観光を終え、帰りのバスターミナルまで街を歩きながらランチできるところを探していると、「おお! あれはKFC!…と思いきや、TFC!

赤と白のストライプがかわいい、インスタ映えしそうな建物だ。残念ながら準備中だったけれど、そこで働くウズベキスタン人の美人母娘が店内から出てきてくれた。ウズベキスタンはこの次に行く予定だが、こんなかわいいコがいるなんて期待がもてるなと私は思った。

彼女もまた、はじめは頭にスカーフを巻いていたが、写真を撮るとなるとスカーフをはずし、髪を整えた。この辺りの女性にとってスカーフはマストアイテムのようだが、若いコはきっと今時のファッションのことも気にしているのだろう。

KFCじゃなくてTFCというファストフード店

ウズベキスタンガールだけど、カザフスタンではやっぱりセルフィー攻撃に遭う(笑)

中央アジア美女の条件は…

さらに街を歩いていると、今度は小学校があり子供たちでワイワイしていた。頭に大きなリボンをつけた清楚な感じの少女たちは、興味津々にこっちを見てくる。

そのうちのひとり、愛想のいいカワイイ女のコに私はメロメロ。先ほどもそうであるが、気付けばこの辺り、女子の外見がかわいくなってきているように感じるのは気のせいだろうか。

いや、あながち気のせいとも言えないのは、西へ行くほどイラン系の血が強くなっていくことで、まつ毛が長くクッキリ二重の彫りの深い顔立ちが増えている。いわゆる“日本人が思う”美人が多くなってきているのだ。

美少女と旅人

こうして目の保養はできたが、腹は満たされぬままバスターミナルに着いた。すると、そこで見つけた小さな小屋の中は飲食店だろうか、ドアを怖々開けてみると、怪しく光る蛍光灯の下に…

「で、で、出たー!」

そこに現れたのは、オバ……オバちゃん! 眉毛のつながったオバちゃんだった! うっすらながら一本につながっている。

一瞬驚いたが、実はこの「つながり眉毛」は中央アジアでは「美人の条件」とされていて、一部の女性は眉間をハーブの染料でメイクしているのだ。(メキシコの女性画家「フリーダ・カーロ」もかなり主張の強いつながり眉毛であったが、あれもそうなの?)

話には聞いたことがあったけれど、実際に見るとなかなかユニークである。日本だったら、「両さんか!(『こち亀』の両津勘吉)」と言われてしまいそうだけど、所変わればこれが美の象徴。

もしアムロちゃんがやってたら、日本でも「つながり眉毛」ブーム起きてたかな?

つながり眉毛のおばちゃん

やっとありついたごはんはプロフと、白い塊はクルットという乾燥チーズ

【This week’s BLUE】綿密な幾何学模様や青いタイルの美しいドーム

旅人マリーシャの世界一周紀行:第172回「恥ずかしい画像はクラウドに!? 大金を隠しきれなくなってウズウズ~」

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】