脳トレジム「ブレインフィットネス(R)」って何するの? 広報の森下愛子さんに聞いた!

集中力が落ちてきた、人の名前が出てこない、ストレスがたまる、うっかりミスが増えた――。

アラフォーともなるとこんな悩みも珍しくないだろう。これらは脳が加齢とともに萎縮し、認知機能が低下していくせいだというが、脳はこのまま衰えていくばかりなのだろうか? 解消するための方法はないのか?

そんな悩める40代の目に留まったのが、東京・恵比寿に昨年オープンした「ブレインフィットネス(R)」。脳の健康をケアしてくれる日本有数の「脳トレーニングジム」だという。一体、どんなことをするのか。またどれだけの効果が見込めるのか? 体験取材してきた。

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お話を伺ったのは、広報の森下愛子さん。白を基調としたジム内にはPCが置かれたテーブルとエクササイズ用のバイクが1台、そしてマットが1枚。なんともシンプルな空間だ。

―そもそも、こちら「ブレインフィットネス(R)」はどのようなことをするジムなんですか? 

「簡単にいうと、脳の健康に良い生活習慣を会得するジムですね」

―脳の健康にいい生活習慣、ですか? 

「はい。元々、ここは中高年の方を対象に認知症予防を目的とした脳トレーニングジムなんです。認知症の発症は突然ではなく、その原因物質とされるアミロイドβは発症20~30年前から脳内蓄積が始まるといわれ、早い人は40代から始まります。

しかし認知症は根本的な治療薬がないため、脳の健康を維持し、予防することが大事。そのためには生活習慣を見直し、改善することは欠かせません。現在はその総合指導を行なっています」

―なるほど。そういえば自分も最近、物忘れとかひどくなったような。話していても固有名詞が出てこなかったり、直前まで何をしていたか思い出せなかったり…とほほほ。脳の健康については気になるところですが、具体的には何を? 

「脳を鍛えるトレーニング、脳を休めるトレーニングをはじめ、脳のための正しい食事や質の良い睡眠を摂るためのレクチャー、あとは筋トレなどの運動に関する実践的な指導までを行なっています」

脳トレジムのシンプルな空間。ここでどんなトレーニングを?

―脳を鍛えるトレーニングというと、どんなことをするんですか? 

『ブレインエクササイズ』、いわゆる脳トレゲームですね。使用するゲームはワーキングメモリー(作業記憶)を鍛えるなどいろいろな種類があるんですが、中でもエビデンス(証拠)のあるものを独自に選定して使用しています。脳トレ中、専用のデバイスでゲーム中の脳血流を測定し、そのデータを参考にお客様に最適なゲームをオススメすることもありますね。

またトレーニングには『デュアルタスク』と呼ぶものもあります。これはランニングマシンやバイクマシンなどで有酸素運動をしながら脳トレや脳知識のレクチャーを受けるもの。

人間の脳は加齢に応じ、ふたつ以上のことを同時に行なうのが難しくなってくる。TVを観ながら家事ができなくなるとか。デュアルタスクによってふたつのことを同時に行なうのは、認知機能の維持に有効だといわれています」

有酸素運動と脳トレを同時に行なう「デュアルタスク」

有酸素運動と脳トレを同時に行なう「デュアルタスク」(体験レポートは次週)

―なるほど。さらに脳を休めるためにもトレーニングが必要なんですか? ただボーッとするのは得意なんですけど(笑)。

「ボーッとするだけでは脳は完全休息できません(苦笑)。特にストレスを抱えることの多い現代社会では、脳の疲労をとることは決して容易ではありません。ここではストレスケアに有効とされる『マインドフルネス瞑想』により、脳の休息を図ります。マインドフルネス瞑想中に脳波を測定することで可視化し、脳の休息状態も確認できます」

―さらに筋トレもするんですか!? 脳とは関係がない気もするんですが…まぁ、できれば避けたいというか(笑)。

「意外に思われるかもしれませんが、筋肉を鍛えることによって、脳細胞の発生や成長に不可欠なタンパク質が増えると言われており、脳の健康には欠かせません。筋トレといっても簡単に続けられることばかりですから、安心してください(笑)」

―ほっ(安心)。食事や睡眠は脳に大切だとよく聞きますね。

「食事に関しては、生活習慣病予防の観点と認知機能維持の観点の両面からレクチャーしています。それも難しい内容ではなく、毎回の食事にビタミンB群を摂りましょうとか、ポリフェノールの効果についてとか、日常生活に取り入れやすいものが多いですね。またご自身の食事を写メールで送っていただいて、アドバイスも随時行なっています。

あとは睡眠。人間の脳は独自に老廃物を除去するシステムがあることが近年わかってきて、睡眠中は起きている時の10倍以上、活性化すると言われているんです。それもあって睡眠は認知機能維持にはより重要となってきています。そこで照明や入浴など、質の高い睡眠にするための細かなアドバイスに加え、睡眠日誌を用いて指導なども行なっています。これらはすべて専門的な研修を受けたトレーナーがついて、個別に指導させていただきます」

―特に食事や睡眠は不規則になりがちですから、個別にアドバイスをもらえると続けようって気になりますね。最近、ライザップのようなフィットネスジムでもパーソナルトレーニングが流行っていますが、その脳版というイメージですか?

「まさにその通りです。ただ通常のフィットネスと違うのは、決められた期間内で成果にコミットするということではなく、あくまで生活習慣を会得していただき、一生かけて結果を出していただこうと。脳の健康に期限はありませんからね」

後編では、日頃の不摂生を気にするアラフォー記者がストレスチェックや脳トレなどブレインフィットネス(R)のメニューを体験! 果たしてどんな結果が出るのかーー?

■ブレインフィットネス https://brain-fitness.jp/

(取材・文/大野智己 撮影/山下隼)