加齢とともに萎縮し、認知機能が低下していく脳機能。早い人では40代から認知症の原因物質が蓄積するという。
そこで脳の健康をケアし、認知症を予防するための日本有数の脳トレーニングジムが「ブレインフィットネス(R)」だ。
前編ではジムのコンセプトやトレーニング内容について紹介したが、今回はいよいよブレインフィットネス(R)のプログラムに編集部スタッフが挑戦!
体験者はサワサト。独身。コンビニ飯大好き。喫煙&飲酒習慣有り、睡眠は不規則。最近、太ってお気に入りのシャツが着れなくなったことが悩みのアラフォー男だ。ご指導いただくのは荒井愛さん。クールな顔立ちの美人トレーナーさんだ。
まずはストレスチェックから。PCに接続したセンサーに指を入れ、ストレス指数を計測する。
「俺、大丈夫っすかね……」
日頃の不摂生を後悔し、弱気のサワサト。どんな数値が出るか。 …すると、ストレス点数は「35」。荒井さんによれば、ストレスの高低は50が基準だそうだが、これは、低い!
「身体的ストレス、精神的ストレスとも低い状態にあります。またストレス対処能力も高い。うん。とてもいい数値ですよ。ただし、他の数値を見ていると、疲労度は高いようなので病気などには気をつけたほうがいいですね」
荒井さんの優しい言葉に、思わず笑顔のサワサト。 「確かにストレスはないかもしれませんね。俺、何かあっても、気にしてもしょうがないって思っちゃうタイプなんで」
要するに鈍感ってことか? …これは人選を誤ったか(笑)。 本人以外、やや拍子抜けする中、気を取り直し次は脳トレへ。今回、挑戦するのは『Nバック』という脳トレゲーム。
「これは画面上に連続して表示された図形の中から、指定された図形の数を数え、その前や2画面前、3画面前が何コだったかを答えるゲームです。作業記憶と呼ばれるワーキングメモリーを鍛えます。打ち合わせで参加者の発言を聞き、一時的に記憶しながら自分の発言を考えたり、ノートをとる類(たぐい)の能力が鍛えられます」
そのゲーム単独ではなく、デュアルタスクとして行なうことに。知的刺激と有酸素運動を並行することで脳機能もアップ。バイクでクイクイとペダルを漕ぎながら、早速、ゲーム開始だ。
マインドフルネスで脳活動を計測すると…
ストレスチェックで褒(ほ)められたからか、心なしか自信の表情を浮かべるサワサト。 連続して登場する十字のマーク、2画面前の数を数えていく。なんだか難しそう。
「8……4……2……」
あれれれ。なんだか結構、順調のような。ペダルを漕ぐ足も決して止まらない。
「5……8……6……」
まだ続いてる! 「ブーッッ!!」「あー!!」 。ミスとなってストップしたが、意外と成績は良さそう。
「なかなか、いい成績ですよ。図形を数えるのが早いですね。バイクの足も止まらなかったし、優秀です」
またしても! 荒井さんの言葉に再度、頬を緩めるサワサト。
「難易度が上がるにつれ、脳にストレスがかかり、バイクの足が止まることはありますが、このゲームはやればやるほどできるようになっていきます」
「確かに脳が鍛えられてる実感がありました。続けると記憶力も良くなる気がしますね」(サワサト)
続いてのプログラムは、巷(ちまた)でもここ最近話題のマインドフルネス瞑想。これは思考をせず、今この瞬間に意識を集中させるトレーニング。ストレスを排除し、脳を休息させることに効果的とか。いくつか種類がある中から、今回は呼吸に意識を向けた瞑想をやってみることに。
あぐらをかいて背筋を伸ばし、頭に専用のデバイスを装着。脳波を図り、マインドフル瞑想中の脳活動の変化を見る。サワサトはなんとなく怪訝(けげん)そうな表情だが…。
「それではご自身の呼吸だけに意識を集中してください。吸って。吐いて。吸って。吐いて…。お腹が膨らんだとか、空気が入った、出て行ったでも構いません。意識が呼吸から逸れたら、また呼吸に戻ってください。目をつぶっても構いません。それではいきますよ」
瞑想時間は3分間。静かな音で音楽がうっすらと流れる。サワサトは目をつぶって、じっと呼吸に集中している。
意識に霞がかかったような状態を解消!
リリリリ……。タイマーの音が鳴って瞑想は終了。まぶたを開けるサワサト。あれれ、またもや自信ありそうな表情だ。
「最初だけ一瞬、意識が逸れましたけど、全体的にうまく集中できた気がします。ひたすら吸って、吐いてを意識していました」
早速、タブレットで脳波を見ることに。すると――。
「下の色の濃い部分ほど脳波が集中状態にあることを示しているんですが、初めてにしては大変いいと思います!」
おーっ、またもや!
「脳が疲れていたり、ストレスの多い人は脳波線が大きく波打つんですが平均して安定していますし、濃い部分の滞在時間が長い。かなり集中ができていたんだと思いますね」
マインドフルネス瞑想を続け、脳を休めるトレーニングを行なうことでストレスや集中力の低下、ブレインフォグ(頭に霞がかかったような状態になること)を解消し、脳機能を取り戻すことも可能になるとか。
* * *
タブレットなど最先端のデバイスを使いながら、楽しくできるように工夫がされ、しかも脳活動が可視化されるためやりがいも感じやすい。回数を重ねて、生活習慣化すれば脳の健康に効果が期待できそう。
近々、主に30~40代のビジネスマンを対象に、脳を休めるトレーニングを中心とした新プログラムもスタートするとか。体を鍛えるためのフィットネスジムもいいが、これからは同時に脳を鍛え、休ませながらさらなる健康を求めていってはどうだろうか。
■ブレインフィットネス https://brain-fitness.jp/
(取材・文/大野智己 撮影/山下隼)