仕事に疲れた老若男女から、健康志向の意識高い系まで支持層が広がるサウナ。マニアック検索で話題のサウナ検索サイト『サウナイキタイ』には全国4420件もの施設が登録されているが、その中でもおススメは?
第1回&第2回に続き、週6回サウナ通いの強者もいる『サウナイキタイ』制作メンバーを週プレ読モ・ミウラ(26歳)が直撃。メンバーがハマった全国の“最高にととのう”サウナから、設備やサービスが個性的な施設まで教えてもらった。
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―では、皆さんのおすすめサウナを教えてください。
ゆかり 宮前平(神奈川県川崎市)の「湯けむりの庄」というスーパー銭湯。そこはアロマ水をサウナストーンにかけて蒸気を発生させるロウリュのサービスが女性にもある。水風呂も冷たくて気持ちいいのと、外気浴が好きなので外で休むスペースが充実しているのもいいですね。女性施設でロウリュしてタオルで仰ぐサービスは限られているんです。
ひぎつね 実は昨日、熊本の「湯らっくす」に行ってて、めっちゃととのっちゃって(笑)。『サウナイキタイマガジン』でも1回特集してますけど、“課長島耕作が有給休暇をとって行きたいサウナ”というコンセプトがはっきりしてて、すごい良かったです。
15℃の深い水風呂があって、熊本の天然水かけ流しで半外のような感じなんですよ。すぐ露天風呂とつながってて脇にイスが6コあって、そこに恍惚の表情をしたおっさんたちの屍(しかばね)が。そのひとつになってきました(笑)。
―きれいな施設ですね。行きたいなぁ~。
ひぎつね 元々、施設が古かったんですが、地震で結構壊れちゃって、昨年リニューアルしてきれいになって。
あり 僕は「神戸サウナ&スパ」がめっちゃ好きです。すごい総合力が高い。ふたつのサウナ室のレベルも高く温度もアツアツで、ひとつはフィンランド式でセルフロウリュ、熱したサウナストーンに水をかけて湿度も調整できる。TVなく、外が結構見えるんですよ。すごいリラックスできる。温度の違う水風呂がふたつ、しかも中と外にある。
―外水風呂いいですね!
あり なかなかないですよね。外気浴スペースがあって外でも休めるし、しかもハマムっていう岩盤浴スペースが浴室ゾーンにもあって、そこでも休めるし、なんかすげえなと。
施設は一大ビルになってて、メシもうまいし、マンガもあるし、泊まれるし、なんならジムとかもちょっとお金払えば行けるし、24時間営業で館内着とかも使い放題なので、本当に最高でずっと住みたいなと。神戸サウナは全国トップクラス。
極楽体験に昭和っぽさも…
かぼちゃ 僕らふたりは関西出身なので、年末は神戸サウナで会って開発合宿も兼ねて3泊しました(笑)。僕が大好きな施設は埼玉県草加市にある「湯の泉 草加健康センター」です。
何がいいかというと、サウナ室と水風呂が外にあるんです。サウナの温度がすごい高くて汗が出やすく、サウナから出たらすぐ水風呂でその場で休憩できるという導線もいい。サウナのマットが使い放題な上に元々敷いてるマットも何回も交換しにきたり、すごい清潔です。
浴室に薬湯があって、それ入ってからサウナに入るとより刺激的なサウナが体験できる。ピリピリする薬湯で、あんま長く入りすぎるとサウナ室でやけどしたような感覚になるからバランスは難しいんですけど、とても良い。
昔ながらの施設なので食堂ではカラオケ大会やビンゴ大会とかもあって、土日は地元のじいさんばあさんたちがワイワイやっている雰囲気も大好きです。ごはんもうまいので、メシ食って気づいたら1日が終わっていたという。そんな施設です。草加以外にも湯の泉グループの施設は「相模健康センター」「東名厚木健康センター」とあり、どこも最高です。
―結構、一点特化型ではなく総合力が前提になっている気が。他にも気になる施設はありますか?
あり サイトではサウナの温度は120℃まで検索できますが、実は160℃も存在する。厳密にいうとサウナかわかんないですけど、日本古来の石風呂で「から風呂」っていうのが香川県さぬき市にあって、それは裸ではなく服着てないと熱くて入れない。
―わー、死んじゃう…。
あり 水風呂が一番冷たいところだと、名古屋に最近できた「ウェルビー栄」の2℃。フィンランド北部のラップランドのサウナ文化を日本に伝えたいというアツい施設で。凍った湖に穴を空けて飛び込むんですけど、それを日本に…。まだ入ってないんですけど、聞くところによると10秒くらいがマックスだと…。
かぼちゃ カルチャーショックが強かったのが大阪にある「スパプラザ」。あかすりマッサージとサウナがコースになってて、料金は8500円~。サウナに入ってると番号を呼ばれて、座ってあかすりをして全身洗ってもらって、そのままマッサージの極楽体験。
終わったらガウン着せてもらって、食堂に通されてそこに板前さんとかがいて…。吸い放題のたばこが置かれてたり、昭和っぽいというか、なんだこれ?と。
まさに“茶道(サ道)”!
―貴族の気分になれそうですね。
あり さっきの「ウェルビー栄」と同じ系列で「ウェルビー今池」が名古屋にあるんですけど、そこはまた「からふろ」という特殊なサウナがある。ひとりほどしか入れない空間で、畳が敷いてるんですよ。まるで茶室のようなスペースにサウナストーンが置いてあって、入り口も狭く光も入らない暗い空間にひとりでお茶を入れるような感じで正座するという。
―まさに“茶道(サ道)”みたいな! 興味深いです。では最後に今後の展望を教えてください!
あり どこのサウナに行ったかをログできるような機能を作りたい。いろんなサウナに行ったから偉いということはないんですけど、水質にこだわるなら、外気浴だったら…といろいろ違いを楽しみたくなる。となると、どこに行ったのかちゃんと記録できるような機能をがほしい。自分用にもいいし、他の人に公開しても参考になる。
―レビューがないのはポイントかなと思ったんですが。
あり そうですね。サウナの好きなポイントは人それぞれなので、ひとりがつけたレビューがそのままそのサウナ施設の評価になったりするのは違うかなと。あくまで自分で好きなポイントを探してほしい。あとは自分のよく行く近くのサウナのレビューが低かったらイヤじゃないですか。そこはかぼちゃさんと最初に言ってたことですね。
かぼちゃ 今ってサウナはあるけど力を入れてない施設もあるんですよ。『サウナイキタイ』がもっと盛り上って施設側にもサウナ好きがこんなにいるんだということが伝わり、サウナに入る環境が良くなればいいなと思ってます。
その次にサウナ文化が広がっていって、もっと増えたらいいなというのがあります。日本にはあまりないプライベートサウナも増えるといいなあ。そのためには、サウナ好きだけでなく『サウナイキタイ』きっかけでこれからサウナに行ってみようと思う人をもっと増やしたいですね。
―ありがとうございました! 皆さんの情熱と予想以上に筋金入りのサウナーぶりに刺激を受けました!
かぼちゃ 次はサウナで会いましょう(笑)!
(取材/ミウラヨシタカ[ビーワークス] 写真提供/サウナイキタイ)
■サウナイキタイ https://sauna-ikitai.com/