どんな病気でも、かかる前に予防するのが最もいい方法。それなのに健康診断となると、つい足が重くなってしまう。 しかし、最近の健康診断は手軽で安くなっているのだ! 前編に続き、そんな最新の健康診断事情を紹介する。
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遺伝子の検査により、病気のかかりやすさや体質といった“遺伝的傾向”を知ることができるのがDeNAライフサイエンスの「マイコード」。唾液から抽出した遺伝子を解析すると「がん」「心筋梗塞」「脳梗塞」「長生き」「肥満」など、最大280もの項目が検査できる。検査の対象年齢は20歳以上だ。
さらに検査キットには精子の状態をチェックできるものもある。それがリクルートホールディングスの「Seem」だ。まずは自分で精液を採取。キットに付属する「スマホ顕微鏡レンズ」や「専用アプリ」を使って、精子の濃度や運動率などの状態を確認することができる。不妊などに悩む人向けのキットだ。
同様のものはテンガから「テンガメンズルーペ」が販売されている。キットには光学約550倍レンズやスポイトが同梱され、スマホ(機種問わず)のカメラで精子の数や動きを観察。精子の状態は体調によって変化するため、どちらも複数回の確認が必要だ。
検査キットは、「痛い」とか「恥ずかしい」など、ためらうような検査でも自分で行なえることにメリットがある。あくまでもハードルの低い検診の入り口として利用するのがいいだろう。
とにかく安いワンコイン検診
■とにかく安いワンコイン検診
また、検診が簡単に受けられるサービスには、通称「ワンコイン検診」と呼ばれるものもある。最も気になる1項目を検査するだけなら、たったの500円程度だ。
そんなサービスのひとつ、ケアプロが運営する「セルフ健康チェック」に足を運んでみた。こちらも1コース500円だが、「せっかく来たんだから」ということで、骨チェック、肺年齢、体内年齢、血管年齢がまとめて受けられるセットコース2500円(税抜)を選択。最初に簡単な問診表に記入すると、さっそく検査開始だ。
まず血管年齢は、大きめのクリップのついた小型の機械で測定。方法は簡単。左手の人さし指の先にクリップを挟むだけ。まったく痛みもなく、2分ほどで終了。続いて肺年齢測定へ。こちらはトイレットペーパーをひと回り小さくしたような筒状の機械に、思い切り吸った息を、機械がピーと鳴るまで吐き切る。時間にして6秒ほど。これもアッという間だ。 続く体内年齢も、体重計のような機械にのるだけで終了。
骨チェックは、素足になった右足を、さっきとは別の小型の体重計のようなものにのせて測定。これも時間にして2分ぐらい。 すべての結果を受け、説明やアドバイスを聞いたが、それを含めても全部で15分程度。ちなみに現在42歳の筆者の検査結果は、血管年齢47歳、肺年齢54歳、体内年齢47歳、骨チェックは正常範囲内だった。
決して普段から健康に気を配っているわけではなく、自分から健診へ行くことはないが、やはり、このような具体的な数字を見せられると気が引き締まり、生活習慣の改善意識も高まる。その意味でも定期的に検診を受けることは重要だ。
(取材・文/井出尚志[リーゼント] 鈴木晴美)