ルーマニアの第2都市ヤシのランドマーク、ネオゴシック様式の文化宮殿

皆さん、こんにちは。今年も早いもので、気付いたらもう年末ですね。

さて、モルドバのバスターミナルで最後にバナナを買った私は、モルドバ通貨をキレイに消化し気持ちが良い。世界最大級のワイナリーを拝めずにこの地を去るのは悔やまれるが、またいつか来ればいいや。立ち止まってる時間はない。

事前に手配していたフライトがあるため、私はミニバスに乗り込みルーマニアへ向かった。ルーマニアの首都ブカレストは、旅人の中では治安が悪いことで有名だ。

主な犯罪は、ぼったくりタクシー、列車駅周辺やバスターミナルでのスリ、偽警官(闇両替を取り締まるフリをした手口)、睡眠薬強盗、そして野良犬。マフィアや殺人などの凶悪犯罪ではないが、旅人がターゲットとなる身近な犯罪なので、被害に遭う率は高く地味にタチが悪い。

私の旅友(日本人女子)はバスに預けたバックパックが盗まれほぼ全部の荷物を失い、バックパッカーからウエストポーチャーになったと嘆いていた。

「でも、全部失って心機一転の気持ちで旅が再スタートできるなら、それもアリかも」

と、すぐに気持ちを切り替えていた彼女のポジティブさはとても旅人らしい。私も今年の旅で一番の事件はアルメニアで財布を盗まれたこと。カード類も全部なくなり落ち込んだが、確かにその後は開き直って気楽に旅を続けている。

もう、失うものは何もない(多分。いや、カメラとかあるけど、でも)」

まあとにかくそんな旅のトラウマもあり、ルーマニアは私も警戒している国だったのだけど、ビビりながらも気楽な気持ちで行くことにした。

キシナウからヤシ。Lasiと書いてヤシと読むルーマニアへ向かうバスの車窓

向かったのは悪名高い首都ブカレストではなく、第2の都市ヤシ。次のフライトまで滞在時間のリミットは4時間だ。見所はあまりなく、文化宮殿以外は教会か博物館がポツポツとあるくらいで、観光には向いていないが、まぁいいだろう。

私がここへ向かう理由は、せっかくモルドバの隣だからちょっと立ち寄ってみたかっただけ。大して興味もない国にだって行くこともある。行ってから好きになることもあるし、それも旅。だって未知だし。

マクドナルドを発見。知ってる店を見つけるとちょっと安心
ヤシのバスターミナルに到着すると、ミニバスの運転手が文化宮殿まで乗せて行ってくれるという。他の乗客は全員降りているので、バスの運転手とふたりきりになるのは不安だったが、タクシーで行っても同じこと。

現地通貨を持ち合わせておらず無一文状態の私は、後でお金を請求されないかだけ確認して、ありがたく好意を受けることにした。ひとりでバスを貸切りというVIP待遇ではあるが、緊張感を持ちながら無事に文化宮殿に到着。運転手が良い人で良かった。

無事であることと、親切な運転手へ感謝して深々と礼をした。そしてこの街自慢の文化宮殿の美しい佇まいにしばし癒されたが、中をのぞくと博物館や図書館などが入っていて、あまり興味を引かれずすぐに退散。

バスの車窓。目的地までの道のりは殺風景であり、たまにチラホラと教会があるくらいヤシのランドマーク、ネオゴシック様式の「文化宮殿」文化宮殿の内部

それよりもお腹が減ってしかたがないので、宮殿の隣にあるショッピングモールへ駆け込むと、中にはスタバもH&Mもあり、とても都会的な空間だった。冒険や刺激にワクワクする一方で、都会的な便利さに安心感を抱いてしまう。

旅をしているとよく僻地やワイルドな地が好きだろうと言われるのだが、どちらかと言えば、私はやはりリゾートや都会の方が好きである。

ホッとした私は20米ドルだけ両替して、ルーマニア料理のサルマーレにかぶりつき、束の間のリラックスタイムを楽しんだ。

ショッピングモール「パラス・ヤシ」

ルーマニア・レウルーマニア料理の店「Casa Traditiei」ルーマニアの定番料理サルマーレ(ロールキャベツ)

そうこうするうちに、あっという間にタイムリミット。もう空港へ向かわなければいけない。しかし、空港までの交通手段がタクシーしかない。ぼったくりやタクシー強盗などを想像し再びストレスを感じる場面であるが、モールを出てタクシーに値段を聞くとあっさり適正価格。

そして森の中のようなところを走る道のりにこれまたビクビクしたが何事もなく、タクシーは良心的でメーター価格よりもちょっとオマケをしてくれた。

ムルツメスク!(ルーマニア語でありがとう。ぼったくりやタクシー強盗を疑ってゴメンネ!)」

ヤシの空港
結局ルーマニアへの不安は杞憂に終わり、もっと街を歩いてみたかったという気持ちが残った。ヤシという街が穏やかだったこともあるが、ルーマニアは近年犯罪件数が減少しているらしいので、首都のブカレストにもいつか行ってみたいと思う。

つかの間のルーマニアの旅、一見地味に見えるだろうけど、私の中ではドキドキを体感した時間。スリルを楽しんだという意味ではなく、未知の国の扉を開けたことで、新たな好奇心や興味が生まれたということだ。

未知との遭遇は勇気が必要だったり時にはリスクもあるけれど、一歩踏み出すことで、想像すらできなかった実感や感動にめぐり合う。そしてそんな刺激的な体験をした後は、体の奥底から「生きてる」と実感するのだ。

こうして今年の旅をあらためて振り返ってみると、中央アジアや中東など旅人でもなかなか訪れない緊張感のあるエリアをたくさん周り、「生きてる」ことを実感した1年。

今日、空港まで無事にたどり着いた"生きてる"体には、ビールがとってもよくしみた。ああ、ウマイ!

刺激的な旅の日常に、こうして無事に「生きてる」ことへの安堵と感謝を込めて。今年も1年、ご愛読ありがとうございました。メリークリスマス! アンダ、ハッピーニューイヤー! 来年も世界のどこかで会いましょう!

残りの小銭を使い切るためにビール。ここでも小銭をオマケしてもらった

【This week's BLUE】
パラス・ヤシでフローズンコーヒーに舌鼓。この国の名物でもなんでもないけど、飲みたかっただけ。

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第212回「世界をバズらせた『フロスダンス』を旅人が踊ってみたら」

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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