カターラ・カルチュラル・ヴィレッジにて。穴の空いた塔は鳩の巣だとか
お久しぶりです。旅人マリーシャです。

2014年に始めたこの旅も、早いもので訪問国数は120を超えました。この6年弱、がむしゃらに旅してきたけど、世界にはまだまだ残り70ヵ国以上も! これからは焦らずゆっくり旅したいなー。

ということで、今回からお送りする旅はちょいと季節外れになるけれど、今年の夏の話。目的地は、ずっと行きたかったスペイン北部のサンセバスチャン

日本からスペインに行くなら中国系航空を利用するのが最安値だけれど、今回はカタール航空でドーハ経由。なぜなら、お得な「トランジットツアー」に参加できるから!

約2時間半でドーハ市内の名所を巡るこのツアー。以前は無料だったそうだが、2018年から40QAR(約1200円)になり、現在は75QAR(約2250円)。有料化は残念だけど、それでもリーズナブルだし、ツアー本数の増加や事前予約ができるようになったのはありがたいか。

カタールといえば、世界最大の天然ガス生産国であることや、「ドーハの悲劇」、そして2022年開催予定サッカーワールドカップなどで知られている。

首都ドーハは観光娯楽が少ないため、"世界一退屈な街"なんて言われちゃってるけど、旅人はやっぱり、「中東ってやっぱりまだまだ未知の国って感じでワクワクする!」のである。

ハマド国際空港、Discover Qatar Transit ツアーデスク

今回、トランジット時間は22時間! 1日6回のツアーが開催される中、私は午前10:30の回を選んだ。

参加者は30人くらいだろうか。バスに乗り込むと流暢な英語でガイドが始まり、車窓には整備された道路や高層ビルが現れた。しかし、人はほぼ歩いていない。外の気温は40度以上あるのだから、そりゃそうだ、暑すぎる。

まず到着したのは「スーク・ワキーフ」。ドーハの伝統市場で、小さなお店がひしめき合う迷路のような路地には、デーツ(ナツメヤシ)やナッツ、香辛料、香水、衣料品、お土産などが売られている。

ドーハの伝統市場「スーク・ワキーフ」

アラブっぽいラクダや『アラジンと魔法のランプ』のような雑貨

働いているのはどうやら外国人。カタールは秋田県くらいの小さな国で人口は約264万人。そのうち現地人は約1割程度で、9割はインド、パキスタン、フィリピン、ネパールなどからの出稼ぎ労働者なのだそう。

それにしても、この暑さでほとんど人の気配がない。無人の広場にはお金持ち国を象徴するような、ゴールドの大きい親指の像がギラギラと光っていたが、その像に私はひとり寂しく「イイネ!」した。

ドーハのゴールドフィンガーに「イイネ!」

顔のタイプや服装から店員は外国人労働者で、お客は現地人ぽいと想像できる

店頭に貼られたステッカーはタミーム首長で、みんな彼が大好きなんだって!

このおじちゃんは服装からしてカタール人っぽい

次に向かったのは「イスラム美術館」......が遠~くに見える港。

「外観を見るだけかぁ」と思ったけれど、侮るなかれ、建築はルーヴル美術館のガラスのピラミッドを手がけた有名建築家の設計だそう。館内には世界でも有数のイスラムアートのコレクションがあるらしいから、いつか見てみたい。

港から見えるイスラム美術館

続いて「カターラ・カルチュラル・ヴィレッジ」は、カタールの芸術と伝統を発信する巨大文化村。レストランや美術館、ショーなどを通してカタールの文化に触れることができる。残念ながら、ツアーではトイレ休憩に寄っただけだったけど(笑)。

ジブリ映画に出てきそうなたくさんの穴の空いた鳩の巣の塔や、ウズベキスタンでも見たような、美しい青いタイルの建築物は外見だけでもインパクトある。

ジブリ映画に出てきそうな穴の空いた2本の塔は鳩の巣がモチーフ

カタールの芸術と伝統を称える「カターラ・カルチュラル・ヴィレッジ」

そして最後に立ち寄ったのは人工島「ザ・パール」。高級住宅街、宝石やブランド品店のショッピングモール、エンタメ施設、5つ星ホテルなどがある超高級リゾート地区だ。

日本にも多数出店するフランスのパン屋、PAULのアラビア語表記が気になるくらいで長居は無用。暑さで限界のツアー客たちはバスの中で伸びていた。

人工島「ザ・パール」

ザ・パールにあるポール

ツアーの感想としては、見所をひととおり周れるのはナイスだけれど、観光としての街は噂通りかも......。夜のほうが人も出てきたり、街がライトアップされてきれいだったかもしれないな。

そんなことを思いながら車窓を眺めていると、珍しい道路標識を見つけた。それは民族衣装のカンドゥーラを着た男性が横断歩道を渡るシルエット画だった。なんてイスラム圏らしいのだろう。

ほかにも「アバヤ」を着た女性版や、砂漠にはラクダが描かれた「ラクダ注意警告」、学校の近くではカンドゥーラ姿の親子が手をつなぐ絵柄もあるようだ。中東独特なものってやっぱり面白い。

カンドゥーラ姿の道路標識。左奥のアラビア語の標識は「Give way」って意味

ツアーから戻り空港のイスで休んでいると、目の前のテレビには料理番組が流れていた。

アバヤ姿の女性ふたりが、ヨーグルトにゼリーや果物を乗せた素朴なデザートを作る様子をカンドゥーラ姿の男性ふたりが見ながら全員で会話をしている。

キッチンで民族衣装なのも、4人がかりでシンプルすぎるデザート作りに取り組む様子もなんだかシュールに感じたが、もしかして料理番組じゃない?

カタールの料理番組は民族衣装でなんだかシュール

しばらくして、ふとまたテレビを見上げると今度はアニメが流れていた。すると、

「ん? 今のドンチャック? 小公女セーラ? みつばちハッチ!?」

一瞬の出来事であったが、イスラムの民族衣装を着たキャラたちが家族団らんしながら見るテレビに、日本の懐かしいアニメが次々と映しだされ、目が釘付けに。この国でもまた、日本のアニメは人気があるようだ。

イスラムの民族衣装のキャラクターが『みつばちハッチ』を見ている!

手を振って一瞬で消えてったけど、これは絶対にドンチャック!

テレビ番組がなんだか新鮮でおもしろいので、このまま見続けていたかったが、眠さ限界。

フライトまでまだ12時間もある。ハマド空港にはしっかりとした仮眠室があると聞いていたのでウキウキしながらそこへ向かい、少し背もたれの倒れたイスに身を委ねてみたものの、残念なことにチビな私の身体に合わないという不運。がーん。

結局、いつもの旅人スタイルで、部屋の端っこの床で寝ることにした。

「ああ、こんなとこイケメンにみられませんように」

スヤァ......。

ハマド空港の仮眠室はしっかりしてます

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第247回「何ここ、天国? スペイン女子の素敵すぎるひとり暮らし」

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】
女子2人組ユニット「地球ワクワク探検隊」としても活動。Youtube配信や国内外各地のPR活動、旅先のお酒やお話を提供するイベント「旅するスナック」を月2回、東京・虎ノ門で開催。
【https://www.youtube.com/channel/UCJnaZGs8hyfttN9Q2HtVJdg】

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