"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマはテスラの電気自動車(EV)「サイバートラック」。前編では、すでに予約したという堀江氏が、「サイバートラックの試乗を最速でYouTubeで配信するため」「ロケットの開発現場で部品とかの運搬に使う。馬力もあるし、荷物の積み降ろしも便利そう」と、その理由を語った。
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ひろ テスラ的には大成功だと思います。広告や宣伝をしないで、20万台も車が売れるとか効率が良すぎますよ。んで、プロモーションといえばあの発表会での事件ですよね。
ホリ 強化ガラスとポリマーを合わせた構造の「アーマーグラス」の頑丈さを実演しようとして、記者が集まる発表会で窓に向かって鉄球を投げたら端から端までヒビが入った(笑)。んで、仕切り直しで後部座席の窓にもう一度ぶつけたら、またヒビが入った(笑)。
ひろ あれで株価が落ちたって話ですけど、予約が20万台入ったんですから、それはそれですごいですよね......。
ホリ でも、あらためて思うけど、アメリカ人ってピックアップトラックが好きだよな。
ひろ 日本だと個人用でトラックを買うとかなかなかないですけど、アメリカって個人でピックアップトラックを買うのが当たり前の国ですよね。年間に250万台ぐらい売れているようです。日本国内の新車販売数が年間500万台くらいなので、単純に比較すると日本人の半分がピックアップトラックを持っている感覚ですよね。
ホリ アメリカの映画やドラマでも郊外のシーンになるとだいたい出てくるからね。
ひろ なので、テスラのサイバートラックはアメリカでは成功すると思ってますけど、ほかの国は厳しいのかなと思っています。
ホリ でも、このモデルはアメリカで成功すればとりあえずいいのでは?
ひろ そうですね。サイバートラックを買った人は、テスラから発売されている家庭でも使える蓄電池設備をつけることになるんで、その後もテスラの車を買う確率は高くなりますし。
ホリ しかも、テスラからすればEVだからエンジンの技術も必要ない。つまり開発コストが少ない。
ひろ ただ、日本の場合って、電圧が100Vと低いので、普通の家庭だと「充電時間がアメリカやヨーロッパの倍かかる問題」があるんですよ。テスラのフル充電を家庭の電源でやると12時間以上かかるので、22時に帰ってきて8時に出勤とかだとフル充電できない。なので、EVが普及する20年後ぐらいには電圧を上げないと厳しいんじゃないですかね。
ホリ 電圧を高くできる家庭用の充電設備もあるでしょ。
ひろ 一軒家だったら高電圧にするのもできますけど、都会はマンション住まいが多いですからね。なので、低電圧の国は中国のタクシーがやっているバッテリー交換方式のほうが現実的かも。予備バッテリーを各家庭で充電しておいて、出勤するとき入れ替えるみたいな。ただ、扱いを間違えると爆発する危険もありますけどね。
ホリ まあ、そのへんは技術の進歩でいくらでもできるんじゃない? でも、ついにトラックの世界にもEV化の波が来たね。
ひろ ただ、サイバートラックはアメリカだと当たり前の存在になるでしょうけど、日本だと目新しいって存在になりそうなので、プロモ手段として使っている堀江さんは、得する期間がしばらく続きそうですね(笑)。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。新刊に『夢を叶える「打ち出の小槌」』(青志社)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『凡人道』(宝島社)