ウズベキスタンの伝統料理! ピラフのような米料理プロフだよ! ウズベキスタンの伝統料理! ピラフのような米料理プロフだよ!

みなさん、こんにちは。旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。

私ごとですが、先日はじめてPCR検査を受けました。小さな試験管にツバをペッペッと吐いて、結果は陰性でした。ホッとしましたが、引き続き気を引き締めて過ごしたいと思います。

さて、旅人でも作れるカンタン世界飯シリーズ「おうちで世界飯」第5回。

今回挑戦するのは、シルクロードの交差点、中央アジアはウズベキスタンの伝統料理「プロフ」です! 玉ねぎやにんじん、羊や牛などの肉の入った炊き込みご飯で、ウズ語では「オシュ」と言います。

結婚式などお祝いごとには欠かせない料理で、主に男性によって作られ、盛大に客人に振る舞われるそう。家庭でも日常的にも食べられていますが、作り方は千差万別です。

私も中央アジアの旅で何度か口にしましたが、印象に残っているプロフは、ウズベキスタンのサマルカンドに行った時のもの。

サマルカンドのシンボル「レギスタン広場」 サマルカンドのシンボル「レギスタン広場」

サマルカンドはかつてシルクロードの要衝として栄えた街。青のタイルで装飾されたイスラム建築が美しく、「青の都」と称されている。その街でもっとも有名な観光スポット「レギスタン広場」へ向かう道中、私は路上でプロフ屋のおじいと出会った。

「お嬢さん、プロフを食べていかないかい?」

カザンと呼ばれるウズ伝統の大きな鍋と、千切りにされた大量のにんじんが放射状に並んでいる。ウズベキスタンのにんじんは黄色く、黄緑色のグラデーションが美しい。

カザンと呼ばれる大きなお鍋と黄色いにんじん カザンと呼ばれる大きなお鍋と黄色いにんじん

鍋の中。ご飯の下から大量のにんじんがのぞいている。二層にして炊くようだ 鍋の中。ご飯の下から大量のにんじんがのぞいている。二層にして炊くようだ

おじいに勧誘され店に入ると、さっそく私の前にプロフがやってきた。

テカテカとオレンジ色に光った米に、クタクタのにんじんと所々にレーズン、そしてお肉と唐辛子が乗っている。クミンの香りがするそれをスプーンで一口。

「うん、にんじんの甘みが米に染み込んで美味しい!」

ただし、正直「日本人には油っこい......」。プロフを日本語で表現したら「にんじん油飯」といったところであろうか。

サマルカンドのおじいのプロフ サマルカンドのおじいのプロフ

食べながら、おじいの家族とカタコト英語で話していると、

まだ嫁に行ってないのかい! これを持って行きなさい」

おばあがくれたのは、金の指ぬき。ウズベキスタンはスザニという刺繍が伝統であるが、手芸に必要な指ぬきは嫁入り道具だとかなんとか......。

そんな旅の思い出が懐かしいですが、さて、さっそく作ってみようと思います! 現地では色がきれいな黄色いにんじんを使うそうですが、今回は普通のにんじん。

ポイント食材は、やっぱり異国情緒あふれる香りのクミンかしらね。クミンはなんでも異国味になるマジックスパイスなので、持ってるといいかも!

今回のポイント食材はクミンシードかな! パウダーでも原型でもOK! 今回のポイント食材はクミンシードかな! パウダーでも原型でもOK!

それではレッツクック!

<材料> 2~4人分 

 ・米...2合(長粒米などパラパラな米が良いが、今回は日本米使用)

 ・にんじん...1本

 ・玉ねぎ...1/2個

 ・牛肉 or 羊肉...200g(カレー用の角切りタイプがおすすめ)

 ・油...大さじ2(30ml)

 ・塩...小さじ1

 ・クミンシード...小さじ1

 ・水...500ml

 ・レーズン...ひとつかみ

(左上から)米、塩、クミン、油、水、(バッドの中)にんじん、玉ねぎ、レーズン、牛肉 (左上から)米、塩、クミン、油、水、(バッドの中)にんじん、玉ねぎ、レーズン、牛肉

<下準備>

1.米を洗って水に浸しておく。

2.玉ねぎを薄切りにする。にんじんは斜めにスライスし、千切りにする。肉を食べやすいサイズに切る。(カレー用であればそのままでOK! 私は小さく切りすぎてしまった!)

<調理>

1.中華鍋に油を入れ、牛肉を中火で炒める。(現地ではカザンという大きい鍋を使うが、今回は中華鍋。普通の鍋やフライパンでもOK)

2.肉の表面が焼けたら、玉ねぎを加え炒める。

3.玉ねぎが飴色になったら、にんじん、クミン、塩を加え炒める。

※チートしたい方は、ここで具と米を炊飯器で一緒に炊けばできあがり! 伝統的な作り方では、米と具材を鍋で炊き込むので、本格派の人はこの後も私についてきて!(ウィンク)

4.にんじんが柔らかくなったら、水を分量の半分くらい(250ml)入れ、15分ほど煮る。

5.味見をして、必要な場合は塩やクミンを追加し、味を強めに整える。(個人的には追加で味濃い目がおすすめ!)

6.水を切った米を鍋に加え、平らにならす。

7.米がヒタヒタになる位まで水の残り全部を加える。(ひたひたに満たなかったら水追加してOK。日本米はちょっと多めくらいが良い)

8.表面の水分がなくなるまで煮る。

9.水分が減ってきたら、米だけを混ぜて再び平らにならす。

10.さらに水分がなくなったら、米を山盛りに寄せる。

11.蓋(アルミ箔でOK)をかぶせ、水分がなくなるまで弱火で10~15分程度炊く。

12.5分蒸らしたら蓋を開けて、水分が飛んで入ればできあがり。

13.お皿にまずは米だけよそい、上からにんじんやお肉を乗せると現地っぽい。

<実食>

サマルカンドを思い出させるブルーのお皿に盛り付けしたプロフ。出汁が浸透した米は黄色く色づき、にんじんはクタクタに。玉ねぎは溶けて無くなったのだろうか見当たらず、肉は小さく切りすぎて迫力に欠けてしまったけど、見た目はまずまずです!

もぐ...... もぐ......

実際に口に運んでみると、

「にんじんの甘みとクミンがいいね! そして案の定、なかなか油ギッシュ!」

つまりは現地のものに近いってことで、再現という意味では成功と言って良いでしょう!

味付けは塩だけなのでわりと地味......いや、シンプル。クミンの香りこそ異国感があるけれど、にんじんは素朴だし牛肉を使ったために獣臭が弱い。羊肉を使ったほうがクセが出て、よりウズベキスタン料理っぽくなりそうです。あと、個人的には油を少なめにして、クミンと塩は多めにしたほうが好みかな。

調理方法や具はもっとアレンジしても楽しそうで、現地でもニンニクを丸ごと入れたり、唐辛子、ひよこ豆、ゆで卵など色々ある。

エジプトのコシャリも然り、国民食というのは実にシンプルなものが多いが、そこにオリジナルの具や味付けで、家庭の味だったり、個性や進化が生まれるのだと思う。日本の納豆ご飯もそうだよね。

好みが分かれるだろうが、レーズンの甘みもポイント! 好みが分かれるだろうが、レーズンの甘みもポイント!

プロフは結婚式の料理にはガッツリすぎる気もするけれど、それもウズベキスタンの文化。素朴なのに不思議とあとを引く、国民に長い間愛されてきたソウルフードなのです。

(この後、私はプロフに納豆をかける暴挙に出てみましたが、なかなかアリでした!)

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第294回「おうちで世界飯。キャンプ飯にもオススメなモロッコ料理『クスクス』」

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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