ズドラーストヴィチェ! 旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。
ロシア語で挨拶するの久しぶりだけどやっぱり迫力あるなぁ! てことで、今回の「旅人でも作れる簡単おうちで世界飯」第17回は、ロシア風水餃子「ペリメニ」を作りたいと思います!
ペリメニとは小麦粉をこねた生地で具を包んだ一口サイズのロシア風水餃子。特徴は、手作りの皮でかわいい帽子型の包み方と、ロシアらしいサワークリームの味付け。ロシアを代表する料理のひとつで、プーチン大統領が北朝鮮の金正恩総書記をおもてなしした時にも提供されたとか。
水餃子やワンタンにも似ていますが、他にもネパールのモモ、ジョージアのヒンカリ、トルコのマンティ、イタリアのラビオリなど、世界にはよく似た料理があります。
私はこれら全てを世界中で食べてきたけれど、どれもこれも安定の美味しさであったし、餃子(的食べ物)は世界で愛されているんだなぁと毎度感心しておりました。
私がロシアで食べたペリメニは、モスクワで人気のオシャレなカフェ風のペリメニ専門店「LEPIM i VARIM」のもの。中の具材には肉以外にもカニやエビなどいろいろな種類があったり、皮にイカ墨を使った黒いペリメニもありました。
それからロシアに隣接したバルト三国のうちのひとつ、ラトビアの首都リガでもペリメニのファストフード店「Pelmeni XL」に行きました。セルフサービス形式で、湯に浮かぶペリメニを自分で皿によそい計り売りでお会計をするものでした。味によって皮の形が異なっていたり、揚げペリメニもありました。
ロシアもラトビアもペリメニ自体は非常にシンプルな味付けで、日本の餃子のようなニラやショウガに醤油などの強い味と比べると素朴に感じますが、サワークリームの酸味とパセリの風味がよく合う爽やかな味でした。
そして注目すべきは手作りの皮のモチモチ感! この食感こそがペリメニの一番の魅力だと私は思っています(ファストフードのほうはマシンメイドかもしれないけど)。
この料理企画ではおうちで簡単に世界飯を作ることが目的なので、「餃子の皮を買ってきましょう」と言いたいところではありますが、今回はぜひ皮作りから挑戦したい!
余談ですが、9月は私の誕生月。ロシアではお正月にペリメニを食べる習慣があり、めでたい料理ってことで、自らを祝う気持ちで生地をこねくり倒したいと思います!
それではレッツクック!
<材料> 2~4人分
*皮
・強力粉...50g
・薄力粉...50g
・水(常温orお湯)...30ml
・溶き卵...20~25ml
・塩...小さじ1/4
*中身(具・たね・餡など呼び方はさまざま!)
・合い挽き肉...100g
・玉ねぎ...1/4個
・ニンニク...1片
・塩胡椒...少々
*トッピング
・有塩バター...適量
・サワークリーム...適量
・イタリアンパセリ...適量(ディルでもOK)
*その他
・打ち粉...適宜必要な分
<下準備&ワンポイントメモ>
*粉はふるっておくか泡立て器で軽く混ぜて空気を含ませておくと良い。
*先に溶き卵と水を合わせて50~55mlほどの卵液を作っておく。
<調理>
*市販の餃子の皮を使う場合は、手順6~7の中身作りと、12の包むところからどうぞ!
1.まずは皮作り。ボウルに薄力粉、強力粉、塩を入れて、箸で混ぜながら卵液(溶き卵と水を合わせてたもの)を少しずつ追加。
2.箸で全体を混ぜたら、生地がひとまとまりになるよう手でこねる。
3.生地がまとまったらラップかキッチンペーパーを被せて常温で5分ほど寝かす。
4.再び生地をこねて5分寝かし、生地に水分がなじんでしっとりしたら、ボウルから出して調理台の上で10分程度本格的にこねる。手の腹を使って力強くね!
5.生地の表面がなめらかになったら1時間ほど寝かす。
6.生地を寝かせている間に中身作り。玉ねぎ、ニンニク、パセリをみじん切り。
7.ボウルに中身の材料(みじん切りした野菜類、挽肉、塩胡椒)を入れて粘り気が出るまでこねたら中身は完成。
8.調理台などの上に打ち粉を敷いて、寝かせていた皮を直径500円硬貨ほどの太さの棒状に伸ばす。
9.棒状の生地を切って16等分にする。
10.調理台に打ち粉をして生地を綿棒で伸ばし円形の皮を作っていく。(綿棒がなければワインボトルやラップの芯などで代用可)
11.皮ができたら中身を乗せて包む。
12.半分に折って三日月型を作り、皮同士をギュッとくっつける。(必要であれば水を使う)
13.三日月型の端っこ同士をくっつけ帽子型を作る。
14.出来上がったペリメニたちを沸騰したお湯で5分ほど茹でる。ペリメニが浮き上がり中まで火が通ったら、水分を切って皿によそう。
15.バター、サワークリームなどのトッピングを乗せて召し上がれ!
★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!
<実食>
先ほども申しあげましたが、やっぱりペリメニって素朴。いろいろちょい足ししたい気持ちはありますが、まずは基本に忠実にプレーンのものを食べてみましょう。
フォークで持ち上げると溶けたバターがペリメニをまとい、キラキラと輝き美しい。そしてお口の中に滑り込んでいくペリメニちゃんは皮がぷるっとしていて噛むとモチモチ。
「これこれ! 耳たぶのようなこのモチモチ感がたまらん!」
中からはジュワッと肉汁があふれ、さっぱりしたサワークリームがよく合います。味が薄ければ塩をかけたりしながら、最終的には胡椒やオリーブオイル、チリ&ガーリックなどのスパイスやチーズなど、お気に入りの味付けを見つけてみるのも良いでしょう。
今回は包みたてを茹でて食べてみましたが、ペリメニは通常冷凍しておき、食べる直前に茹でるらしい。
極寒のロシア(シベリア)では冬の屋外は天然の冷蔵庫。ペリメニは伝統的に屋外で冷凍され保存食として扱われたそうな。人々が狩りや旅に出る時は冷凍ペリメニの袋を携帯していたんだって!
「そっか、大量生産して冷凍保存しておけば便利かも!」
深夜の空腹時やホムパの時とかにも役に立ちそうだし、生地を作る作業は大変だけれども、無心でこねるのは意外とハマる。
「よし、もうひとこねすっか!」
こうして、粉まみれで誕生日を迎えるのであった。
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew】