「面倒だから近所のコンビニで」「帰宅は深夜だから今夜はコンビニか外食」な日々を繰り返しがちなオトコたちに送る、使い勝手のいいスーパーマーケット調査シリーズ第2弾。

「手取り13万」というツイートがSNSでバズるなど、給料がなかなか上がらない今だからこそヘビーユーズしたい関西地方のスーパーはどこか、オトコ目線で大調査した!

■激安&京都な店がベスト3に

前回掲載した、オトコ目線で判定する関東のスーパーマーケット調査企画。「深夜まで営業していて便利」「惣菜コーナーが充実しているので外食やコンビニ弁当より安上がり」「ビールや缶チューハイがソフトドリンク並みに安い」など、男性が魅力を感じる10の項目を抽出し、各項目を1~3点で採点(30点満点)。その結果、27点という高得点で西友が1位となった。

今回はその関西編。調査の対象は関西エリアに20店舗以上を展開している33のスーパーマーケットチェーン。調査項目は関東編と同じく10項目。前回同様、試食販売員として17年間、各地を回り、スーパーマーケットの表も裏も精通する大阪在住の上野千賀子氏にアドバイスをいただいた。

10項目のうち7つは関東編と同じだが(採点基準も同じ)、残り3つは関西の独身男性がよく食べる冷凍食品「冷凍うどん」の価格、そのうどんにトッピングしたい天ぷらのバリエーション、そして、関西の惣菜コーナーの定番「お好み焼き」の価格という関西らしいものとした。

早速、調査の結果を見てみよう。トップは25点を記録したスーパー玉出(たまで)。大阪市南部という、単身の男性労働者が多く住むエリアを中心に出店するこのスーパーは、白飯に鮭フレークや味をつけたかつお節をぶっかけただけのオトコ飯、関東地方最安値スーパーよりもさらに安い税込289円カツ丼を販売するなど、オトコ向けの弁当が豊富。

店内には女性客より男性客のほうが多く、オトコをメインターゲットとした店づくりをしているような雰囲気だった。

2位になったのは2店。ひとつはディスカウントスーパーとして関西以西の人にはおなじみのラ・ムー。惣菜コーナーにはいい意味で常軌を逸した商品がズラリ。

弁当198円、パスタ98円、500g以上入った大盛りパスタは198円。税込でこの価格。お茶の値段も関西ではかなり安いほうだ。「通路が広くてカート同士が余裕ですれ違えるので、休日にまとめ買いをするのにも向いてますね」(上野氏)

同じく2位のマツモトは京都に根づいたスーパー。「春になると掘りたてのタケノコが売り場に並び、それを目当てにしたお客さんがたくさん来店します」と上野氏。鮮魚売り場には京料理でおなじみの骨切りされたハモが並び、今の季節は京料理のおせち料理の予約を受け付けている。缶チューハイが安いので、いつもと違うツマミで飲みたいときに活用したい。

今回の調査で関西独自項目の天ぷらに3点がついたのは7店。そのすべてがベスト10に入る結果となった。

「天ぷらは衣のつけ方や揚げ方が難しい。さらに揚げる食材の順番を間違えると油が悪くなったり、衣が水っぽくなってしまう。だから、天ぷらの種類が多い店にはスゴ腕のスタッフがいます。

そんなスタッフは素晴らしい環境でないと育ちませんから、男性目線の結果とはいえ、ベスト10のスーパーに天ぷらの数が多い7店すべてが入ったというのは納得できる結果です」(上野氏)

【1位】スーパー玉出(大阪府・兵庫県)

<調査項目の採点>
●閉店時間...3点 ●お茶...1点 ●水...3点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...3点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...3点 ●お好み焼き...3点 ●カップ麵...2点 ●PB...1点  計25点

■家飲み派の人に刺さりまくる商品が多い
大阪の激安スーパーとして、全国放送のテレビにもたまに登場する店。チューハイやカップ酒などの価格は群を抜く安さ。ウインナー5本(116円)や、ゆで卵3個(108円)など、惣菜というより酒のアテのような商品が多数。24時間営業の店舗が多いのも何かと便利だ。「お店の電飾がパチンコ店のようにド派手なので、数百m先からでも気がつきます」(上野氏)

白飯の上に明太子をほぐしたものをのせたシンプルな弁当「明太ご飯」は税込138円


【2位】ラ・ムー(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県ほか中部、中国、四国地方と福岡県に展開)

<調査項目の採点>
●閉店時間...3点 ●お茶...2点 ●水...2点 ●チューハイ...2点 ●冷凍うどん...3点 ●惣菜...2点 ●天ぷら...1点 ●お好み焼き...3点 ●カップ麵...3点 ●PB...2点  計23点

■自炊しない派でも食費が助かるディスカウント店
「レトルト食品や冷凍食品などが安いですね」と上野氏が話すこの店は、西日本の幅広いエリアに店舗を持つディスカウントスーパー。1位の玉出と同様、24時間営業の店が多い。大量買いを前提としているのか、駐車場が広いのも特徴。駅から離れている店が多いが、近くにあるなら利用したいスーパーだ。惣菜の安さは今回調査したなかでも1、2を争うレベル。

焼きさば、煮物、唐揚げ、漬物などが入ったこのお弁当は税込でたったの198円


【2位】マツモト(京都府・大阪府)

<調査項目の採点>
●閉店時間...2点 ●お茶...1点 ●水...1点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...3点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...3点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...3点 ●PB...3点  計23点

■惣菜や弁当に京都らしさが色濃く出ている
大阪府には1店舗で、それも京都府との県境まで徒歩3分の場所。そんな、ほぼ京都のみに展開するマツモトは、惣菜、弁当コーナーの商品が独特。春はたけのこご飯、秋はまつたけご飯が弁当コーナーに並び、惣菜売り場のレギュラー商品にはニシンの昆布巻きが。ほかではお目にかかれない料理が多いのでほかのスーパーと併せて利用すると食生活に幅が出るだろう。

SNSでバズったマリトッツォならぬマツモットォは、このスーパーのオリジナルスイーツ


【4位】平和堂(滋賀県・大阪府・京都府・兵庫県ほか中部地方に展開)

大型店は「アル・プラザ」、小型店は「フレンドマート」と店名を分けている
<調査項目の採点>

●閉店時間...1点 ●お茶...1点 ●水...1点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...3点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...3点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...3点 ●PB...3点  計22点

■特産品のふなずしも買える滋賀発祥のスーパー
滋賀県を中心に展開するチェーン。大阪府では主に「フレンドマート」という名前でスーパーを展開。惣菜の品ぞろえが豊富で、サバの押しずしが人気商品。上野氏によると「おはぎもこの店の名物。それとクセが強い滋賀の名物、ふなずしも買うことができます」とのこと。


【4位】KOHYO(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県)

イオン系のスーパーなので、店内には激安のPB商品も多数並んでいる

<調査項目の採点>
●閉店時間...3点 ●お茶...1点 ●水...2点 ●チューハイ...2点 ●冷凍うどん...2点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...3点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...2点 ●PB...3点  計22点

■ウーバーイーツに対応し一部商品は自宅まで配達OK
郊外の住宅地だけでなく、難波、淀屋橋、船場といった大阪市の中心部にも店を展開。ウーバーイーツ対応の店では、弁当や菓子など店内の約600品目をデリバリー可能だ。「惣菜が豊富なので大阪市や神戸市の都市部に住む単身赴任の方にとって使いやすい店だと思います」(上野氏)


【4位】西友(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県ほか全国14都道県に展開)

快速電車が停車するような、そこそこ大きい駅の周辺に店舗を展開

<調査項目の採点>
●閉店時間...3点 ●お茶...1点 ●水...2点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...1点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...2点 ●お好み焼き...3点 ●カップ麵...1点 ●PB...3点  計22点

■関東編で1位に輝いた店が関西編でも上位にランクイン
関東ではメジャーな存在のスーパーだが、関西での展開は2府3県の21店舗にとどまる。関東と同じく24時過ぎまで営業する店が多く、PB商品も豊富なので、自宅の最寄り駅にあると非常に重宝する。ただ、PBに力を入れているためか、メーカー品の商品がやや高め。


【4位】イオン(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県ほか全国各地に展開)

巨大なショッピングセンター「イオンモール」は関西2府4県に27店

<調査項目の採点>
●閉店時間...2点 ●お茶...2点 ●水...3点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...1点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...2点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...2点 ●PB...3点  計22点

■関東編でも3位に食い込むみんなが知ってるスーパーの雄
福井県以外の46都道府県に出店する国内最大規模のスーパー。ドリンク、お菓子、カップ麺、日用品......どのコーナーでもたくさん並ぶのが「トップバリュ」ブランドのPB商品だ。火曜の特売日「火曜市」は、閑散とした時間帯がないほど、たくさんの人が訪れる。

■関東のスーパーとの大きな違いは?

関西の店を調査して気になったのが店舗を展開するエリアの広さだ。関東の場合、群馬や茨城を中心に展開するスーパーが東京や神奈川まで店を広げるパターンは少ない。逆に、東京に本部のあるスーパーが群馬や栃木に店を出すパターンもほぼない。

だが関西では、日本海側にあるフレッシュバザール(8位)が100㎞ほど南にある大阪北部や兵庫の瀬戸内海側まで進出。滋賀の平和堂(4位)も大阪、兵庫へと進出している。

「昔はお互いの商売の範囲が重ならないよう、配慮みたいなものはあったようです。だけど今はいろんなスーパーが自由に店を出しているので、東海からバロー(10位)、関東からロピアがやって来て、バイパス沿いに広い駐車場がある大きな店舗を出し、にぎやかな状況になっています。利用する側にとって値下げ合戦は大歓迎だと思いますが、われわれは大変です」(関西のスーパー事情に詳しいバイヤー)

さらに、関西のスーパーで気になったのは、水やお茶の価格が関東より若干高めなこと。そのほかの商品もコンビニよりはもちろん安いが、関東で買うより少し高いのではというものもあった。

「関西のスーパーには毎週月曜に10%オフのセールや、毎月1日に卵1パック98円といった食料品の特売を行なう店など、決まったタイミングで特売を打つ文化があります。

その日の値段が安すぎるため、普段の価格は若干高めなのかと。2Lの水やお茶は、スーパーから持って帰るのが重たいからあまり売れないんで高くなっていると思われます。コンビニのほうが安いことが多いですから」(上野氏)


【8位】フレッシュバザール(京都府・大阪府・兵庫県ほか福井県に展開)

おせちの材料、丹波の黒豆が他店より安いので年末は混み合う日も

<調査項目の採点>
●閉店時間...2点 ●お茶...1点 ●水...1点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...2点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...3点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...2点 ●PB...3点  計21点

■惣菜コーナーには日本海の海の幸が!
京都府や兵庫県の日本海側を中心に展開。2010年代より京都府の南部や大阪府北部などにも出店。海の幸を使った焼き魚や、かまぼこなどの練り物が豊富。


【8位】スーパーマルハチ(兵庫県・大阪府)

冷凍うどんと天ぷらで高得点。天ぷらうどんの材料が安くそろう

<調査項目の採点>
●閉店時間...2点 ●お茶...1点 ●水...2点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...3点 ●惣菜...2点 ●天ぷら...3点 ●お好み焼き...2点 ●カップ麵...2点 ●PB...1点  計21点

■常に何かを大特売しているのがウリ
大阪~神戸間の鉄道沿線を中心に出店。PBは一切ないが、店内には驚くほど安い商品がそろい、調査で訪れたときは1袋22円のうどんに半額のシールが。


【10位】イズミヤ(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)

2017年までは関東地方にも店舗を展開していた

<調査項目の採点>
●閉店時間...2点 ●お茶...1点 ●水...2点 ●チューハイ...2点 ●冷凍うどん...2点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...1点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...3点 ●PB...3点  計20点

■日用品も扱う、駅前の総合スーパー
駅前に5、6階建ての建物を構え、衣料品などを販売するフロアも入った総合スーパー。関東の人には「昔のイトーヨーカドーのよう」と言ったら伝わるかも。


【10位】コノミヤ(兵庫県・大阪府・京都府ほか中部地方に展開)

月曜日は自転車のカゴいっぱいに食材を入れた主婦の姿が目立つ

<調査項目の採点>
●閉店時間...1点 ●お茶...1点 ●水...2点 ●チューハイ...2点 ●冷凍うどん...3点 ●惣菜...3点 ●天ぷら...2点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...2点 ●PB...3点  計20点

■毎週月曜はほぼ全品10%オフ!
名物は店内のほぼすべてが10%引きになる月曜の特売日。同業の関西スーパーも月曜に10%引きセールを行なうため、この2店が近いところでは安売り合戦も。


【10位】松源(まつげん/和歌山県・大阪府・奈良県)

上野氏によると、主婦の間では「肉の質がいい」と評判だという

<調査項目の採点>
●閉店時間...1点 ●お茶...2点 ●水...1点 ●チューハイ...3点 ●冷凍うどん...2点 ●惣菜...2点 ●天ぷら...2点 ●お好み焼き...3点 ●カップ麵...2点 ●PB...2点  計20点

■和歌山生まれの生鮮スーパー
お好み焼きは298円と、ほかより安い。購入した専用ボトルだと、お水(3.8L)を無料でもらえるサービスを行なっているためか、水の価格が高め


【10位】バロー(滋賀県・京都府・大阪府ほか中部地方に展開)

店内にはPB「バローセレクト」「バロープラス」の商品が多い

<調査項目の採点>
●閉店時間...1点 ●お茶...1点 ●水...2点 ●チューハイ...2点 ●冷凍うどん...2点 ●惣菜...2点 ●天ぷら...1点 ●お好み焼き...3点 ●カップ麵...3点 ●PB...3点  計20点

■PBが豊富な名古屋色の強い店
本部は岐阜県。東海エリアを中心に展開しているため、惣菜コーナーには関西では珍しい味噌だれのかかったカツや台湾まぜそばといった名古屋風の商品が並ぶ。


【10位】ライフ(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県ほか関東地方に展開)

上野氏によると、話題の商品がどのスーパーよりも早く入るという

<調査項目の採点>
●閉店時間...3点 ●お茶...1点 ●水...1点 ●チューハイ...2点 ●冷凍うどん...2点 ●惣菜...2点 ●天ぷら...3点 ●お好み焼き...1点 ●カップ麵...2点 ●PB...3点  計20点

■首都圏でおなじみの店が大展開(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県ほか関東地方に展開)
関西エリアでは100店舗以上。JR大阪駅の駅ビル内やJR難波駅の隣など、都市部の交通の便がいい場所にも店舗があり、帰宅前の人たちでにぎわう。

■新商品が安い? 関西のライフ

最後に、関西で生活する男性にオススメの、スーパーとの付き合い方を聞いてみた。

「まずは、駅からの帰り道、散歩がてら身近にどんなスーパーがあるのかチェックしてみてください。そしてその店のホームページにあるWebチラシを週1ぐらいのペースで確認してみてください。3、4回見ると、特売日のタイミングがつかめます。

午後3時前後に雨がザッと降った日は、夕食を買いに来る主婦が減るため、惣菜や弁当が余りがち。関西のスーパーでは値引きシールを貼り始める時間はあまり早くないのですが、そんな日は値引きシールがバンバン貼られるので、3時頃になったら窓から天気を確認してみてください」(上野氏)

「関西のライフ(10位)で商品を扱ってもらえるメリットは大きい。そのため各メーカーのバイヤーは話題の商品を発売日にライフに卸すことがある。スーパーのほうが安く販売するため、『コンビニの後にスーパー』というのが普通の流れですが、関西のライフは例外です」(前出・バイヤー)

コンビニとの使い分けがうまくいけば自炊しなくても食費が大幅に削れるスーパーマーケット。関西で生活する方はぜひ今回の調査結果を参考にしてもらいたい。