ネパールのネワリ民族のダルバード(定食)は豪華でコスパ抜群! ネパールのネワリ民族のダルバード(定食)は豪華でコスパ抜群!

みなさん、ナマステ(ネパール語でこんにちは)!  前回は、新大久保で急速に進化するネパールタウン「リトル・カトマンズ」の中でも、とりわけディープなお店を訪れましたが、今回はビギナーでも入りやすいお店をご紹介します。

■日本人にも安心と信頼の人気店でネパール民族料理

3軒目に訪れたのは、ネパール料理店の密集地(イスラム横丁界隈)を離れた韓国人街側にある「ネパール民族料理アーガン」さん。

さすがに新大久保のメインストリートにはカオスな雰囲気やマニアックさはなく、イケメンアイドルやコスメ、歩き食べできるB級グルメの店など、ネオンギラギラの中に若い女のコがいっぱい。同じ街でもほんの数メートルでこんなに色が違うものかと、わが国ながら驚きです。

雑居ビルの4階にあるお店に入ると、店員さんは現地人のようでしたが店内のお客さんはほとんどが日本人か西洋人。隣の席には女子ふたり組、シュッとしたオジサマ方が飲み会をしているテーブルもあり、小洒落たアジアンレストランの雰囲気でした。ここはもうデートで来ても良いかも的なネパール料理屋さんという感じ。綺麗だ。

店内には黄金に輝くストゥーパ(仏塔)がドドンと鎮座! 店内には黄金に輝くストゥーパ(仏塔)がドドンと鎮座!

本場っぽい異国情緒を求めて探索していた私ですが、3軒目ともなるとジャパンクオリティのある洗練された環境に思わず安堵。濡れた使い捨ておしぼりで手を拭き、出された水をガブ飲みすると、それすら美味しく感じてしまう。そんな自分に、

「しばらく旅をしていないから異国耐性が鈍ったかしら......」

なんて思いましたが、初めてネパール料理を体験する人には安心かも?

温かいチャイでほっと一息ついたら、ほうれん草とチーズのモモを注文。皮はむっちりと蒸され、ふんわり甘さを感じるマイルドなお味。日本の味に寄せているのでしょうか、とても好みです。

「ほうれん草とチーズのモモ」が絶品! 「ほうれん草とチーズのモモ」が絶品!

そしてもう腹パンでしたが、ジャガイモとタケノコのカレーと、初めて見る「チウラ」という干し飯も頼んでみました。

干し飯もまた初見ですが、ネパール全域で食べられているお米の乾物。米を一度蒸して叩いて潰し乾燥させたもので、元々は保存食だったとか。土地柄かネパール料理には保存食が多い印象。

パラパラサラサラとして、シリアルのような感じ。チウラにヨーグルトをかけた「ダヒ・チウラ」という料理があるそうですが、私の普段の朝食にそっくりです。

インドやネパールで使われている食器「カダイ」に盛られたカレー インドやネパールで使われている食器「カダイ」に盛られたカレー

葉っぱの器に盛られた干し飯「チウラ」 葉っぱの器に盛られた干し飯「チウラ」

カレーを浸してふやかしながら食べると、サクサクのところとふやけたところに食感のコントラストが生まれ、これ意外とハマる......。

そして残ったチウラをスナックのようにいつまでもつまんでいましたが、食べきれないのでこっそり紙ナフキンに包んで持って帰ったり......なんてしてませんからねー(怪しい)。

ところで実はこの店は少数民族である「ネワリ族」「タカリ族」の料理を食べられるのが売りだったので、後日再訪しダルバード(定食)も食べてみました。

タカリデド&ライスセット(そばがき)は、この豪華さで1,628円 タカリデド&ライスセット(そばがき)は、この豪華さで1,628円

タカリ族のものは銀皿の中心にディド(そばがきのようなもの)がドドンと盛られてインパクトあり! そこにたっぷりのギー(バターオイル)をかけるとリッチな味わいに。

周りにはチキンカレー、マトンカレー、豆スープ、漬け物、サラダ、野菜カレー、乾燥発酵野菜の漬け物、青菜炒め、パパドゥ(豆せんべい)、トマトの漬け物、デザートなどが添えられ、豪華です! これでお値段は1600円程度と良心的。

ネワリボジセットは、メインに小皿6つとお酒一杯付きで1,848円! ネワリボジセットは、メインに小皿6つとお酒一杯付きで1,848円!

対して、ネワリ族のものは葉っぱの皿の中心に干し飯、周りには同じくカレー、スープ、おかず類。さらに別途小皿で、パウクワ(木の実の漬け物)、シサプサ(付け合わせ野菜)、ラルモン(ドーナツのシロップ漬け)、豆野菜の煮込み、ヨーグルト、食後のスープなど6皿も。なんならネパールの伝統的なお酒も一杯付きの大サービス(私はラッシーに変更)。 こちらも1,800円程度とコスパ良すぎです。

食べ方の説明書 食べ方の説明書

ネパールは北海道の約1.8倍の大きさに、30以上の民族(カーストなど細かい区分ではなんと130以上)がいて多宗教。さらに標高差もあり環境も文化も複雑。それを思うと、ネパール料理の奥深さは不思議ではありませんね。まだまだ知らないネパール料理、もっと追求してみたいです。

閉店まぎわ、お片付け中の店員さんに「ユーは何しに日本へ?」と聞いてみると、「仕事です!」。そりゃ、その通りですね。お忙しいところ失礼しました!

3軒回って思ったのは、ネパール人は働き者! これまで私が出会ったネパールの人もそうでしたが、控えめで勤勉な人が多い印象でした(もちろん全員ではないけど)。

今やたくさんのネパール人が働く新大久保の「リトル・カトマンズ」ですが、料理のバラエティやクオリティからしても、今後もっと拡大していくことでしょう。辛さもマイルドで日本人の口にも合うので、皆さんもぜひトライしてみてくださいね!

★YouTube・リトルカトマンズのお店でゆるっと旅トーク♪

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。
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