山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。この連載では平成レトロ時代に忘れられ、記憶の底に埋没しがちな遺産を、皆さんと一緒に掘り返していきます。
さて、今回は90年代にヒットした「テトリスが遊べる携帯キーチェーンゲーム」を紹介します。
昭和の携帯型ゲームは「ゲーム&ウオッチ」など1台でひとつのタイトルを遊ぶものでしたが、平成になると「ゲームボーイ」が発売され、カートリッジを差し替えてさまざまなタイトルを遊べるようになりました。そんな時代に大ヒットしたのがテトリスしか遊べないミニゲーム機だったのです。
当時、テトリスは世界的な人気タイトルで、それを安くどこでも遊べるミニゲームは世代を超えてヒットしました。さらに、小型な本体は、通学カバンにぶら下げたり、授業中にこっそり遊んでもバレにくく、学生にはメリットしかありませんでした。
最初に注目を集めた商品は平成8年に登場した「みに・テトリン」シリーズ。しかし、これはライセンス許諾を受けていない商品でした。
この人気を受け、正式にライセンスを持つメーカーから許諾を受けた「テトリス Jr.」がヒロから発売。そしてテトリンを販売したゲームテックは、商標権について提訴され、テトリスとの誤認を避けるため「ピコリン」に改称しました。
しかし、他メーカーからの類似商品もあふれ、さまざまな形状のミニゲームが登場しました。ゲームセンターの筐体(きょうたい)風、PSP風、スマートフォン風など現代に至るまでいろいろと登場しています。
中でも個人的にヒットしたのが、どう見てもプレステ2というデザイン。コントローラーで遊ぶのはいいのですが画面がない。どこにあるかというと、光学ディスクのトレーを開くと、トレー内に画面があるという謎の仕様です。
ほかにもテトリス以外のゲームが遊べるようになるなど、いろいろな変遷については、またご紹介いたします。私は高校生当時、マラソン大会中にポケットに忍ばせて遊んでいました。今でもスマホ型が100均などで見つかりますので探してみましょう。
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。