山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。今回は平成スケルトンブームのキッカケといわれる初代iMacを皆さんと振り返っていきましょう。
初代iMacは1998年の発売で、気づけば今年25周年です。以前この連載では「平成スケルトンブームはゲームボーイなど子供向けの玩具から始まった」ということを紹介しましたが、大人をも巻き込んだブームとしては初代iMacの影響が大でしょう。
iMacは、搭載される端子をUSBと有線LANに絞り、フロッピーやSCSI(スカジー)などのレガシーコネクタを排除。モニターも一体型にした過去の常識を覆す製品でした。
そして、誰もが衝撃を受けたのは〝ボンダイブルー〟と呼ばれる半透明で鮮やかなボディ。これをキッカケに地味なデザインが多かったパソコン周辺機器にもスケルトンが増えていきます。
そして、iMacユーザーは、ついついすべてをスケルトンでそろえがち。なので、メーカー各社から次々と透明商品が発売され、最終的にはパソコンとは関係のない家電や家具にまでスケルトンが増えていったのです。
実は、iMac発売前のAppleは経営破綻寸前まで追い込まれていましたが、97年にスティーブ・ジョブスが復帰して指揮を執り、翌年のiMac人気で完全に息を吹き返しました。その勢いで99年からiMacは5色展開のキャンディカラーを追加で発売しています。
このiMacブームに悔しい思いをしていたウィンドウズユーザーでしたが、すぐにスケルトンのDOS/V機e-one433がソーテックから発売され大歓喜します。しかし、このスケルトンデザインをAppleから訴えられ販売禁止となり、仕方なく銀色に塗装したe-one500を発売することになりました。
一時期は中古市場で投げ売りされ、中身を外して猫ベッドに再利用してたiMacも今や相場が上がってます。e-one500はさらにレア! 銀色の筐体(きょうたい)を削ると、半透明のボディが出てくるらしいので、今こそ銀のe-one500を探して削ってみましょう!
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。