山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、昨今は「推し活」という言葉が流行し、自分が好きな人物やキャラクターを応援する活動の中には、アクリルスタンドやぬいぐるみなどの〝グッズを買って応援〟する行為があります。
その源流のひとつともいえるのが、平成が幕開けした1989年前後から人気となったタレントグッズでしょう。これらは原宿・竹下通りのタレントショップや、全国の主要な観光地で売られていました。
当時、さまざまな芸能人やアーティストが出店しており、中でも人気の高かった山田邦子さんを紹介したいと思います。
山田邦子さんは1980年代から活躍するお笑い芸人ですが、人気絶頂を印象づけたのが冠番組の『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』。これが始まったのが、まさに平成元年でした。
その番組からスピンオフしたCDのデザインと同じく、スイカ柄を中心にした邦子さんオリジナルの文房具やおしゃれグッズ、アパレルなどを扱ったのが「KUNY」というタレントショップ。
スイカ×SF路線というポップな世界観で構成され、キャラ絵だけでなく文字だけのラインナップもあり、子供から大人まで普段使いしたくなるアイテムばかりでした。
また、山田邦子さんは「くにこ姫」「Kuni Kuni」とほかにもブランドを展開し、それぞれ別の会社が運営していたそうです。
通常、タレントショップは単一ブランドだけに注力して、事業を拡大する場合も同一ブランドの支店や、飲食店など別業態となるケースがほとんど。複数ブランドを展開していたことに、山田邦子さんの絶大な人気がうかがえます。
「くにこ姫」は京都や太宰府などに出店されました。観光地ごとに展開するブランドを変えるのも、山田邦子さんの特徴でした。
今では竹下通りにショップはほぼ残っていませんが、リユースショップなどで出会うことはあります。ぜひ平成初期の推し活スタイルで、山田邦子さんのタレントグッズを探してみましょう。
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。