山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。さて、平成レトロ特集が組まれる際に必ず登場するのが1999年に日本で発売された電子ペットのファービーです。こちらは98年に米タイガー・エレクトロニクス社が発売し、日本ではトミー(現タカラトミー)が販売ライセンスを取得し大ヒットしました。
そして、タイガー・エレクトロニクス社にはファービー以外にもクールなアイテムがあったのをご存じでしょうか? それが95年にタカラ(現タカラトミー)から発売された「ライツアウト」です。
こちらは5×5マスに自照式ボタンが並び、ボタンを押すと周辺のマスのライトが反転。その法則でボタンを押していき、最終的にすべてを消灯(ライツアウト)させるパズルゲームです。
ほぼ単一ゲームしか遊べないのに本体はゲームボーイポケットぐらい大きく、ミニテトリンなどのキーチェーンゲームがブームとなる時代には受け入れづらいスペックでした。
しかし、未来感のある洗練された銀のボディにイエローとパープルのボタンというアメリカンなデザインは秀逸で、筆者もおもちゃの「ハローマック」のチラシでライツアウトを見て欲しくて仕方がありませんでした。
実際に電源を入れると、昭和のLSIゲームのように太い電子音が鳴ります。そして暗い中でもボタンが光るため、フロアが暗いクラブカルチャーとの相性は抜群。おそらく当時も夜の街などで、ファッション感覚で遊ばれていたのでしょう。
遊べるゲームはほぼ単一ですが、ルールは単純ながら奥が深く、飽きずにのめり込める逸品です。
ファービーと同じく関連書籍も発売され、さらに後にはスケルトン仕様になったライツアウトの続編が発売。ほかにも「3OX(スリーオックス)」というマルバツゲーム的な近縁種が発売されるなど、単なる〝一発屋〟ではない展開を見せました。
ディスプレーで遊ぶデジタルゲーム全盛期に発売されたアメリカンなライツアウト。一周回った今こそ買い時なので、ぜひ見つけ出してクラブで自慢しましょう。
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。