山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
以前、山田邦子さんがタレントショップ全盛期に複数のブランドを展開し、商品バラエティが多かったということを紹介しました。それだけでも十分にすごいことですが、今回は普通のグッズの域をはるかに超えていた山田邦子さんのアイテムを紹介します。
1980年代から女性のピン芸人として活躍し、平成元年である89年に冠番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』にて人気を決定づけました。
番組からはKANさんの『愛は勝つ』、大事MANブラザーズバンドの『それが大事』などヒット曲も多数生まれ、自身のユニット「やまだかつてないWink」も誕生。91年には番組発のCD『やまだかつてないCD』まで発売されました。
そして番組放映中の90年には山田邦子さんについて研究した『山田邦子大研究』(クニコ・カルチャー・クラブ編著/青弓社)という書籍が出版されています。研究本が爆発的に流行する92年の『磯野家の謎』より早く、まだ作家やアイドル、ミュージシャンの研究本が多い時代にこれが発売されたことは、まさに人気の裏づけとなるでしょう。
さらに山田邦子さんは、違った分野へも展開を見せます。92年に『やまかつ』が終了するも人気は衰えず、94年には自身が大好きなタカラのリカちゃん人形とコラボ。「リカちゃんのおともだち山田邦子人形クニちゃん」が発売されます。しかも衣装違いで複数種類を展開するほど気合いが入っていました。
95年には元プロボクサーの渡嘉敷勝男さんと共同で開発したウエストを引き締めるダイエット商品「トカクニベルト(トカちゃんクニちゃんベルト)」を発売。ほかにも単独でふくらはぎなどを引き締める「クニちゃんベルト」が発売されました。
自身の番組に関連する楽曲を大ヒットさせつつ、玩具から実用的な健康グッズも扱うという山田邦子さんのグッズ展開は、タレントの域を超えていたのです。
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。