山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、平成の時代にCMキャラがプロモーションの枠を超えて人気となる現象をたびたび紹介していますが今回は英会話など外国語教室です。
数ある外国語スクールの中でも平成に輝いていたのが「駅前留学」というキャッチコピーが印象的なNOVA。もともと1992年に「農婆」という文字と共に農家の女性が「ノー・プロブレム。アイ・アム・ノヴァ!」と笑う実写CMで注目を集め、2002年9月に「いっぱい聞けて、いっぱいしゃべれる」というキャッチコピーと歌が印象的な「NOVAうさぎ」のアニメCMが開始。人気となり、さまざまなグッズが販売されました。
定番のぬいぐるみに、ペンケース、果てはMD型のミラーなど時代を反映した商品も。さらにはビデオゲームにテレビ番組へのレギュラー出演などメディアミックスにまで発展しました。
NOVAうさぎはピンク色の体で、外国語を「いっぱい聞ける」長い耳と「いっぱいしゃべれる」鳥のクチバシを持ち、胸にはNOVAの青いNのマークが光り、いつも目は閉じている謎の動物ということになっています。03年にはアイドルなど実在の人物に交じってCMタレント好感度ランキングで3位を獲得するなど大躍進を遂げました。
CMソングは当時ポスト渋谷系やインディ系ギターポップの中で登場したOurHourが担当して大ヒット。くしくもウサギのジャケットでメジャーデビューしたバンドですが、そもそもNOVAうさぎのキャラクターとCMを作った松村祐治さんがメンバーなのです。
まだヒットするともわからず予算が限られる中で、自身のバンドで音楽を担当したところ結果的にオリコン12位という大ヒットとなりました。
07年のNOVA経営破綻によって一度は姿を消したNOVAうさぎも、継承した会社によって復活。今や特典に現代的なNOVAうさぎモバイルバッテリーまでありますので、駅前留学しましょう。
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。