山下メロやました・めろ
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
いよいよ巳年が始まったということで、さっそく平成のヘビ案件について振り返っていきたいと思います。
昭和なら東京コミックショウの「レッドスネークカモ~ン!」といったところですが、平成ヘビに関するトピックスとしては、まず平成4(1992)年にとんねるずがリリースした『ガラガラヘビがやってくる』があります。『とんねるずのみなさんのおかげです』のオープニング曲としてミリオンヒットし、そのアニメ映像も新鮮でした。平成ヘビ体験としては、それをパナソニックのCDラジカセ「コブラトップ」で聴くべきでしょう。
また、昭和・平成の子供向け観光地土産「ファンシー絵みやげ」においてもヘビ案件がありました。ヘビにまつわる観光地は群馬県のジャパン・スネークセンターが有名で、ほかにも各地に白蛇伝説があります。
しかし、四肢がないヘビは擬人化キャラクターにするのが難しく、商品展開は少なめでした。ただし、自分の名前がプリントされたバッジや星座、血液型のキーホルダーなど、自分のプロフィールに関するお土産では、干支としてヘビがファンシーなイラストになっていたりします。
ファンシー絵みやげは動物を、まるで2頭身の人物のように擬人化することが特徴。ヘビの場合は頭を大きく描き、体をその名のとおりの〝蛇腹折り〟で縮めて、うまく2頭身のような雰囲気に仕上げていました。
酒場などで長居する客や、数人が車座になって長々と酒を飲む様子などを、ヘビがとぐろを巻いてじっとしている状態になぞらえ「とぐろを巻く」と表現することもありますが、それを巳年の特徴として〝酒癖悪い〟と決めつけてしまっているものまで。
ほかには、かつてジャパン・スネークセンターの白蛇観音ステッカー。昭和末期のキョンシー映画『霊幻道士』やアニメ『幽☆遊☆白書』のような字を傾けたロゴも! ぜひ、皆さんも平成のヘビ案件を探してみましょう。
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。