イオングループが全店舗で成人向け雑誌の取り扱いを中止するという。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編に続き、エロ本排除の動きについて語る!
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ホリ そのへんはネットが強い部分だよね。地上波で過激なシーンがあるせいで流せない作品が、ネットフリックスとかHuluだと人気作品になっていたりするわけだし。
ひろ むしろ、ネットならそれを求めている消費者と直接つながれるので、結果的にはビジネスとしては安定するんですよね。逆にエロ本を作る出版社もコンビニ流通だけに頼ってると、今回のミニストップみたいに、コンビニの思惑で会社が傾いたりすることもあるわけです。
ホリ そうだね。
ひろ ってことで、中途半端なエロを作るよりも、ガッツリ作り込んだ作品を中国とか海外でも売っちゃうってほうがいいんでないかと。詳しい数字はわかんないですけど、エロマンガだと一般流通している市場より、ネット販売や同人誌のほうが市場規模は大きいんじゃないすかね?
ホリ うん。そうかもね。
ひろ 今回はイオン系の店舗が取り扱いを中止にしましたけど、ほかのコンビニは置き続けるみたいですね。
ホリ でも、厳しい未来が待っていることは間違いないと思う。
ひろ ただこういった流れでエロ本作りをやめる出版社が出てくると、ライバルが減ることになりますよね。すると、規模は少なくても残された需要を独り占めできるみたいな現象が起きたりもします。
ホリ そういう「残存者利益」的な状況もあるっちゃあるけど、それでも厳しいんじゃない?
ひろ コンビニの立ち読みって防犯対策の意味もあるんですよね。誰かお客さんがいると悪いことをしづらいっていう理屈で。それに暇つぶしにはなるので、雑誌コーナーの需要はまだあると思うんですよね。
ホリ どうだろう?
ひろ ま、最近は立ち読み防止テープを貼る店舗も増えてますけど。とはいえ生鮮食品やお弁当は、廃棄処分になると店の負担ですけど、書籍は取次が回収してくれるので売れ残っても損がないから利益率も高いですよね。毎週発売するマンガ雑誌を買うついでに弁当や飲み物やらを買う人も多いですから。
ホリ でも、その雑誌コーナーも急速にイートインになりつつあるけどね。
ひろ 確かに、都内ではイートインは確実に増えていますよね。
ホリ ということで、イオンが取り扱いを中止するよりも前に、エロ本の市場はかなり厳しいことになっているんだよ。だから、スマホに移行するなど、思い切った方向転換をしないと今後は立ち行かなくなるんじゃないのかな。
ひろ まあ、そうですね。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)