「WHOは政治的な事情でモノが決まることがある」とひろゆき

『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、WHOが新疾病に認定した「ゲーム障害」について議論する。

前編では、趣味や好きなことが仕事になっていくこれからの世の中で、ゲームだけ槍玉に挙げるのは「時代錯誤感が甚だしい」と違和感を訴えた。

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ひろ 今や、役に立たないモノのほうが価値を持つ時代ですからね。例えば、世界中の航空会社の利益を足した額より、フェイスブックの利益のほうが大きいんすよ。こんな感じで、「社会で役に立たないと思われてるもののほうが儲かる」という旧来の価値観の人が納得しづらいことが起きている時代だったりします。

ホリ ユーチューバーとかもそうだよね。年収が1億円を超える人もいるし。てか、今回の件はなんでも病気にすることで新たな医療利権をつくろうとしているんだと思うよ。

ひろ 「因果関係を逆に理解している」人がいるのと、「新しい疾病が増えることに反対する層が少ない」からしゃあないすかね。

ホリ どゆこと?

ひろ 例えば、躁鬱(そううつ)病の人がゲームにハマって、ものすごい時間を費やしたとしますよね。でも「それって、ゲームじゃなくて躁鬱病が原因じゃないの?」って思うのが普通だと思うんですよ。

心の病によってネット上でひたすら見えない敵と戦っている人がいますけど「それはネットが原因じゃなくて、心の病の問題じゃないの?」とかも同じですね。あと、WHOは政治的な事情でモノが決まることがあるんですよね。

ホリ 日本人は国連機関系の発表に弱いからな。WHOはゲーム障害を病気の分類に盛り込むことで「各国で診断例が増えて研究が進み、治療法確立への寄与を期待する」と強調しているみたいだから、関係者にはおいしい話なんだろうね。

ひろ 研究者は研究予算が増えるでしょうからうれしいんじゃないすか。でも、カジノとかパチンコとかの依存症の人が、ほかの何かにハマるってのは、今に始まったことじゃないですよね。そう考えると、重度の依存症をなんとかするほうを、ちゃんと研究したほうがいいと思いますけどね。

ホリ だね。

ひろ すでにある依存症で、現在も患者がいる問題を解決できていないのに、患者がそんなにいないものに研究費用を割くのはどうなのかなと。ゲームが理由で死ぬ人って、年に数人もいないと思うんですよ。でも、アルコールとかギャンブルで借金をつくって自殺しちゃう人はそれより多い。

ホリ すでにたくさんの精神疾患がここ最近で創出されつつあるけど、それが医療費の増加を招いている。このニュースを機に、この事実をちゃんと考えてほしい。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『10年後の仕事図鑑』(SBクリエイティブ)が好評発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)