"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマは、働き方改革にちなみ、PC、スマホどちらで仕事をするか。前編では、「この2年くらい、原稿を書く仕事は全部スマホでやっている」という堀江氏に、ひろゆき氏は「音声データを作って、あとは編集さんに丸投げしちゃうって手もある」とさらなる合理化案を提示。ベストセラーにもなった堀江氏の『多動力』は、もはやしゃべってもおらず、過去の発言等を引っ張ってきてもらう「コピペ本」で作ったものだった。
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ホリ でも、そっちのほうが売れるんだよね。俺が話したいことを伝えようとしても、理解できないんじゃないかと......。
ひろ そうなんすよね。編集さんが世の中のニーズとかを考えつつ、テーマと読者を想定して、それにハマる著者を探してきて、編集さんが聞き書きしたほうがダイレクトに伝わるわけですから。
ホリ ある程度、みんなが理解できるようにしないと本って売れないからね。つまり、かなり噛(か)み砕かないとヒットしないんだけど、それって俺の目線からすると時代遅れの内容だったり、毎回同じことを話すことになるからやりたくないんだよ。
ひろ タレントやアーティストのファンクラブ向けのエッセイとかなら、本人が書いたほうがいいんでしょうけど、ビジネス書みたいに内容で押していくときは、著者がいちいち全部書かないほうがいい本になるんじゃないかなと思ったりしています。
ホリ 聞き書きで本を作る人の中には、校正すらしない人もいるみたいだけど、俺は校正だけはするようにしている。
ひろ 僕は校正しない派です。校正しなくて困るのって、出版社であって別に僕ではないので。
ホリ でも、俺の場合はあら探しマンがたくさん生息しているから。揚げ足取りとかされると面倒くさいからさ(笑)。
ひろ 堀江さんの過去の発言のあら探しが好きな人って多いですよね。
ホリ やっぱ自分で書くってのは、いろんな意味で効率的ではないね。そして、その入力をいまだに手書きするとかありえないわ。この間も東大受験で久々に鉛筆を握って長文を書いたけど、それこそ腱鞘炎になりそうになったからね。
ひろ 鉛筆はヤバいですよね。住所をいっぱい書くだけで手首が痛くなりますし。
ホリ 今回東大受験してみて改めて思ったけど、学校とかも手書きさせなくてよくない? あんな苦行を子供たちに強いるのってどうなの?
ひろ 堀江さんが東大受験するってなって久しぶりに鉛筆を握ったように、ほとんどの大人はペンよりパソコンやスマホで入力していますからね。ただ、変えていくのは難しいんじゃないですか? だって、いまだに「履歴書は手書きがいい派」が一定数いるじゃないですか。
ホリ マジでくだらないよね。
ひろ 字がうまい人が自分のスキルに価値があると思い込みたくて手書きを強要するんすかね。手書きを強要する理由もメリットもわからないです......。
ホリ 文字の上手ヘタとか気持ちがこもっているとかで採用しても、仕事ができなかったら意味ないからね。
ひろ いまだにエクセルを手計算で検算しているケースとか聞きますけど、なんでも手でやるのが正しいと思ってるのって、相当ヤバいですよね......。
ホリ ホント、これからはスマホでフリック入力の時代だと思うよ。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)