"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、新型コロナウイルスのワクチン接種について語る。

※この記事は、2月8日発売の『週刊プレイボーイ8号』に掲載されたものです。

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ひろ 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んでいる国が増えてきましたけど、堀江さんは接種しますか?

ホリ もちろん。やらない理由がないよね。「mRNA」ワクチンを実用化した今回のワクチン(ファイザー社、モデルナ社)って人類の叡智(えいち)の結晶ともいえるわけでしょ。

高校の生物の授業程度の知識があれば、「生物のすべてのタンパク質はDNAという遺伝物質に設計図が書いてあり、そこからmRNAに転写し、その設計図に従ってタンパク質が作られる」ということは理解できるはず。

今回のワクチンは、そのRNAの設計をしてしまおうという壮大なものなんだよ。それを1年未満でやってしまったわけさ。

ひろ 意外と早かったですよね。

ホリ 新型コロナのパンデミックは、初めてウイルスの本質をわかった上で世界中が対策を考えるという出来事だったと思う。だから、人類史上でもまれに見る大きな飛躍をするきっかけにもなっているんじゃないかな。

ひろ これまでのワクチンとも違うんですよね?

ホリ これまでは弱毒化・無毒化されたウイルスを使う方法だった。これはウイルスによってはなかなか作れない場合もある。例えば、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染を予防するワクチンはまだ開発されていない。しかも、インフルエンザワクチンなどの製造には鶏卵を使うから、急な大量生産には向かなかったりする。

ひろ となると、今回のワクチンの製造方法は今後の主流になりそうですかね?

ホリ 変異株が出てもすぐにゲノム解析して、改変型のワクチンを工業的に生産できるから強いよね。インフルエンザウイルスって変異しやすいから、インフルエンザワクチンもこの手法で作られるようになるかも。

ひろ でも、今後は変異したものにサクサク対処していく先進国と、置き去りの発展途上国って構図になりませんか。

ホリ そのへんはビル・ゲイツと夫人が設立した慈善基金団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の出番でしょ。

ひろ 根絶可能なウイルスだったら、大規模な投資でなんとかなると思うんですけど、人類と共存していくタイプだと20年くらいはその費用を賄えても50年後とかは無理だと思うんですよ。

ホリ でも、10年くらいのタイムスパンでワクチンを製造するデバイスができると思うよ。

ひろ 薬品業界って、安価で発展途上国に提供しない気がするんですよね。

ホリ mRNA創薬の基本特許は、おそらく開発されたときから10年くらいで切れると思う。そして、コードは安全性とか有効性も含めてオープン化する"薬の民主化"もありえると思うけど。

ひろ そっちにいくといいですね。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆき「進む世界のワクチン接種。出遅れ日本はどうすればいい?」

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』(三笠書房)

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