巨大な地下街・東京駅近くにある八重洲地下街は店にたどり着くだけでも大変です 巨大な地下街・東京駅近くにある八重洲地下街は店にたどり着くだけでも大変です

連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第32回

ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

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配達エリア内の登録店であれば、どの店にも商品を受け取りに行き、エリア内であればどこへでも配達に行く。それがウーバーイーツの配達員です。

配達員のアプリには店の住所や配達先の住所が記され、さらにスマホの画面には地図が表示されるので、9割以上の配達はスムーズに商品の受け取り、引き渡しができます。

ところが、まれにお店や配達先までなかなかたどり着けない場合があります。

今回はそんな、配達員にとっての「到達困難案件」を紹介します。

デパートの高層階にあるレストラン街やファッションビルと呼ばれるたくさんのテナントが入る都心部のビルにある飲食店。こういった建物の中には、セキュリティの厳しいところがあります。

以前、「部屋にたどり着くまで10分以上かかる!? タワーマンションへの配達はつらいよ」でタワーマンションの中に入る煩雑さを書きましたが、商業系のビルの難易度はそれ以上です。

まず、指示された従業員用の入口を見つけるのが大変。こういったビルは、客の入口は大通りに面していて目立っていますが、従業員用の入口は裏通りにひっそりとした感じで設置されているもの。注意書きの欄に目印となるものを書いてくれているありがたい店もありますが、それでも初めて行く店で従業員用の入口を見つけるまで5分以上かかることはよくあります。

その後、入館手続きをして、業務用エレベーターで店のあるフロアまで上がるのですが、目的のフロアに着いてからがまた大変。客の場合はエスカレーターやエレベーターのすぐ近くにフロアの案内図がありますが、従業員用のエレベーターを降りて、売り場へとつながる扉を開けても近くに案内図はありません。

大抵のところでは扉を開いた瞬間に目の前に現れるのは、トイレへとつながる通路。つまりフロアの隅っこなので、そこから案内図のあるフロア中央まで行き、店の場所を把握して、ようやく店に到着。商品を受け取ったら再び業務用エレベーターで......という手順を踏むので、店の入った建物の前に到着してから、配達先へ出発するまでに10分以上かかってしまうこともあります。

巨大な地下街も大変です。

東京駅近くにある八重洲地下街は、道路の下に広がる東京ドーム1.5個分の広さがある巨大な地下街。こちらの住所は「東京都中央区八重洲2-1」となっていますが、ウーバーイーツの配達員用アプリには地下街のほぼ中央の位置が表示されるだけ。店の具体的な位置は全くわかりません。

店側もそれを見越して「地下街〇〇番入口から入るとわかりやすいです」と注意書きに記入してくださるのですが、慣れるまではどのあたりに何番の入口があるかがわからず大変でした。今は八重洲地下街ならスムーズに行けるようになりましたが、それでも初めて行くような店は地下街周辺に到着してから店を見つけるまで5分以上かかることがあります。

配達先で大変なのは、オフィスへの配達。私がよく配達するエリアにはオフィスがたくさん入った高層ビルが多く、防災センターで手続きしてからビルに入るところが多いのですが、ファッションビルの時と同様に防災センターの入口を探すのに苦労するビルがたくさんあります。

住宅でごくごくまれにものすごい苦労する可能性があるのは、10時から11時もしくは14時前後、10階ぐらいの高さで築年数がそこそこあるマンションへの配達。

築年数のあるマンションは、この時間帯にエレベーターの点検を行なっていることがあります。15階以上ある高層マンションであればエレベーターが2基以上あるのでひとつずつ止めて点検を行ないますが、10階ほどだと1基しかなく、点検中は階段で行かなければならないことも。

配達を始めた頃は、エレベーター点検と配達が重なるなど想像せずにやっていましたが、5年前に13階まで階段で上って以来、配達先のエレベーター内に「エレベーター点検のお知らせ」の張り紙があったら時間とマンション名をチェックするようになりました。

ちなみに先日、13階建てのマンションの配達先へ届けたら注文者からの注意書きにこんな文言が。

13階建てマンションへ届けた際の注文者からの注意書き 13階建てマンションへ届けた際の注文者からの注意書き

エレベーターが使えない場合は階段を使用するよう指示があり、その際にはチップを支払っていただけるとありますが、一体いくらもらえるのでしょうか?

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渡辺雅史

渡辺雅史わたなべ・まさし

フリーライターとして雑誌や書籍への執筆をするほか、ラジオ番組やテレビの番組の構成作家としても活躍。趣味は鉄道に乗ること。国内の全鉄道路線に乗車したほか、世界20の国・地域の鉄道に乗車。

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