プロ野球の“助っ人”として球団の勝利に貢献する外国人選手。
だが、多額の年俸を獲得しつつも芳(かんば)しくない結果に…ということもよくある。果たして、今年の“お買い物”はお得なのか?
第1回の記事(http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/21/45303/)では広島、ヤクルト、DeNAの選手たちを徹底診断したが、今回は巨人、中日、阪神に注目!
■今年もドミニカから森チルドレンが来日
DeNA残留のグリエルをあきらめた巨人は結局、マイコラス(196cmの右腕)、ポレダ(198cmの左腕)と投手ふたりだけの補強。入団会見で4年目のマシソン(191cm)も合わせて「“スカイスリー”っていいんじゃない?」とギャグをかまし、スベった原監督はふたりにそれぞれ12勝を期待。しかし、実際は合計12勝というレベルだ。
「実は、もともとバンデンハークを狙っていたんだけど、あっさりソフトバンクに獲られてしまった。今の巨人の外国人獲得ルートは代理人に振り回されてちゃんと機能していない。見直さないといけない」(巨人関係者)
その点、どこもマネできない独自ルートを持つのが中日だ。「現地に自宅を建てているんじゃないか(笑)」(名古屋のテレビ局関係者)と囁(ささや)かれるほど毎年のように長期間、ドミニカを視察する森繁和(しげかず)ヘッドコーチ。
昨オフは一部で「球団が5億円の補強費を準備した」と伝えられ、森ヘッド自身も出発前に「今まで手が出せなかった選手も獲りにいけるかも」と期待させるコメントを残した。
「ところが、第1希望だった昨年マイナーで30本塁打のペゲロは、1億円の移籍金を吹っかけられてあっさり断念。結局、連れてきたのは例年どおりの格安選手です(苦笑)。投手のリーバス、外野手のナニータはあまりに小粒。多少の成績は残すかもしれませんが、あの程度なら日本人の若手を使えばいいのに」(同・テレビ局関係者)
阪神の緊急補強はマスコミ対策?
ちなみに、新外国人3名の年俸は合計約1億1400万円。5億円補強費はガセネタか? 左腕のバルデスは使えそうだが、何せ37歳。49歳の山本昌、44歳の谷繁(たにしげ)兼任監督らがそろう高齢軍団にまたオッサンが加わった。
キャンプ開始の段階で、12球団で唯一、新外国人補強がなかったのが阪神。チームの年俸総額の約3分の1を占めるマートン、ゴメス、メッセンジャー、呉昇桓(オスンファン)の残留組4人が昨年活躍しただけに新戦力なしでもよかったのだろうが、「鳥谷(とりたに)の残留が最大の補強」と関西マスコミに叩かれてしまった。
慌てて中南米にスカウトを飛ばし、獲得が内定したのがWBCプエルトリコ代表のサンティアゴ。また、3月12日からは台湾代表経験のある王躍霖(ワンヤオリン・元カブス傘下マイナー)もテストしている。
「ともに鋭角に落ちるチェンジアップが武器の右腕。王躍霖は24歳と若く、育成枠が前提ですが、ふたりとも案外使えそうな投手です。ただ本来、補強すべきはゴメスの不振時に保険となる打者だったと思うのですが…」(セ・リーグ某球団スカウト)
(写真/小池義弘)