昨年、ライバルを上回る速さを見せながら、ラスト3分に泣いたトヨタ。夢の続きに向けたリベンジが始まる!

いよいよ今週末に迫った「ル・マン24時間レース」(日本時間17日22時~)。

悲願の初優勝を目指すトヨタの鍵を握る3人の日本人ドライバー。中嶋一貴(かずき)小林可夢偉(かむい)の元F1コンビと、ル・マン初挑戦となる昨年の全日本スーパーフォーミュラ王者、国本雄資(ゆうじ)が、渡仏直前に集結! 

前編記事に続き、ル・マン制覇に向けた熱い思いを語る!!

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■クルマを降りたとき「いかに休むか」

―「ル・マン24時間」ならではの難しさとは?

中嶋 今のル・マンは24時間、常に全力のスプリントレースを続けるような世界だから、タイヤや燃費にも気を配りつつ、「速く走る」のは当然なんですけど、その上で「24時間何事もなく走る」必要がある。そこが一番難しい。

小林 ひとりやったらいいんですよ。でもおっそいクルマがおって。それをかき分けながら、同時にラップタイムも維持しなきゃけいない。

中嶋 高速道路で普通に走っている人たちの間を全開ですり抜けていくような感じですね。それを24時間続けていて、ちょっとでも接触すればダメージも受けますし……。

今年が6回目のル・マン挑戦となる中嶋一貴は8号車を担当。2014年のル・マンでは予選ポールポジションも獲得している。今年は悲劇のヒーローから表彰台の頂点を目指す!

小林 結局ね、24時間戦おうと思ったら、自分のコントロールが一番大切。正直ダメなときもある。タイヤの温度と路面が合わなかったとか、クルマのセッティングが合わなかったとか。そういうときに、どれだけ自分をコントロールできるかという「強さ」が必要なんです。クルマを降りたときに「いかに休むか」も重要。僕、こう見えて神経質だから、去年はあんまり寝れなかったんですよ。

中嶋 逆に僕は意外と寝られるんですよね。でも「寝なきゃダメ」って思わないほうがいいと思う。「寝られなきゃ寝られないで、休んでいればいいや」って思っといたほうが、逆に寝られるから。

小林 まじめな話、クルマに乗り込んだら全力でやるのは当たり前。むしろその合間にいかに休んで、目が覚めたら、毎回、常にフレッシュな気持ちでクルマに乗り込めるか、というのがル・マンではすごく大事やと思う。

トヨタ7号車のステアリングを握るのは昨年からチームに加わった小林可夢偉。去年のレースでは、深夜から明け方にかけて驚異的なペースでの追い上げを見せた!

ル・マンで勝つってオリンピックで金メダル獲るのと同じ

今年、必勝体制で臨むトヨタは、ル・マンに向けて3台目の9号車を追加エントリー。昨年の全日本スーパーフォーミュラ王者、国本雄資が「世界の舞台」でデビューを飾る!

―国本選手にも、いいアドバイスになったのでは?

国本 もちろん緊張はしますけど、初めてのことだから楽しさもあると思うので。

中嶋 絶対に楽しいと思う。ル・マンで勝つってオリンピックで金メダル獲るのと同じ感じなんだと思います。

小林 うん、F1はワールドカップやね。ル・マンとかインディ500のほうが、オリンピックに近いかも。

中嶋 オリンピックと違って1年に1回あるのはいいですけど。それでも、その1回にすべて帳尻を合わせて、全部用意して勝てる準備ができた上で、それでもやっぱり、運試しみたいな部分がある。

小林 今年はクルマも完璧やし、ドライバーのラインナップも完璧。絶対に勝たなきゃいけないという気持ちでやってるから、去年とはまた違うチャレンジになる。

国本 僕はずっと海外のレースに憧れていたので、その1発目がル・マンっていうのはすごくうれしいし。当然、そこで活躍して、世界に認められたいと思ってます。

中嶋 応援してくださる皆さんも24時間ずっと見るって、すごく大変だと思うんですけど、日が暮れる時間なんかは見ててもきれいでしょうし、朝起きてチェックしたら「え?」っていうことがあったりする。

小林 じゃあ、このレース見るために休暇取って、仕事を2日間休みましょう!

中嶋 そうですね、Jスポーツの中継見ながら一緒に24時間耐久していただいて。

国本 皆さん、応援よろしくお願いします!

(構成/川喜田 研 撮影/村上宗一郎[ドライバー])

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